機械製図及び2次元CAD(製図一般、機械製図及び関連規格、機械要素)に関する技術及び関連知識を習得します。
※CADとは、computer aided design(コンピュータ支援 設計)の略。設計支援ソフトとして、設計の現場で使われている。
ものづくりデザイン科のご案内
- 訓練の概要(訓練により習得できる技能)
- 受講要件
- 受講料
- 受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
- 訓練に関する職種と仕事内容
- 修了生の主な就職先
- 訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
- 任意に取得できる資格
- 就職後のスキルアップ
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
2次元CADシステムによる図面作成及び3次元CAD/CAMシステムによる金型のモデリングと加工データ作成、CNC工作機械による機械加工の知識及び技能を習得します。また、訓練修了時の仕上がり像を2つ設定し、関連職種に幅広く対応できるようにしています。
訓練全体の目標人材像(訓練目標)
- 2次元CADによる機械の図面作成と、3次元CADによるモデリング及び金型の設計ができる。
- マシニングセンタによるプログラミング及び加工ができ、CAMによるNCデータの作成ができる。
訓練風景
総訓練時間
- 746時間(本訓練656時間+導入講習90時間) ※4月・7月・10月・1月入所
- 656時間 ※5月・8月・11月・2月入所
訓練を学ぶ順番
- 5月・11月入所の方は、1~6の順番で訓練を行います。
- 8月・2月入所の方は、4~6・1~3の順番で訓練を行います。
1か月ごとの訓練目標
1.ウォーミングアップ訓練(導入講習) ※4月・7月・10月・1月入所実施
社会人としての基礎能力、ITリテラシー、ものづくりデザイン科の専門基礎を学びます。
ウォーミングアップ訓練(導入講習)について (221.99 KB)2. 機械製図とCAD基本
3.3次元CAD基本
3次元CADシステムによる部品作成に関する技能及び関連知識を習得します。
※使用:3次元CAD:SOLID WORKS
トヨタ自動車株式会社が使用しているCATIAと同じ会社が作成した、CADソフト。
そのため、CATIAと完全互換性を持っているため、岐阜県の多くの企業が使用している。またCAD初心者の方にも扱い易くなっている。
4. 3次元CAD応用・IT基本
3次元CADによる金型設計に関する応用技術(モデリング)の関連知識、ビジネス文書の作成、データ処理及び分析、プレゼンテーション技法を習得する。
5. マシニングセンタ作業
切削加工作業に必要な基礎的技能及び関連知識を習得し、マシニングセンタの基礎知識とプログラミングの手法、加工のためのマシニングセンタ作業に関する技能及び知識を習得します。
6. CAM作業
CAMシステム及びその周辺技術の全般を知り、操作とNCデータ作成方法と関連知識を習得します。
※CAMとは、CADで作成したモデルを用いて、パソコン上で加工のシミュレーションを行い、加工プログラムを作成するソフト。金型など曲面を持つ製品を作るために使われているため、金型加工に必須のソフトになっている。
7.射出成形金型・金型仕上げ
射出成形金型の製作をとおして、汎用工作機械、NC工作機械、CAMを用いた加工、三次元測定機による精度検査の手法及び金型などの仕上げ・組立に関する技能を習得し、射出成形による製品の成形を行います。
受講要件
過去のCAD/CAMの経験
- 特に不要
事前に習得していることが望ましいスキル
- 特に不要
受講者
離職者訓練(アビリティコース)は、求職者の再就職の促進を目的とするものであることから、対象者は次の要件を全て満たす方です。
- 訓練に関連する職種への就職を希望している方
- 訓練を受講することに熱意を有している方
- 職業訓練の内容を理解するために最低限必要な基礎学力を有している方
- 訓練受講・修了に支障がない方
※受講希望者が多数の場合、上記の要件を満たしていても受講できないことがあります。
受講料
受講料は無料です。
ただし、テキスト代(8,000円程度)・作業服代(11,000円程度)、職業訓練生総合保険(4,900円(5月・8月・11月・2月入所)、5,500円(4月・7月・10月・1月入所)については、実費負担となります。
受講者の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
CAD/CAMが未経験の方でも、下記のようなCAD/CAMと関連する職種に就職されています。
(前職) (修了後の職種)
飲食店店員 → 機械設計
運送業 → 金型製造のNCオペレータ
経理事務 → 金型部品製造のCADオペレータ
サービス業 → 加工、機械設計
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
CADオペレータ、NCオペレータ、機械加工技術者
CADオペレータの仕事
設計現場で、機械の設計、特に岐阜県近辺では自動車、航空機の設計にCADが使用されており、CADを使用して設計、製品の図面を作成する仕事をCADオペレータという。
CADには図面を描くことに適した2次元CAD、設計するのに適した3次元CADがある。2次元CADでは製品形状、寸法、加工方法などを示した図面を作成する。また、この図面は、加工現場で使用され製品を加工するときに必須のものになっているため、図面にはだれが読んでも読み間違いが無いように図面の描き方がJIS(日本工業規格)により定められている。そのため、CADオペレータはCADの操作だけではなく図面の描き方(機械製図)の知識が必要である。
