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溶接加工科(テクニカルメタルワーク科)

訓練の概要(訓練により習得できる技能)

構造物の製作に欠かせない溶接・接合技術の技能と関連知識を習得します。また、溶接に関連する各種作業(金属加工・機械板金加工・フォークリフト荷役)に関する知識と技能を習得します。
※訓練カリキュラムを受講することで取得できる資格が6つあります。(技能講習修了証2つ、特別教育修了証4つ)

訓練全体(6ヵ月間)の目標人材像(訓練目標)

  • 鉄鋼材の炭酸ガスアーク溶接、各種工具・工作機械の取り扱いや図面の読み方、プレス機械を用いた板金加工ができる。
  • 鉄鋼材の被覆アーク溶接、特殊金属(ステンレス鋼・アルミニウム合金)のTIG溶接、フォークリフト運転による荷役作業ができる。

総訓練時間

656時間

1ヶ月ごとの訓練到達目標

訓練カリキュラムの中で取得する資格(労働安全衛生法に基づく技能講習修了証・特別教育修了証)を早期に取得できるよう、一部の訓練実施順は、1~3、4~6の範囲内で変更があります。

1.金属加工基本

工作法の概要と測定、仕上げ作業、ボール盤作業、研削といしの取替えと安全教育及びガス溶接切断作業等に関連する知識と技能を習得します。

金属加工基本

2.炭酸ガスアーク溶接

一部自動化された溶接(半自動溶接)で、各種装置の使用法、保守点検を習得します。炭酸ガスアーク溶接機での各姿勢による"すみ肉溶接"・"突合せ溶接"を習得します。また、関連知識を習得します。
※炭酸ガスアーク溶接は、薄板から厚板まで適用でき、安全性が高く、能率・効率が良いことから、現在主流になっています。

炭酸ガスアーク溶接

3.機械板金、炭酸ガスアーク薄板溶接

機械板金作業に必要な基本的要素をはじめ、各種作業に必要な技能及び関連知識を習得します。
※機械板金は、プレス機械等で一枚のシートメタルから切断・穴あけ・曲げ等の加工を行い、複雑な形状の部品や箱状の製品等を製造できます。また、機械板金に関する内容を習得後、薄板に特化した炭酸ガスアーク溶接のスキルを習得します。

機械板金、炭酸ガスアーク薄板溶接

4.TIG溶接

ステンレス鋼・軟鋼等のTIG溶接を各種姿勢で施工する溶接法を習得します。また、関連知識も習得します。
※TIG溶接は、アルゴンやヘリウム等の不活性ガス中でタングステン電極と母材との間にアーク放電を発生させ、金属材料を溶融・接合する溶接方法です。例えば、車のマフラーや配管等のように、他の溶接法では施工が難しい部材に用いられます。訓練では扱いませんが、その他の非鉄金属(チタン、銅等)にも対応している溶接法です。

TIG溶接

5.被覆アーク溶接

被覆アーク溶接棒を用いて行う溶接法で、各姿勢による”すみ肉溶接”・”突合せ溶接”を習得します。また、関連知識を習得します。
※被覆アーク溶接は、昔から行われている溶接です。必要な設備等が他の溶接に比べ簡易です。

被覆アーク溶接

6.フォークリフト運転、アルミニウム合金溶接

重量に対して強度が高いアルミニウム合金を、TIG溶接やMIG溶接と呼ばれる溶接法で施工する溶接法を習得します。アルミニウムに関する知識も習得します。
その後、1トンまたは2トンのカウンタバランスフォークリフトを使用して、走行装置の取扱い法、走行の操作・荷役作業等を習得します。(講習に合格すればフォークリフト運転技能講習資格が取得できます。)

フォークリフト運転、アルミニウム合金溶接

受講条件

過去の経験

特に必要ありません。

事前に習得していることが望ましいスキル

特に必要ありません。

各訓練科共通要件

  • 訓練に関連する職種への就職を希望していること
  • 訓練を受講することに熱意を有すること
  • 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有していること
  • 訓練受講・修了に支障がないこと(健康状態や受講態度等)

