木造住宅を中心とした建築物の構造について模型作成を通じて理解していただきます。また、住宅を設計するうえで必要な建築関係法規や、構造計算技術、住環境整備に関する基礎的な知識の理解を目指します。
住環境コーディネート科のご案内
- 訓練の概要(訓練により習得できる技能)
- 受講要件
- 受講料
- 受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
- 訓練に関する職種と仕事内容
- 就職率
- 修了生の主な就職先
- 賃金情報
- 訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
- 訓練修了時に取得できる資格
- 任意に取得できる資格
- 就職後のスキルアップ
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
住環境コーディネート科は住宅改修などを顧客に提案するために必要な、建築の基礎知識や提案手法などを習得します。
座学では、建築の基本的知識から始まり、関連法規や住宅計画に必要な構造や住環境に関する知識の理解を深めます。提案時に必要なプレゼンスキルや、CADを使用した図面作成技術の習得した後、改修提案書を作成しプレゼンテーションを実施します。
実習では、内装改修技術の習得を目標に、既存内装の解体調査から始まり、電気配線施工などの設備関連工事などを体験します。また、部屋ごとに内装をコーディネートし、点灯式に向けた工程計画、作成した施工図や配線図を基に内装施工、電気配線施工を実施するため、実務に沿った流れで内装改修を習得することができます。
訓練全体の目標人材像(訓練目標)
- 住環境を理解し、住宅改修の施工専門家と連携をとりながら顧客に最適な住環境計画が提案できる。
- 住宅の省エネルギー化と住環境に対応したインテリアや住宅設備について提案ができる。
(下記写真の訓練課題例参照)
総訓練時間
- 777時間(8月開講、2月開講)
- 666時間(6月開講、9月開講、12月開講、3月開講)
訓練到達目標
0.「導入講習」(8月開講、2月開講)
個人・グループワークを通して企業が求める能力を理解し、コミュニケーション能力・ビジネスマナー・自分を表現する技法・パソコンの基礎(文書作成)等について学習し、仕事と自分のマッチングを高めることを目指す講習で、6か月の訓練の前に1か月行います。
1.「建築基礎知識」
2.「住宅設計技法」
建築図面作成技術の習得を目的とし、2次元CADソフト(Jw_cad)を使用した木造住宅図面作図方法を主に学びます。また、クライアント(顧客)のイメージを促進させる手描きパース作成技術や、建築3Dシミュレーションソフト(3Dマイホームデザイナー)による住宅モデルやCGの作成に必要な技能の習得を目指します。
3.「インテリアプレゼンテーション」
クライアントの要望を理解するうえで必要なサービスやホスピタリティの基本を学び、クライアントから与えられた設計条件を基に、これまでの学科訓練で習得した図面作成技術などを活用して提案書を作成し、プレゼンテーションを実施します。総合的な住宅改修提案技能の習得を目指します。
4.「木造住宅調査」
住環境コーディネート科では、家屋をイチから建てず内装の改修工事手順の把握を目的とし、実習を行います。まず初めに施工図面の読図技術や基礎知識を理解した後、施工を実施します。既存の内装解体時には、それぞれの手順で調査を行い施工に必要な知識の理解を深めます。
5.「インテリア計画」
CADによる住宅の設備図作成、屋内照明取付のための電気配線施工、給排水設備施工等を通して、これらの計画、施工に関する技能・知識を習得します。
6.「インテリア施工」
内装計画を基に点灯式(最終発表)に向けた工程計画や施工に必要な手順書を作成します。工期や手順を各班で管理するため、施工管理の補佐業務が体験できます。内装仕上げ作業ではクロス(壁紙)の貼付けや珪藻土の塗付けなどの習得を目指します。
受講要件
過去の建築関連の経験
- 特に事前知識は必要ありません。建築未経験や初学者の方がほとんどです。
事前に習得していることが望ましいスキル
- CADの訓練にパソコンを使用しますので、パソコンを使用したことがある方(起動・終了、ワープロソフト、表計算ソフト)は、さらに訓練効果が期待できます。
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を希望している方
- 訓練を受講することに熱意を有している方
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有している方
- 訓練受講・修了に支障がないこと(健康状態・受講態度等)
受講料
無料です。ただし、テキスト代(約2,000円)、訓練生総合保険料(任意)(入所月により変動4,900~5,550円)、作業服等が必要です。
受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
当該訓練分野の経験が無い方でも、下記のような関連職種に就職されています。
(前職) (修了後の職種)
薬の毒性調査 → 建築デザイン設計
特別支援学校非常勤講師 → インテリアコーディネーター
飲食店の調理 → 住宅営業
サービス業 → CADによる建築物作成
新聞社編集部記者 → 住宅・集合住宅のアフターサービス
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種名
