ものを冷やす原理を理解し、シミュレータで冷媒の流れを確認します。また、ルームエアコンの据付法も習得します。
ビル管理技術科
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
空調設備、給排水衛生設備、ボイラー設備、電気工事、シーケンス制御、自動火災報知設備等のビル設備機器の取扱いに必要な技能・技術を習得します。
訓練全体(6ヵ月間)の目標人材像(訓練目標)
- ビル等の建築物の電気設備のメンテナンスができる。
- ビル等の建築物の空調設備・給排水衛生設備のメンテナンスができる。
総訓練時間
656時間
1ヶ月ごとの訓練到達目標
1.空調設備
2.給排水衛生設備
建築物にかかる給排水設備の給水管・給湯管の施工、修理に関する技能及び関連知識を習得します。
3.ボイラー取扱い、設備CAD
ボイラーの構造及び取扱いについての知識を習得します。また、CADを用いて配線・配管図の作図法を習得します。
4.電気配線工事
電気設備の概要を理解し、屋内配線の施工を習得します。
5.電気設備保全管理(シーケンス制御)
ビル設備の自動制御について理解し、基本的な回路の制作及び故障診断を習得します。
6.防災設備、Word・Excel
自動火災報知設備の構造、法令、点検整備及び工事に係る技能を習得します。また、パソコンの知識及び文書作成や表計算に係る技能を習得します。
※Word・Excelは、米国 Microsoft Corporationの登録商標です。
受講条件
過去の経験
特に必要ありません。
事前に習得していることが望ましいスキル
特に必要ありません。
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を希望していること
- 訓練を受講することに熱意を有すること
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有していること
- 訓練受講・修了に支障がないこと(健康状態や受講態度等)
受講希望者が多数の場合、上記の条件を満たしていても受講できないことがあります。
受講料
無料です。
ただし、教科書代(約13,000円)については、自己負担となります。
受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種
未経験の方でも、下記のような関連職種に就職されています。
(なお、必ずしも下記のとおり就職できるとは限りませんので、ご了承ください。)
(前職) (修了後の職種)
・営 業 → ビル設備管理
・販売業 → 消防設備点検
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
設備管理技術者
設備管理技術者の仕事
- ビルの利用者に快適な環境を提供するために電気、空調、消防、給排水などの設備を管理するのが、ビル設備管理技術者です。
- 一般的に、ビルに常駐して設備管理する技術者とビルを巡回訪問して設備管理をする技術者に分かれます。
- ビルの中央管理室に常駐してその施設を設備管理する技術者は、各設備の状態を一括して管理します。常駐での設備管理は、コンピュータで自動制御された機械装置の運転状況を制御モニターで監視します。そして、定期的に現場を巡回して運転状況を確認し、機器の点検や保守をします。常駐管理は、24時間体制で管理するため、一般的に、技術者は交代制で勤務します。
- 多くの人々が集まる施設の中央管理室は、防災センター としての役割も大きくなります。ビル設備管理技術者は、イベント中に異常が起きないように施設を運営し、人々の安全と快適な環境を守ります。
- ビルを巡回訪問して設備管理をする技術者は、担当エリアを持ち、契約先のビルを巡回訪問して、保守や点検をします。巡回先のビルでは、電気の配電盤や空調設備、消防設備や給排水設備などが正常に作動しているか、五感を使って確認します。設備の異常や停電などの緊急の場合は、補修を担当する専門業者に連絡し、連携して設備の復旧に務めます。
職種との相性(こんな方に向いている)
機械の構造や理論について科学的・技術的興味を持っている方。機械器具の構造や知識や指先の器用さも要求されます。また、地味で目立たない仕事のため、辛抱強さが求められます。作業そのものは軽作業ですので、中高年の方々でも十分こなせる仕事内容です。
訓練により就職可能な主な仕事
- 建物内の設備を維持管理する業務
- 施設保安警備の業務
- 電気配線工事の業務
- 給排水衛生設備工事の業務
求人票に記載されている職種名
- ビル設備管理
- ポンプ場管理
- ボイラー技士
就職後の仕事例(求人票より)
- ビル設備(電気、給排水、消防設備、空調等)の運転及び管理
- ボイラー運転
就職率
83.0%(令和4年度ビル管理技術科修了分実績値)
82.0%(令和3年度ビル管理技術科修了分実績値)
修了者の主な就職先
- 大揚興業株式会社
- 株式会社第一
- 株式会社ジェイアール西日本総合ビルサービス
賃金情報
修了生の関連職種採用時の賃金(給与総支給額)実績
- 18万円~23万円
※上記の金額は未経験の方が就職した場合の平均賃金ですので、経験や関連した資格を取得されている場合は多少異なります。
