求職者の方を対象とした職業訓練のご案内
コース内容の紹介
(溶接施工技術コース) 金属加工科 電気・通信施工技術科 制御技術科 組込みマイコン技術科
(組込みLinuxコース) 住宅リフォーム技術科 ビル設備サービス科 7カ月コース(社会人基礎講習付) CAD/CAM技術科※若年者コース 電気・通信施工技術科 電子回路エンジニア科 マンション建築技術科※若年者コース 10カ月コース 電気設備工事科※若年者コース
テクニカルメタルワーク科(溶接施工技術コース)(訓練期間6ヶ月)のご案内
- 訓練の概要(訓練により習得できる技能)
- 受講要件
- 受講料
- 受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
- 訓練に関する職種と仕事内容
- 就職率
- 修了生の主な就職先
- 賃金情報
- 訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
- 訓練修了時に取得できる資格
- 任意に取得できる資格
- 就職後のスキルアップ
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
訓練では、構造物の製作に不可欠な溶接・接合技術の技能と関連知識を身につけ、求人企業から求められている最低限の専門知識及び技能・技術が習得できます。一般的に広く使用されている各種溶接法および施工法を実学一体形式の訓練により熟練度の高い技能・技術を学ぶことができるカリキュラムになっています。また、訓練修了時の仕上がり像を2つ設定し、関連職種に幅広く対応できるようにしています。
訓練全体(6ヵ月間)の目標人材像(訓練目標)
- 被覆アーク溶接、炭酸ガス半自動アーク溶接による鉄鋼材の各種溶接施工及び段取り作業ができる。
- ステンレス鋼)の溶接と溶接構造物の試験・検査及び溶接施工管理ができる。
訓練期間
- 6ヵ月間
訓練到達目標
1.被覆アーク溶接作業
作業者が手で行うので手溶接とも言われ、"水平すみ肉溶接"・各種姿勢の"突合せ溶接"を習得し、希望者には固定管の溶接を行います。 ※被覆アーク溶接は、昔から行われている溶接です。必要な設備等が他の溶接に比べ簡易です。 |
2.炭酸ガス半自動アーク溶接作業
一部自動化された溶接で、各種装置の使用法、保守点検及び工場溶接である下向きと各現場溶接に適した姿勢の"すみ肉と"突合せ溶接"を習得し、希望者には固定管の溶接を習得します。 ※半自動アーク溶接機は、技能習得が早く、能率・効率が良いことから、現在主流になっています。 |
3.溶接施工・段取り作業
被覆アーク溶接、半自動アーク溶接を用いての課題の製作を通して施工管理・段取り作業を習得します。また、各材料の特性や強度及び引張試験や曲げ試験等の破壊試験の関連知識を習得します。 ※「被覆アーク溶接作業」[半自動溶接作業」の実践課題に取り組みます。 |
4.工作基本作業
工作法(ヤスリ、けがき作業等)の概要と簡単な図面の読み方、ボール盤、研削といしの取替えを実施します。また、安全に関する特別教育を受講し、安全作業の関連知識と安全に関する基本作業を習得し、課題の製作をします。 また、溶接する材料の準備やガス溶接・切断作業を実施し、関連知識を習得します。 ※溶接以外にも金属加工には工作機械・工具等を使用し、それらの取扱いを習得します。 |
5.TIG溶接作業
ステンレス鋼・TIG溶接の各種姿勢による溶接とパイプ溶接を習得します。また、関連知識を習得します。 ※TIG溶接は、アルゴンやヘリウムなどの不活性ガス中でタングステン電極と母材との間にアークを発生させ、溶融・接合する溶接方法です。例えば、車のマフラーや台所の流しなど、汚れてはいけない所や細かい物を溶接する際に用います。その他の非鉄金属(チタン、銅)の溶接にも対応している溶接法です。応用課題として、希望者には、銅製の玉子焼き鍋の製作も行います。 |
6.溶接施工管理
非破壊検査作業に使用する非破壊検査装置を使用した検査作業を実施します。また、溶接施工の管理・監督に関する基本技能と関連知識を習得します。 ※非破壊検査は、超音波や放射線を利用します。例えば、鋼構造物(鉄を利用した建物等)では必ず非破壊検査が行われます。 |
受講要件
過去の溶接経験
- 特に不要
事前に習得していることが望ましいスキル
- 特になし
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を希望している方