3次元CADオペレータは、ものづくりの花形ともいえる設計の部分を担当する。3次元CADを利用して、製品の形状、機能、仕様の検討を行う。また、3次元のモデルに材料を適用して、パソコン上で製品の質量などを測定することが出来る。さらに。3次元CADで作成したモデルを用いて、製品の強さ、熱変形、水や空気を流した時の流動解析なども行える。
そのため、3次元CADオペレータは、ものづくりの現場で必須の職種である。
NCオペレータの仕事
NCオペレータは、NC工作機械(自動工作機械)を扱う職種である。マシニングセンタ(MC)を代表とするNC工作機械は他にも5軸加工機などがあり、加工現場の主役となっている。
NCオペレータは、このNC工作機械を実際に操作する人、機械を自動に動かすためのプログラムを作成する人、または、両方を行う職種である。
CAD/CAM職種との相性(こんな方に)
「ものづくり」に興味があり、製品を一から作りたい方。自分が設計したものを製品したいと思う方。性別は全く問いません。
訓練により就職可能な主な仕事
- マシニングセンタによる金型加工
- CADによる、自動車設計・金型部品設計。
- CAMによるNCプログラム作成。
- 射出成形金型設計または加工。
求人票に記載されている職種名
金型技術者、CADオペレータ、マシニングオペレータ、組立工、機械工 等
就職後の仕事例(求人票より)
- 3DCAD、CAD/CAM全般のオペレーション作業
- 金型設計作業
- 自動車、家電、航空機、工作機械、ロボット等の設計及び設備設計
- マシニングセンタ、NCフライス等の機械オペレータ作業
- マシニングセンタやNC旋盤を用いて、金属材料を切削加工
- 自動車の重要部品の製造。各種NCマシンの操作や金属精密部品の製造管理。
- NC機械の金属加工。NCプログラムの作成。
修了者の主な就職先(令和元年~令和2年 2年間の実績)
株式会社アルミックイマイ 東和組立株式会社 東和耐火工業株式会社 加茂企業株式会社 株式会社東海遊具製作所 内外電機株式会社 株式会社NTK ヒロサワ機械株式会社 トーテックフロンティア株式会社 恵那眼鏡工業株式会社 株式会社イワビシ ダイキャスト東和産業株式会社 株式会社アスパーク スターワークス東海株式会社 株式会社NTTファシリティズ東海 株式会社サンテクア マツダ化工株式会社 株式会社テクノ・ライン テクノタカギ株式会社 徳田工業株式会社 鳥羽工産株式会社 株式会社ピーズエンジニアリング 加藤精工株式会社 株式会社東海技研工業 株式会社富士アセンブリシステム 株式会社花井金型製作所 株式会社シーアールイー 株式会社三東製作所 早川工業株式会社 中菱テクニカ株式会社 まこと工業株式会社 株式会社テクノア 有限会社システック 株式会社クマガイ
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
訓練を終了すると2次元CAD(AutoCAD)、3次元CAD(SOLID WROKS)、汎用フライス盤、マシニングセンタ、CAM(Master CAM)が習得でき、更に、機械製図の技術、射出成形金型の技術を習得できます。この技術を活用して、就職先企業では、設計、製図、汎用加工、MC加工、CAMによる加工と多くの分野に対応できるようになります。
就職後は、就職先の仕事内容によっても異なますが、CAD関係、製図関係の仕事では、3か月程度のOJTで、通常業務に対応できるようになります。加工職種の場合、特にマシニングセンタ加工ですと、半月ほどで、機械操作ができるようになり、一年程経てば加工効率化の立案や業務改善まで行えるようになります。
また、設計、製図、加工まで訓練を行うため、後工程、前工程のことまで考えて作業することができ業務全体のことまで把握して仕事ができるようになり、将来的に工場長などになっている修了生もいます。
任意に取得できる資格
訓練期間中に受講生の皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格の一例です。受験手続きの説明や合格できる技能レベルへの到達は訓練中十分可能です。(※但し、合格を保証するものではありません。詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
CAD利用技術者試験 (社)コンピュータソフトウェア協会
CAD利用技術者試験は、CADを利用した知識・スキルを明確化し、一定水準に達している受験者に対して評価・認定を行うものです。試験は、インターネットを利用した随時試験の基礎試験と、機械系・製造系の3次元CADの知識と技能を問う3次元試験、2次元系のCADシステムを利用する上での知識を問う筆記のみの2級試験、そして2次元系CADシステムの利用技術と知識を問う筆記+実技の1級試験(建築、機械、トレースの3種類)があります(トレース試験は平成19年度新設)。本試験の実施により、専門的なCAD利用技術者の育成と社会的・経済的地位の向上を図り、ひいては日本「ものづくり」の更なる発展に寄与することを目的としています。CADを使いこなし、製図・設計・デザインをする能力を認定する民間資格であり、2級は筆記試験、1級は筆記及び実技試験を行います。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施しています短期間の在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料))を受講したり、就職先の実務経験を活かして、国家資格である技能検定に挑戦するなど、さらにスキルを向上させることができます。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
ポリテクセンター岐阜(岐阜職業能力開発促進センター) 訓練課
TEL
0572-54-3162(ダイヤルイン)
FAX
0572-54-3163
gifu-poly02@jeed.go.jp