製造業で必要な機械部品の図面について、2次元CADでは部品図や組立図の描き方、3次元CADでは立体のモデリングや組立モデルの作成方法などに関する知識と技能・技術を習得します。
機械ものづくり科(ビジネススキル講習付き/企業実習付きコース)のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
日本は自動車やロボットなどの製造において世界でもトップクラスであり、東北にも様々な機械部品を作っている企業があります。しかし現在その現場では、実際に加工機械を操作して製品を作る人手が足りていません。理由としては人口減少のほかにも、「即戦力・経験者」が求められていることがあげられます。
そこで当科では機械部品の設計図作成に必要な製図やCADの知識技能、汎用工作機械やNC工作機械(NC旋盤、マシニングセンタ)を使った加工の基本技術を習得し、企業において機械加工の実務を体験することで、自身の強みや弱み等を再発見でき、その後のフォローアップ訓練で受講者それぞれの課題を設定することで、より実践的な技能や技術を習得することができます。
訓練全体の目標人材像(訓練目標)
- 旋盤及びフライス盤による機械加工NC機械のプログラミング及び加工ができる。
(下記写真の訓練課題例参照)
総訓練時間
- 6・11月入所:108時間(ビジネススキル講習)+708時間 ※橋渡し月
- 7月・1月入所:708時間 ※本訓練月
ビジネススキル講習(6月・11月入所)
ビジネススキル講習は、職業人として必要なビジネスマナー、コミュニケーション能力、就職に必要な職業に関連する基礎知識、基礎的ITリテラシーを習得することを目的としており、職業訓練の事前準備の講習です。
当科のビジネススキル講習で実施する内容は、「訓練内容の把握と仕事理解」「チーム力で働く力」「仕事を見つける力」「考え行動する力」「アプリケーション利用技術」「基礎的ITリテラシー」です。
ビジネススキル講習は、18日間(108時間)実施します。
1ヶ月ごとの訓練目標
1.機械製図とCADの基本
2.汎用機械加工実習
製造業で多く活用されている「旋盤」や「フライス盤」などの工作機械を実際に操作し、金属の切削加工を行います。切削加工に必要な加工条件や加工の段取り方法などを学び、仕事に必要な知識と技能・技術の基本を身につけます。
3.NC旋盤加工実習
「旋盤」がプログラムで動き加工するようになったものがNC旋盤です。ITが進んだ現在では主流となっている機械です。扱い方、プログラミング方法を学び仕事に必要な知識と技能・技術を身につけます。
4.マシニングセンタ加工実習
「マシニングセンタ」はNC旋盤と同様にプログラムで動き加工します。一度にたくさんの工具を扱うことができ様々な加工を行うことができる機械です。車のエンジン部品や産業機械の部品を製造できる機械の知識と技能・技術を身につけます。
5.企業実習
これまで訓練で身に付けた技能を活かし、企業で1か月間の実務実習をします。実際の現場経験から仕事について知ることで理解が深まり、今後の指針となります。
6.フォローアップ
企業実習でご自身が感じた課題や疑問点を解消するべく、15日間の期間で問題点の解決や学んだことの応用を行います。
受講要件
過去の当該訓練分野の経験
- 特に不要
事前に習得していることが望ましいスキル
- NCプログラム作成では簡単な数学の知識が必要となりますので、中学生程度の数学の知識がある方はさらに高い訓練効果が期待できます。
各訓練科共通要件
- 公共職業安定所に求職の申し込みを行っており、職業訓練に関連する職種への再就職を希望している方
- 職業訓練受講及び修了に支障のない方(健康状態等)
- 公共職業安定所の受講指示等を受けることができる方
受講料
- 無料です。ただし、教科書代(約5,000~8,000円程度)については、実費負担となります。
- 加工実習を行うため作業服、安全靴、作業帽子が必要になります。
※お持ちのものがあれば、新規に購入する必要はありません。 - USBメモリが必要になります。
受講者の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
- 配管工 → 機械加工技術者
- 塾講師 → 工作機械オペレータ
- 電化製品組立 → 機械加工技術者
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
