電気の基礎、配電および低圧電気配線工事に関する知識と電気工事技能を習得します。
ビル設備サービス科のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
ビルメンテナンス、その中でも特に設備管理とは、ビル内外の環境を総合的にとらえ、法規に基づいて設備の運転、保守管理を行い、健全な環境(安全・安心・快適)を維持することによって、そこに集う人々の暮らしを守る業務です。
ビル設備サービス科では、ビル等の建築物の電気設備や空調設備、給排水衛生設備などの施工、運転、メンテナンスに関する知識、技能・技術を習得し、ビル管理業務等で活躍できる人材の育成を目指します。
訓練全体の目標人材像(訓練目標)
- ビル等の建築物の電気設備のメンテナンスができる。
- ビル等の建築物の空調設備・給排水衛生設備のメンテナンスができる。
(下記写真の訓練課題例参照)
総訓練時間
- 672時間
1ヶ月ごとの訓練目標
1.「電気配線工事」
2.「電気設備保全管理」
電動機などの自動制御(シーケンス)、受変電設備およびビル管理業務に関する知識と配線組立技能を習得します。
3.「情報活用と設備CAD」
パソコンを用いて、ビル管理業務の資料および設備図面を作成し、関連知識を習得します。
4.「空調設備保全管理」
空気調和の原理、空調設備の構造および空気環境に関する知識とエアコン据付け技能を習得します。
5.「給排水衛生設備管理」
給水・給湯・排水通気設備、配管および環境衛生に関する知識と衛生器具据付け技能を習得します。
6.「消防設備/ボイラー設備」
火災報知設備の施工およびボイラー設備の運転・保全に関する知識と技能を習得します。
受講要件
過去の経験
- 特に不要
事前に習得していることが望ましいスキル
- 特に不要
各訓練科共通要件
- 公共職業安定所に求職の申し込みを行っており、職業訓練に関連する職種への再就職を希望している方
- 職業訓練受講及び修了に支障のない方(健康状態等)
- 公共職業安定所の受講指示等を受けることができる方
受講料
- 無料です。ただし、テキスト代(約10,000円程度)については、実費負担となります。
- 作業服、作業帽子、作業用手袋、安全靴(運動靴可)
※お持ちのものがあれば、新規に購入する必要はありません。
受講者の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
当該訓練分野の経験が無い方でも、下記のような関連職種に就職されています。
(前職) (修了後の職種)
- システムエンジニア → ビル設備管理
- 接客業 → ビル設備管理
- 営業事務 → プラント管理
- 営業職 → 消防設備施工・保守
- 運搬業(契約社員) → 配管施工管理
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
- ビル設備管理員
- ビル管理人
- 居住施設・ビル等の管理の職業
- 施設警備員
- 消防設備保守点検
ビル設備管理員の仕事
様々なビルの電気、空調、消防、給排水などの設備を、運転、点検およびメンテナンスするのが、ビル設備管理員です。一般的に、複数のビルを巡回訪問して設備管理をする技術者と、一つのビルに常駐して設備管理をする技術者に分かれます。
複数のビルを巡回訪問して設備管理をする技術者は、担当エリアを持ち、契約先のビルを巡回訪問して、保守や点検をします。巡回先のビルでは、電気の配電盤や空調設備、消防設備や給排水設備などが正常に作動しているか、確認します。設備に異常が認められたり、停電などの緊急の場合、補修を担当する専門業者に連絡し、連携して設備の復旧に務めます。
ビルの地下などにある中央管理室に常駐してその施設の設備管理をする技術者は、各設備の状態を一括して管理します。常駐での設備管理は、コンピュータで自動制御された機械装置の運転状況を制御モニター画面で監視します。そして、定期的に現場を巡回して運転状況を観測し記録したり、機器の保守や点検をします。常駐管理は、24時間体制で管理するため、一般的に、技術者は、交代制で勤務します。国際展示場など多くの人々が集まる施設の中央管理室は、防災センターとしての役割も大きくなります。ビル設備管理員は、イベント中に異常が起きないように神経を集中させ、人々の安全と快適な環境を守ります。
職種との相性(こんな方に向いている!)