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
電気配線工事・電気設備保全管理・空調設備・給排水衛生設備・ボイラー設備等の知識・技能を習得して、ビル設備の保守管理の業務に就職しております。また、警備・清掃管理の業務に就職された方も、習得した電気設備やメンテナンスの技能を活かして、活躍しています。
受講期間中に取得可能な資格
小型ボイラー取扱業務特別教育修了証
法令で定められた教育時間(学科7時間以上、実技4時間以上)を受講することで、「小型ボイラー取扱業務特別教育修了証」を取得することができ、「小型ボイラー」の取扱いを行うことができます。教育を受けるための資格制限等はありません。
小型ボイラーの定義は以下のとおりです。
- ゲージ圧力0.1MPa以下で使用する蒸気ボイラーで、伝熱面積が1㎡以下のもの又は胴の内径が300mm以下で、かつ、その長さが600mm以下のもの。
- 伝熱面積が3.5㎡以下の蒸気ボイラーで、大気に開放した内径が25mm以上の蒸気管を取り付けたもの又はゲージ圧力0.05MPa以下で、かつ、内径が25mm以上のU形立管を蒸気部に取り付けたもの。
- ゲージ圧力0.1MPa以下の温水ボイラーで、伝熱面積が8㎡以下のもの。
- ゲージ圧力0.2MPa以下の温水ボイラーで、伝熱面積が2㎡以下のもの。
- ゲージ圧力1MPa以下で使用する貫流ボイラー(管寄せの内径が150mmを超える多管式のものを除く。)で、伝熱面積が10㎡以下のもの(気水分離器を有するものにあっては、当該気水分離器の内径が300mm以下で、かつ、その内容積が0.07㎥以下のものに限る。
任意に取得できる資格
訓練期間中に受講生の皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格の一例です。受験手続きや合格できる技能レベルへの到達は訓練中に十分可能です。(※ただし、合格を保証するものではありません。詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせください。)
二級ボイラー技士
ボイラー技士には特級、一級、二級の区分がありますが、級の区分に関係なく二級ボイラー技士でも全てのボイラーを取り扱うことができます。
ボイラーは灯油や重油などの燃料を燃焼室で燃焼させ高温高圧の水蒸気などを発生させるため、爆発や破裂する恐れがあります。そのためボイラー技士がボイラーの操作、点検、管理を実施しなければなりません。そこでビル管理技術科では、まずは二級ボイラー技士の合格を目指して勉強します。
第二種電気工事士
電気工事士は扱う電気工作物の範囲によって、第一種と第二種に区分されます。第二種電気工事士は、一般家屋や小規模な商店で使用する電気設備に、低圧(600v以下)の配線工事を行うことができます。資格取得のためには筆記試験と技能試験の両方に合格しなければなりません。ビル管理技術科では筆記試験に必要な知識を習得してもらい、技能試験に合格するための課題を何度も実践します。
(一財)電気技術者試験センター第三種冷凍機械責任者
冷凍機械責任者は高圧ガス保安法に基づく資格で、第一種・第二種・第三種に区分されています。第三種冷凍機械責任者は1日で100t未満の氷を製造する冷凍機の保安に携わることができます。ビル管理技術科では物を冷やす仕組みを学習し、空調シミュレータでデータを取ることにより冷やす能力を数値的に把握し、ルームエアコンの据付けを行います。これにより第三種冷凍機械責任者の資格試験の約半分の知識を得ることができます。
高圧ガス保安協会乙種第4類消防設備士
消防設備士は消火栓・スプリンクラー・救助袋・自動火災報知設備・消火器などの消防設備を取り扱うことができる資格です。乙種は消防設備の点検整備まで、甲種はさらに設置工事も施すことができます。ビル管理技術科では、建物の中で最も身近である自動火災報知設備のシステムを実際に配線して構築する実習を行います。そのために乙種第4類消防設備士の合格を目指して勉強します。
(一財)消防試験研究センター乙種第4類危険物取扱者
危険物取扱者は火災の危険性が高い物質(危険物)を、一定量貯蔵したり製造したりする事業所で、取り扱ったり監督することができます。ビル管理技術科では最も身近である危険物(ガソリン・灯油・軽油などの引火性液体)の取扱いに係る訓練を実施するため、乙種第4類危険物取扱者の合格を目指して勉強します。
(一財)消防試験研究センター就職活動支援
就職支援アドバイザーによる就職活動に関する情報提供や、受講生個々に対する支援を行っています。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターが実施している短期間の 在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料)) を受講することにより、さらなるスキルアップができます。受講を希望される場合は、訓練課にお問い合わせください。お問い合わせ先
ポリテクセンター和歌山(和歌山職業能力開発促進センター) 訓練課
TEL
073-461-1532
FAX
073-461-2241