- 訓練を受講することに熱意を有している方
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有している方
- 訓練受講・修了に支障がないこと(健康状態・受講態度等)
受講料
無料です。ただし、ただし、システムユニット訓練用テキスト「安全衛生」や教科書代については、実費負担となります。
受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
溶接が未経験の方でも、下記のような溶接と関連する職種に就職されています。
(前職) | (修了後の職種) | |
---|---|---|
・飲食店店長 | → | 鉄骨構造物の溶接工 |
・薬品店店員 | → | 自動車部品製造に関する溶接工 |
・塾講師 | → | 自動券売機・光学機器等部品の板金・溶接加工 |
・マシンオペレータ | → | 鉄骨構造物の溶接工 |
訓練に関する職種と仕事内容
一般的な職種名
溶接工、製缶工
溶接工の仕事
造船所などで組立作業をはじめ、ビルや橋などの鉄骨建設現場や各種機器の製造などで、製品や構造物を溶接するのが、溶接工です。
溶接とは、金属材料の接合する部分のすき間に、溶接棒やワイヤを接触させ、そこに熱を加えて、金属材料と溶接棒を同時に溶かしながら、必要な長さや厚さで接合することです。
溶接には、溶接工が溶接棒やワイヤを1本1本操作する手溶接と、ワイヤが自動的に供給される半自動溶接があります。
溶接工は、まず、溶接する材料によって、適切な電流や電圧に調整して、適切な溶接棒やワイヤを選んで、作業をします。作業時に発生するガスや飛び散る高温の金属から身体を守るため、溶接工は、耐熱の作業服やマスク、強い光から目を守るために遮光マスクを着用します。溶接工は、接合部分に空洞やムラが出来ないように注意しながら、溶接棒やワイヤを操作して、作業をします。
また、ビルや橋などの建設現場での溶接作業の場合、高所や足場の上などで行われるため、常に安全に気を配ります。
職種との相性(こんな方に向いている。)
"ものづくり"に興味があり、じっくり忍耐強く仕上がりを重視した作業ができる方。性別は全く問いません。
訓練により就職可能な主な仕事
- 溶接作業による構造物等を製作する業務
- 切断・溶断による構造物等の解体業務
- 溶接施工関連の見積もり、工程等の業務
- 非破壊検査等による施工診断業務
求人票に記載されている職種名
ガス溶接工、ガス切断工、スポット溶接工、電気溶接工、溶接士、製缶工、溶接(半自動)作業、溶接・板金・組立工
就職後の仕事例(求人票より)
- 自動車部品厚さ3〜5ミリの鋼板への半自動溶接作業
- 自動車部品、パレットなどの小物溶接作業
- 農業機械部品、ユニットバス取付部品、建設機械部品の溶接作業
- 砂利採石機械に取り付ける網の打ち抜き及び溶接作業
- 大型空調機の溶接(半自動溶接)
- 運搬機械フレームの溶接作業
- 看板の鉄骨加工及び、溶接作業等
- 冷凍車の荷台部分のTig溶接(アルゴン溶接)作業
- タンクローリー車、のボディ組み付け及び溶接業務
- ミキサー車の半自動溶接作業
- 鉄道車両及び輸送機部品の溶接作業
- バス製造工程の溶接作業
- 設備設計およびメンテナンス、メカ組立・溶接、工程票作成・管理
就職率
93.3%(平成26年度実績値)
修了生の主な就職先
(株)カワタテクノサービス、三田電気工業(株)、大東金属(株)、シンセイ(株)、(株)新納建設、(株)ハリマ工具製作所、福田鋼機(株)、(株)大一工業所、(株)エボシ製作所、新金属工業(株)、住友金属工業(株)、清和工業(株) 他
賃金情報
修了生の採用時の賃金(給与総支給額)実績
- 30歳未満 平均20万円から25万円
- 30歳台 平均20万円から25万円
- 40歳台 平均20万円から28万円
- 50歳台 平均20万円から35万円
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
訓練を修了すると全員が被覆アーク溶接、半自動アーク溶接、TIG溶接の下向き姿勢の溶接技能の基本は習得できていますので、この基本技能を活用して、就職先企業で製作する部品、製品の溶接ができるようになります。
訓練修了後にWES2級(溶接管理技術者)の受験と同時に、IIW(国際溶接学会)のIWS(国際溶接技術者)の受験が可能であり、認定施設となっております。