- CAD/CAMオペレータ
- 設計技術補助
- NC機械オペレータ、NCプログラマ
- 旋盤工、フライス盤工
- 検査作業者
- 組立、保守メンテナンス
機械加工技術者の仕事
工作機械を用い、さまざまな金属に、切断・切削・穴加工・溝加工・研削などの加工をするのが、機械工です。
違う形状のものを少量だけ加工する場合は、人の手で加工する汎用工作機械を使用します。
まず図面に基づいて、材質・加工精度に応じた切削工具を選定し、角度や削る量、回転数、送りの速度などを決めます。機械の設定ができたらば、知識や技術・技術、経験を駆使して、材料を要求された形に加工します。
同じ形状のものを大量に加工する場合や、より複雑な形状のものを加工する場合は、加工条件などを数値化し、連続自動加工するNC工作機械を使います。NC工作機械では、要求される精度を出すため、最適な加工条件を正確にプログラミングします。 次に設定が終了したらば、精度を確認するための試し削りを行います。試作品を正確に計測し、必要に応じて何度でもプログラムを修正します。そして、連続的に自動加工します。機械工には、期限内に、決められた数の製品を、図面通りに正確に加工することが求められます。
職種(機械加工技術者、CADオペレータ)との相性(こんな方に向いている!)
- 自動車や飛行機などに使用されるような機械部品を製作するために必要な知識技能・技術を習得します。CAD・NCオペレーション科よりも加工について多めに勉強でき、デスクワークよりも実際にものを作ることが好きな方、機械関連の職人を目指す方、DIYや工作、手芸やプラモデルが好きな方にお勧めです。
訓練により就職可能な主な仕事
- 汎用工作機械(旋盤・フライス盤)を用いた金属加工
- NC加工機を使用した加工及びオペレーション
- NC加工データの作成業務
求人票に記載されている職種名
機械加工、金型加工、マシニングセンタオペレータ、NC旋盤オペレータ、機械組立
就職後の仕事例(求人票より)
- 汎用旋盤、汎用フライス盤による機械加工
- マシニングセンタによる機械部品、各種金型加工
- 精密機械・一般産業機械の組み立て作業
就職率
- ※令和5年度新設コースのため、就職率実績なし
修了者の主な就職先
- 株式会社ムトー精密
- 株式会社岩沼精工
- 寿産業株式会社
- 小糸樹脂株式会社
- 株式会社クリエイトフジ
※旧コース名「NC技術科」の就職先も含んでおります。
修了生の声
- NC技術の基礎を身につけることができ、NCオペレータとして就職できました。
- 受講して機械関係の仕事に就職したいと強く思うようになりました。
- 実習が多く、NC工作機などに多く触れることができ丁寧に作業が行えるという自信が付きました。
賃金情報
- 平均15万円から25万円
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
機械ものづくり科の訓練を修了することにより“ものづくり”の面白さと大切さがわかります。加工技能の基本は習得できていますので、この基本技能を活用して、就職先企業で製作する部品、製品を汎用機械やNC加工機を使った製造ができることを最終的な目標とします。
就職後は、就職先の仕事内容によっても異なりますが、訓練で習得した技能・技術と就職先のベテラン技能者のOJT(注)により、概ね3ヶ月から6ヶ月程度で就職先が期待する仕事(標準的な作業時間と品質・仕上がり)ができるようになります。およそ、2~3年で熟練度は向上し、細かく指示されなくとも自らの判断で仕事ができるようになります。
(注)OJTとは、On The Job Trainingという和製英語の略語で、職場の上司、先輩などが新人などに対して職場で実地訓練を行うことです。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施しています短期間の 在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料)) を受講することで、さらにスキルを向上させることができます。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
ポリテクセンター宮城(宮城職業能力開発促進センター) 訓練課
TEL
022-362-2454
FAX
022-364-2651