住宅の建築行為において知っておくべき基本知識として、建築物の構造や建築基準法について学習していきます。
この訓練では以下の4点を習得します。
・模型を作成しながら、住宅の構造(在来軸組構法)と各部の名称、使用される材料名の知識を習得します。
・法令により、住宅にどのような制限が設けられているのかを学び、各部の構成について理解を深めます。
・室内環境として、住宅性能に関わる基準を学習します。どのような性能を持つことが高品質な住宅であると評価されるのかを理解し、住宅の提案力向上を目指します。
・内装工事にどれくらいの時間を要し、どのような手順を踏んでいくのか、工程計画を立て、コストの計算方法(積算)を習得します。
住環境計画科(訓練期間6ヶ月)のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
住宅における室内環境の改善に向けた増築・改築に関して、省エネルギー化や住宅の電気・配管設備を含めた改修計画、内装施工や設備施工、改修工事を企画し提案する方法の技能と知識を基礎から習得します。
この訓練は、座学(3ヵ月)と実習(3ヵ月)の大きく2つで成り立っております。
また、訓練の仕上がり像を2つ設定し、関連就職に幅広く対応できるようになっています。
訓練全体(6ヶ月間)の目標人材像(訓練目標)
- 座学【3ヵ月】
建築工法及び住環境・福祉を理解し、クライアントに最適な住宅改修(コーディネート)の提案ができる。 - 実習【3ヵ月】
住宅改修(コーディネート)の提案を行う上で理解しておくべき、内装・インテリア施工及び設備施工等ができる。
(下記写真の訓練課題例参照)
【訓練課題例】
プランニング演習
内装施工・改修
総訓練時間
- 684時間
1ヶ月ごとの訓練目標
1.「建築一般構造・室内環境」【座学】
2.「住環境改善計画とDTP活用技術」【座学】
住宅の室内環境に重点を置き、室内環境の問題点を洗い出し、建物の安全性・福祉住環境・省エネルギーの観点から住環境の改善計画を立てるために必要な技術・知識を習得します。
また、DTP活用技術としてプレゼンテーションソフト(PowerPoint/ Microsoft)、デザインソフト(Illustrator・Photoshop/Adobe)等を用い、見栄えのする提案書の作成を行います。
この訓練では以下の3点を習得します。
・室内環境や福祉住環境の概論を理解し、現在までに問題となっている事例に対して、さまざまなアプローチから問題解決に至る手法を考えると共に、住環境の改善に向けた計画を立てられるよう学習し、クライアントの要求に対して 有効なプレゼンテーション技術を習得します。
・Microsoft PowerPointの基本操作方法とプレゼンテーション技法を習得します。
・画像データをデザインソフトに取り込み、見栄えのする装飾方法を学習します。
3.「改修案のパース化とプレゼンテーション演習」【座学】
改修提案としてパースを用いた提案書の作成と、プレゼンテーション演習を実践します。
この訓練では以下の2点を習得します。
・顧客への住宅改修提案では、文章だけではなく改修前と改修後を絵で表現し、イメージを持っていただくことが必要となります。住宅・建築プレゼンテーションソフト「3Dマイホームデザイナー」を用いて、住宅の間取りやパースの作成方法を学習します。
・パースを含めたプレゼンテーションボードを作成し、ボードを用いてプレゼンテーションを行うとともに、その表現方法について学習します。
4.「建築設備CAD」【実習】
2次元汎用ソフト「Jw_cad」を使用した平面図・立面図・総合図等の建築図面作成を行います。
この訓練では以下の2点を習得します。
・建築図面は各図面の種類毎に役割があります。1つの立体空間を表すために平面・立体・断面の3つの情報が必要です。図面に描かれている線・記号から表現される情報を読み取ることを学習します。
・CADによる図面作成方法を習得します。基本となるコマンド操作を学習の後、建築図面としての情報に加え、照明・給排水の配管等の情報が表現された総合図を作成します。この総合図を素材として、CAD操作の習得を目指します。
5.「住宅設備施工(電気と給排水)」【実習】
この訓練では以下の3点を習得します。
・住宅電気設備に必要な電気の知識を電気理論、計測を主体としたカリキュラムで、実際に測定器を使用しながら、電気の性質を理解し、電気設備施工の基本となる知識を習得します。