就職後は、就職先の仕事内容によっても異なりますが、訓練で習得した技能・技術によって3か月程度で概ね就職先でのベテラン技能者のOJTにより、製作物の一部であれ、就職先が期待する仕事(標準的な作業時間と品質・仕上がり)ができるようになります。およそ、2〜3年で熟練度は向上し、細かく指示されなくとも自らの判断で仕事ができるようになります。
訓練終了時に取得できる資格
ガス溶接技能講習修了証
ガス溶接等の業務は、労働安全衛生法第61条によって下記の者でなければ就業してはならないこととされております。当センターは、兵庫労働局長の登録を受けた教習機関となっており、訓練修了者に対してガス溶接技能講習修了証が当センター所長名で交付されます。
※当センターは、兵庫労働局に登録されている公共の教習機関です。【ガス溶接技能講習(兵労基安登録第32号)登録有効期限:平成31年3月30日(登録更新予定)】
1.ガス溶接作業主任者免許の所持者(都道府県労働局長が交付)
2.ガス溶接技能講習修了証の所持者(都道府県労働局長の登録を受けた教習機関が交付)
3.上記に該当し満18歳以上の者)
アーク溶接等の業務に係る特別教育修了証
- 労働安全衛生法59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で、アーク溶接等の業務に労働者を就かせるときは、事業者が「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための特別の教育が義務づけられています。
- 本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。
自由研削といしの取替え業務に係る特別教育修了証
- 労働安全衛生法第59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で研削といしの取替え、取替え時の試運転業務等を行う業務に労働者を就かせるときは、事業者が「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための特別の教育が義務づけられています。
- 本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。
任意に取得できる資格
訓練期間中に皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格です。合格できる技能レベルへの到達は訓練中に十分可能ですので、受験手続きの説明はご相談下さい。(但し、※合格を保証するものではありません。詳細は、各実施機関へお問合わせ下さい。)
各種溶接技能者((社)日本溶接協会)
最も受験者が多く、業界で認知されている資格で、合格者に(社)日本溶接協会から「○○溶接適格性証明書」が交付されます。
溶接作業を行う作業者"溶接技能者"の資格で、基本級(下向姿勢の溶接)と専門級(立向、横向及び上向姿勢の溶接並びに管の溶接等)があり、さらに試験材料の種類と厚さ、溶接方法などとの組合せにより45種類ほどに資格が分かれます。試験は学科試験及び実技試験(資格の種別に応じた試験材料に溶接作業を行う。)によって評価されます。
専門級は、基本級が合格していないと受験できません。実際の訓練では、専門級の技能についても行います。専門級は、就職してからの仕事内容によっても異なりますが、就職して1年以内に取得されている方が多いようです。
これまでの受講生の実績は以下のとおりです。
・JIS被覆アーク溶接技能者・基本級(平均合格率90%:H24修了生)
・JIS半自動アーク溶接技能者・基本級(平均合格率90%:H24修了生)
・JIS TIG溶接技能者・基本級(平均合格率90%:H24修了生)
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施しています短期間の在職者訓練コースを受講したり、就職先の実務経験を活かして、国家資格である技能検定に挑戦したり、(社)日本溶接協会の手溶接技能者のその他の種目を受験したりするなど、さらにスキルを向上させることができます。
当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
ポリテクセンター兵庫(兵庫職業能力開発促進センター)
訓練第二課
電話番号06−6431−7367、FAX番号06−6431−7285