- 電気、空調、給排水衛生など、いろいろな設備の運転や維持保全に関心がある方。
- ビルの環境を快適に保つという、裏方の仕事に関心がある方。
訓練により就職可能な主な仕事
- ビル設備管理の業務
- 施設防災保安の業務
- 設備工事の業務
求人票に記載されている職種名
ビルメンテナンス、ビル管理業務、居住施設・ビル等の管理、ビル総合管理技術者、ビル管理人、ビル設備管理、ビル管理技術員
就職後の仕事例(求人票より)
- ビル管理業務(電気、空調、衛生、消防設備及び建物の管理)
- 工場施設設備管理 電気・ボイラー・冷凍機などの運転管理
- 電気設備工事・空調配管設備工事・給排水配管設備工事関係や、同メンテナンス・サービス業
- ビル管理:建築設備の定期巡回や保守点検の計画立案、巡回業務
- ビルの関係者との密接な意思疎通を図り、ビル管理業務を担当する協力会社をコントロールする業務
- 施設の保安警備及び簡単な設備管理(補助業務)
- 設備運転・保守等常駐作業照明用管球類取替え作業その他応急処置、小修理業
就職率
- 88.6%(令和4年度実績)
修了者の主な就職先
- 石井ビル管理株式会社
- グローブシップ株式会社
- 太平ビルサービス株式会社
- 同和興業株式会社
- 陽光ビルサービス株式会社
修了生の声
- ビル管理に不可欠な基礎的専門知識と技能・技術を学び、関連資格等を取得することができました。
- 親身な就職支援相談により就職活動に取り組むことができ、何とか就職を勝ち取ることができました。
- 一人で就職活動をするより非常に有意義な時間がとれて自分にとってプラスになりました。
賃金情報
- 平均基本給13万円から18万円
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
電気配線工事・給排水衛生設備・ボイラー設備保全管理・消防設備の点検等の知識・技能を習得しますので、第二種電気工事士・二級ボイラー技士・消防設備士等の資格を取得して、ビル設備の保守管理の業務に就職しております。また、施設防災・警備の業務に就職された方も、習得した建築設備の知識と技能を活かして、活躍しています。
訓練修了時に取得できる資格
- なし
任意に取得する資格
訓練期間中に受講者の皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格の一例です。受験手続きの説明や合格できる技能レベルへの到達は訓練中十分可能です。(※但し、合格を保証するものではありません。詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
第二種電気工事士 (一般財団法人 電気技術者試験センター)
電気工事士は従事できる電気工作物の範囲によって、第一種と第二種に分かれています。第二種電気工事士は、暮らしに直結した家庭や商店の屋内外配線の電気工事を行うエキスパートであり、一般の住宅や商店で利用する小型の電動機や電気器具、照明等のための低電圧で比較的受電電力の小さい電気施設の電気工事に従事します。
二級ボイラー技士(公益財団法人 安全衛生技術試験協会)
最も受験者が多く、特級、一級、二級の3種類がありますが、二級の資格をもっていれば、ボイラーを取り扱うことができます。ボイラーは、重油や都市ガス等を燃焼室で燃やしてボイラー内に高圧蒸気を発生させるので、爆発や破裂の恐れがあります。そのため、ボイラー技士がボイラーの操作、安全運転のための管理、点検、定期検査を実施します。働く場所として、オフィスビルや学校、病院、工場、事業所等などで勤務します。
第三種冷凍機械責任者(高圧ガス保安協会)
高圧ガス製造保安責任者の9種類に分かれている高圧ガス保安法に基づく国家資格のひとつで、都道府県知事名で交付されます。冷凍能力20t(アンモニア等)、50t(フルオロカーボン)以上の冷凍設備を持つ事業所では、高圧ガス製造保安責任者の第一種、第二種、第三種冷凍機械責任者免状の交付を受けている者のうちから冷凍保安責任者を選任しなければなりません。
消防設備士(一般財団法人 消防試験研究センター)
消火栓、消火器、火災報知機、救助袋、スプリンクラー等消防用設備等の設置、維持・管理をします。資格は甲種と乙種の2種類があり、取り扱う設備によって、甲種が特類及び1~5類、乙種が1~7類に分けられています。
消防設備点検資格者(一般財団法人 日本消防設備安全センター)
消防用設備等の維持管理の徹底を図るため、定期点検が義務付けられるとともに、その結果を消防機関に報告することとなっており、中でも、特に人命危険度の高い一定の防火対象物に設置されている消防用設備等については、消防設備士または、消防設備点検資格者に点検させなければなりません。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施しています短期間の 在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料)) を受講することで、さらにスキルを向上させることができます。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
ポリテクセンター宮城(宮城職業能力開発促進センター) 訓練課
TEL
022-362-2454
FAX
022-364-2651