・住宅における給排水の基本となる知識と配管の接続や住宅衛生器具の取付け方法を習得します。
6.「内装施工・改修」【実習】
内装施工では、下地の取付け(石膏ボード)や仕上げ施工を通して、内装の施工方法、材料の種類・特徴を把握します。
この訓練では以下の3点を行います。
・敷地や既存住宅の現地調査方法を習得します。
・床・壁下地の施工を行うことで、その施工方法と建材の種類・特徴を学習します。
・壁下地(断熱、クロス)・床(断熱、フローリング、クッションフロア、タイル)を施工することで、仕上げ方法と建材の種類・特徴について習得します。
受講要件
過去の建築業経験
- 特に必要ありません
事前に習得していることが望ましいスキル
- ある程度のパソコン操作(起動・終了・文字入力)の経験がある方が訓練に取り組みやすいでしょう。特に年齢が高い方は、既にお持ちのスキルに住宅の専門性を付加させることにより就職のイメージができ、訓練や就職活動に取り組みやすいでしょう。
各訓練科共通要件
- 再就職を強く望んでいる者であって、その就職に向けた職業訓練を受講することに強い意欲を有している方
- 離職者訓練コースの内容を理解し、就職を希望する職務と入所希望訓練科との整合性がある方
- 職業訓練の安全確保及び訓練に支障を来さないような健康状態である方
- 職業訓練を受講する上で必要な、集合訓練における協調性のある方
※受講希望者が多数の場合、上記の条件を満たしていても受講できないことがあります。
受講料
無料です。
ただし、教科書代(約15,000円)については、実費負担となります。
受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種
建築業が未経験の方でも、下記のような建築業と関連する職種に就職されています。
(前職) (修了後の職種)
・金融業 → 躯体工事業
・アパレル販売→ 住宅営業
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
- 建築営業・事務
建築営業・事務の仕事
建築営業とは、一般には住宅の販売や建築に関わる機器および資材の販売を行う職業です。そのために書類や企画書を作成し、顧客へ商品のプレゼンテーションを行い、商談をまとめることを行う職業と言えます。
営業に求められるスキルとしては、顧客への提案や企画をする能力、商品の説明能力が必要です。特に住宅は顧客にとって高額な買い物であるため、資金計画についても提案できることが重要です。
建築営業またはアドバイザーと呼ばれる存在を目指すため、まずは、住宅の基本構造を理解し、部材の名称や建築用語を覚え、建築に関わる法律を覚えましょう。そして、間取りのプランニングやインテリアについて理解を進めるよう勉強して下さい。
また、建築業に関わる事務職ですが、電話対応や書類作成など幅広く対応できると強みになります。パソコンのスキルはもちろんですが、建築用語をしっかり覚え、さらにはCAD操作やデザインソフトを使用できることは、企業としても大きな助力となります。
建築営業・事務職種との相性(こんな方に向いている)
"ものづくり"である建築に興味があり、空間(立体)判断力、計算能力、プレゼンテーション能力がある方
建築の知識向上のため、独自でも勉強に前向きに取組む方
訓練により就職可能な主な仕事
- 建築営業・事務
- 住宅リフォーム全般
- 建築内装施工管理業務
- CADオペレ-タ
求人票に記載されている職種名
建築営業、建築事務、住宅リフォーム全般、設備・インテリア等ショールーム業務、建材販売員、CADオペレータ、不動産営業販売、建築施工管理、建築設計事務所
就職後の仕事例(求人票より)
営業・販売
- 個人向けの新築戸建住宅、中古戸建住宅、中古マンションの営業
- リフォームプラン・予算を提案する仕事
- 窓口や電話による賃貸案内、現地案内
- マンション改修提案営業
- エコキュート(電気温水器)・IHクッキングヒーター等のオール電化機器の販売
- 工務店を対象とした住宅機器の販売営業
- ショールームでの電話応対、商品説明
施工
- 施工案やデザインの企画・提案および見積り作成
- 工事や商材の手配
- 工事の日程・コスト・品質の管理
- 軽天工事・内装仕上工事
- 店舗・ショールームなどの内装工事
- リフォーム現場の管理
- 太陽光発電システム・エコリフォームの施工および施工管理
不動産関連