ハウスコンサルティング、住宅設計補助、ハウジングアドバイザー、建築事務、建築営業事務、ショールームアドバイザー、住宅メーカー、営業
建築リフォーム営業
建築リフォーム営業とは、主に顧客の要望に応えて改修提案する職業です。企画書の作成や顧客に対する商談を行います。また、企業によっては既存顧客を対象に住宅の定期診断やメンテナンス業務なども実施します。
建築営業の求められるスキルとして、基本的な書類作成能力や、顧客に対して提案する能力、商品説明能力などが挙げられます。特に建物を商品にする場合は高額かつ移動が困難なため、アフターフォローを含めた資金計画について提案できることが重要です。
建築設計補助
基本的に建物の設計は一級・二級・木造建築士等の資格保持者が行いますが、資格がなくても設計の補佐を行う仕事があります。各種建築図面の作成や申請書類の作成業務などを行います。
補助的な業務が中心ですが建築に関する基礎知識や、書類作成、CAD(コンピュータによる図面作成)のスキルを持つことが重要です。
建築施工管理
建築施工における施工管理の目的は、「品質に良いものを、適正な費用で、契約工期内に、安全かつ環境に配慮しながらつくりあげること」です。建築施工管理は“施工管理のQCDSE”に基づき現場管理を行う職業です。
建築に関する幅広い知識のほか、各現場の職人さんに対する工事依頼や人材管理、各種工事書類の作成スキルが求められます。近年では、施工管理職の負担軽減のため、施工管理補助業務などの求人が出されています。
建築関連事務
業務内容は他業界と同様に、備品発注や伝票管理、電話やメール応対などが中心です。
建築事務では、簡単な図面作成を行うことがあるため、パソコンの基本操作に加えてCADによる図面作図スキルが求められます。また、業務をスムーズに遂行するために建築用語の理解が重要です。
職種との相性(こんな方に向いている!)
建築に興味があり、細かな作業が好きな方(設計関係)や、人と接する仕事が好きな方(管理、営業関係)。
訓練により就職可能な主な仕事
- 住宅設計補助に関する業務
- ハウスコンサルティング、ハウジングアドバイザー、リフォームアドバイザー
- 建築事務
求人票に記載されている職種名
設計補助、住宅営業、内装業、住宅リフォームスタッフ、住宅アドバイザー、CADオペレーター、建築事務
就職後の仕事例(求人票より)
- 住宅の提案営業やアドバイザ—業務
- 建築設計における設計補助
就職率(修了後3か月までの実績)
88.3%(令和4年度)
修了生の主な就職先例
- (株)もちひこ(営業職)
- 静岡三基(株)(インテリアコーディネーター)
- 山田工務店(株)(住宅営業設計)
- ジェスTW(ハウジングアドバイザー)
- MJC不動産本舗(ハウジングアドバイザー)
- (株)高栄塗装(建築関係事務)
賃金情報
修了者の採用時の賃金(給与総支給額)実績
建築リフォーム営業(平均月給 約190,000~370,000円)
建築設計補助(平均月給 約170,000~200,000円)
建築施工管理(平均月給 約220,000~300,000円)
建築関連事務(平均月給 約160,000~180,000円)
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
近年、働き方改革により建築業界では生産過程で、様々な方が活躍する場が整備されています。当科では、“顧客に寄り添い住環境を提案すること”を主な目標に、イチから幅広く建築について学びます。
修了生の内、建築関連職に就かれた方は訓練で習得した図面作製技術や実習を通して深めた施工知識を活かして活躍されています。また、非関連職に就かれた方でも、顧客対応スキルやパワーポイントによる提案書作成技術などが役に立ったなどの声を頂きます。建築はもちろん設備施工技術など幅広く学べるカリキュラムなので、様々な職種に就職可能です。
建築や住宅に関連した仕事に興味はあるが不安な方、全力でサポートさせていただきますので、一緒に就職に向けて頑張りましょう。
訓練修了時に取得できる資格
なし
任意受験により取得できる資格
訓練期間中に習得した技能等を活かして任意に受験し取得できる資格の一例です。
(※ただし、合格を保証するものではありません。詳細は、各資格の実施機関へお問い合わせください)
- インテリアコーディネーター((社)インテリア産業協会)
クライアントにとって快適な住空間を計画するために、提言・助言を行う専門職に関連した認定資格です。試験月は10月で、試験ではインテリアに関する幅広い知識や、手描きパースを作成する技術などが求められます。 - 福祉住環境コーディネーター(東京商工会議所)
高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザーに関連した認定資格です。試験月は7月と11月で、試験では医療・福祉・建築について体系的で幅広い知識が求められます。また、2級以上を取得すると、介護保険を利用した住宅改修を行った際の必要書類である「住宅改修が必要な理由書」を作成することが認められています。
就職後のスキルアップ
就職後も、当センターで実施しています短期間の 在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料)) を受講することで、さらにスキルを向上させることができます。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。