電気理論、計測を主体としたカリキュラムで、電気関連の仕事に就くために必要な基礎知識を習得します。
電気は目に見ることが出来ないため、電気・電子の働きを理解するためには、電気の計算式を理解しておく必要があります。
訓練内容は、テスターやオシロスコープ等の測定器を使いながら、電気の性質を理解し、電気の基本となる知識を習得します。
電気設備技術科(企業実習付きコース)(訓練期間7ヶ月)のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
電気設備の設計・施工及び保守管理の取り扱いに不可欠な技能と関連知識を身につけ、専門知識及び技能・技術を習得します。
また、施設内訓練で習得した基礎的な技能・知識を基に企業で約1ヶ月間実習を行います。
訓練全体(7ヶ月間)の目標人材像(訓練目標)
- 電気設備の施工・保守管理及び屋内配線設計などができる。また、自動機械などに使われているシーケンス制御回路の配線作業の習得を目指します。
(下記写真の訓練課題例参照)
【訓練課題例】

配管・配線実習
総訓練時間
- 810時間
1ヶ月ごとの訓練目標
1.「導入講習」
就職に対する自己理解を促進するため、「自分の強み・弱みの表現」、「受講動機、能力を伸ばす方向性の明確化」、「やりたい仕事の探索」、「企業に関する情報収集」を行い、就職に必要な基礎知識としてコミュニケーションの基本やビジネスマナー、職務経歴書の書き方などを学びます。
また、2ヶ月目以降の実践訓練に必要な基礎知識としてパソコン操作の基本やパソコンで図面を作成するCADの基本を習得します。
2.「電気基礎理論」

3,4.「一般電気設備工事」
屋内配線実習を主体としたカリキュラムで、電気配線工事に必要な技能・技術を習得します。
訓練内容はパネル(木板)を用いて、ケーブル工事・金属管工事などの工事実習を行い、仕上げに模擬家屋での配線実習を行います。また、接地抵抗計・絶縁抵抗計等を使った測定実習も行い、屋内配線の設計、施工から完成検査まで一連の作業を習得します。
目標資格としては、「第二種電気工事士」、「第一種電気工事士」を想定しています。

5.「シーケンス制御技術」
シーケンス制御を主体としたカリキュラムで、工場内の機器や電気製品などで使われている自動制御技術に必要な知識を習得します。
シーケンス制御とは、自動販売機や洗濯機などのように順序や一定のルールに従って動作を連続するような制御です。具体的な訓練内容としては、リレーやタイマモータを使った「有接点シーケンス制御」や「PLC」と呼ばれる制御用コンピュータを使って、タイマモータやランプなどの順序制御」など、図面の読み書き、配線作業、測定・検査方法などの技能・技術を習得します。

6.「企業実習」
電気工事、自動制御に関連した企業等での実習で「企業現場に即した実践的な技能・技術」を身につけます。

7.「フォローアップ訓練」
企業実習における課題や疑問点について解決し、実務における問題解決の手法を習得します。
受講要件
受講要件
次のいずれにも該当する者であること
- 45歳未満の方
- 企業実習付きコース修了後に常用雇用への就職を希望している方
- 現在無業であるか、パート、アルバイト等の不安定な就労を繰り返している状態にある方
- 公共職業安定所長の受講指示又は推薦を受けた方
- 公共職業安定所に求職申込みをされている方
過去の電工経験
- 特に必要ありません
事前に習得していることが望ましいスキル
- 知識・技術的なことは特にありません。
各訓練科共通要件
- 再就職を強く望んでおり、職業訓練を受講することに強い意欲を有している方
- 離職者訓練コースの内容を理解し、就職を希望する職務と入所希望訓練科との整合性がある方
- 職業訓練の安全確保及び訓練に支障を来さないような健康状態である方
- 職業訓練を受講する上で必要な、集合訓練における協調性のある方
※受講希望者が多数の場合、上記の条件を満たしていても受講できないことがあります。
受講料
無料です。
ただし、教科書代(約10,000円)については、実費負担となります。
受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種
電気工事関係が未経験の方でも、下記のような電気工事と関連する職種に就職されています。
(前職)(修了後の職種)
・土木業→ 設備工事業における電気作業者
・介護 → 設備工事業における電気作業者
・製造 → 制御盤の製作
・娯楽業→ 設備工事業における電気作業者
・農業 → 設備工事業における電気作業者
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
- 電気工事作業者
電気工事作業者の仕事
電気工事作業者は、建物を建設する時に、電気の配線を行い、分電盤やコンセント、照明器具などを取付けて、電気が使える状態を作ります。
電気工事作業者は、設計図に基づいて、作業プランを立て、電線を通す配管と配線を作りその後コンセントやスイッチ、照明器具を取り付け、各検査確認を行い完了となります。
キャリアアップしていくに従い、現場工事だけでなく、施工管理、設計、積算などの仕事も行えるようになります。
電気工事作業者職種との相性(こんな方に向いている)
主に建設現場での作業になり、高所、狭所での作業が多くなり、平衡感覚が優れていて慎重で安全に対する責任感がある方が求められています。
訓練により就職可能な主な仕事
- 電気工事の業務
- 設備・ビル管理の業務
- 電気・電子部品、電気機器などの製造業務
- 技術営業・事務営業の業務
- 製造検査販売の業務 など
求人票に記載されている職種名
電気工事士、現場作業員(電気工事業)、電気工事スタッフ、電工内線工事 など
就職後の仕事例(求人票より)
- 住宅やビル建設現場など、各現場での電気工事作業
- 工場、ホテル、ビルなどの内線工事
- 弱電、強電、証明、計装等の電気工事作業
就職率
88.2%(平成28年度実績)
85.7%(平成27年度実績)
92.9%(平成26年度実績)
修了者の主な就職先
(株)ケンコウ (株)SHOWA 日鋼テクノ(株)
松尾電工(株) 宗盛電気サービス(株) (五十音順)
賃金情報
修了者の採用時の賃金(給与総支給額)実績
- 30歳未満 平均15万円から20万円
- 30歳台 平均14万円から23万円
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
訓練を修了すると電気設備(電気工事・制御盤)の設計・施工及び保守管理ができるようになります。各種資格も任意で習得しています。この基本技能を活用して、就職先企業で活躍できます。
訓練修了時に取得できる資格
特にありません。
任意に取得する資格
訓練期間中に受講者の皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格の一例です。受験手続きの説明や合格できる技能レベルへの到達は訓練中十分可能です。(※但し、合格を保証するものではありません。詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
第二種電気工事士 ((財)電気技術者試験センター)
電気工事士は、第一種と第二種に分かれています。第二種電気工事士は、暮らしに直結した家庭や商店の屋内外配線の電気工事を行うエキスパートであり、一般の住宅や商店で利用する小型の電動機や電気器具、照明等のための低電圧で比較的受電電力の小さい電気施設の電気工事に従事します。
第一種電気工事士 ((財)電気技術者試験センター)
入所時期により第一種電気工事士の内容を訓練で実施しない場合があります。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施しています短期間の在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料))を受講したり、就職先の実務経験を活かして、国家資格である技能検定に挑戦したり、(社)日本溶接協会の手溶接技能者のその他の種目を受験したりするなど、さらにスキルを向上させることができます。
当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
離職者訓練担当
TEL
082-245-0230
FAX
082-245-3926