- 顧客管理・不動産家賃管理
- 契約書・賃料の請求書・催促状などの書類作成
CADオペレータ
- CAD(Jw、Auto-CAD使用)による建築図面作成補助
- 設備CADオペレーション業務
- 住宅およびアパートの設計業務・確認申請業務
就職率
82.7%(平成28年度実績)
80.3%(平成27年度実績)
82.4%(平成26年度実績)
修了者の主な就職先
(有)エフ・エス・イー建築工房 (株)KAZI建築設計工房 (株)サンハウス
(株)ジューケン (株)スガノ 西部建設(株)
積水ハウスリフォーム(株) 大和ハウスリフォーム(株) (株)西建設計
(株)ファミリーハウス (有)道建設 (株)良和ハウス
(五十音順)
賃金情報
修了者の採用時の賃金(給与総支給額)実績
- 30歳台平均16万円から29万円
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
建築業界では、たくさんの工事業者が関わって建物が造られていくこと、分業化が進んでいることから、就職を決める際には、訓練の一部分に特化した工事業で仕事をするケースが多くあります。
その例として
・パソコンを活用して管理、営業、積算を行う。
・建築の知識をもとにCADによる図面作成をする。
・デザインソフトやCADを利用して、改修工事や不動産販売の広告を作成する。
・建築の知識をもとに内装仕上げなどの改修工事をする。
今回の当コース訓練においては、住宅改修に限らず、住宅における設計・管理・施工の基本技術を広く学ぶことで、「多くの業種が絡み合う建築業界において、他者との意思疎通が可能になり、仕事がしやすくなる。」のではないかと考えています。
なによりプレゼンテーション技術は、他者への提案やコミュニケーションに欠かせない能力であり、幅広い職業職種において、仕事の成果を大きく左右すると考えています。
是非この技術向上に取り組んでいきましょう。
訓練修了時に取得できる資格
特にありません。
任意に取得する資格
訓練期間中に受講者の皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格の一例です。(※但し、合格を保証するものではありません。詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
建築CAD検定(年4回開催) ((社)全国建築CAD連盟)
CADの資格試験というと、概ね機械系CADと想像される方が多いでしょうが、この「建築CAD検定試験」は文字通り建築用図面を「CAD」を使って描く技量を測るもので、受験者数・規模ともに、日本では最大級と評されています。(一般財団法人 全国建築CAD連盟HPより)
インテリアコ—ディネ—タ—資格試験(年1回開催) ((社)インテリア産業協会)
インテリアコーディネーターは「どんな風に暮らしたいか」をヒアリングし、「こんな雰囲気の空間に住みたい」というアバウトな要望を具体的に住まい手のライフスタイルに合った住空間に導きます。インテリアや住宅や商品に関する幅広い知識・専門的な技術などを駆使し、家具やカーテン、照明等の商品をトータルにプロデュースすることがインテリアコーディネーターの仕事とされています。
福祉住環境コーディネーター検定(年2回開催) ((社)東京商工会議所)
福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障害者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザーです。医療・福祉・建築について体系的で幅広い知識を身につけ、各種の専門職と連携をとりながらクライアントに適切な住宅改修プランを提示し、また福祉用具や諸施策情報などについてもアドバイスをすることがあります。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施しています短期間の在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料))を受講したり、就職先の実務経験を活かして、さらにスキルを向上させることができます。
当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
離職者訓練担当
TEL
082-245-0230
FAX
082-245-3926