受講希望者が多数の場合、上記の条件を満たしていても受講できないことがあります。

受講料

無料です。
ただし、教科書代(約10,000円)については、自己負担となります。

受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種

未経験の方でも、下記のような関連職種に就職されています。
(なお、必ずしも下記のとおり就職できるとは限りませんので、ご了承ください。)
(前 職)    (修了後の職種)
・営 業    → 溶接工・組立工
・運転手    → 溶接工
・介護サービス → 板金工
・電気工事士  → 板金工

訓練に関する職種と仕事内容

主な職種

  • 構造物溶接工
  • 配管溶接工
  • 板金溶接工
  • ガス溶断工
  • 組立工
  • 精密板金工
  • フォークリフト運転
  • 鍛治工

溶接工の仕事

  • 造船所などで組立作業をはじめ、ビルや橋などの鉄骨建設現場や各種機器の製造などで、製品や構造物を溶接するのが、溶接工です。
  • 溶接とは、金属材料の接合する部分のすき間に、溶接棒やワイヤを接触させ、そこに熱を加えて、金属材料と溶接棒を同時に溶かしながら、必要な長さや厚さで接合することです。
  • 溶接には、溶接工が溶接棒やワイヤを1本1本操作する手溶接と、ワイヤが自動的に供給される半自動溶接があります。
  • 溶接工は、まず、溶接する材料によって、適切な電流や電圧に調整して、適切な溶接棒やワイヤを選んで、作業をします。作業時に発生するガスや飛び散る高温の金属から身体を守るため、溶接工は、耐熱の作業服やマスク、強い光から目を守るために遮光マスクを着用します。
  • 溶接工は、接合部分に空洞やムラが出来ないように注意しながら、溶接棒やワイヤを操作して、作業をします。
  • また、ビルや橋などの建設現場での溶接作業の場合、高所や足場の上などで行われるため、常に安全に気を配ります。

職種との相性(こんな方に向いている)

"ものづくり"に興味があり、じっくり忍耐強く仕上がりを重視した作業ができる方。同じ仕事をしても人とは違ったこだわりを持って作業ができる方。

訓練により就職可能な主な仕事

  • 溶接作業による構造物等を製作する業務
  • 切断・溶断による構造物等の解体業務
  • プレスブレーキ等を用いた板金加工業務
  • フォークリフト運転業務
  • 倉庫管理業務

求人票に記載されている職種名

  • 溶接工
  • ガス溶接・切断工
  • 製缶・組立工
  • 板金プレス工
  • フォークリフト運転手

就職後の仕事例(求人票より)

  • 自動車部品厚さ3~5ミリの鋼板への半自動溶接作業
  • 自動車部品、パレットなどの小物溶接作業
  • 農業機械部品、建設機械部品の溶接作業
  • 空調機等の部品製造(プレス加工)、スポット溶接
  • 橋梁の溶接作業
  • ステンレス製品の溶接作業
  • 大型空調機の溶接(半自動溶接)
  • 運搬機械フレームの溶接作業
  • 看板の鉄骨加工及び溶接作業等
  • 建設機械の部品溶接作業
  • 大型構造物の溶接作業
  • 寝具の溶接・組立作業
  • 造船・修理業
  • 倉庫内資材の整理在庫管理
  • 製造及び原料、製品の工場内における運搬作業
  • 設備設計及びメンテナンス、メカ組立・溶接、工程票作成・管理
  • 倉庫へのフォークリフトによる入出庫作業及び開梱作業等
  • フォークリフトを使用した商品の入出庫作業

就職率

100%(令和4年度溶接加工科修了分実績値)
100%(令和3年度溶接加工科修了分実績値)

修了者の主な就職先

  • 大亜鋼業株式会社
  • 日建産業株式会社
  • 株式会社メイワ
  • 株式会社高田ベッド製作所
  • 山本産業株式会社
  • 株式会社スワン

賃金情報

修了生の関連職種採用時の賃金(給与総支給額)実績

  • 15万円~25万円

※上記の金額は未経験の方が就職した場合の平均賃金ですので、経験や関連した資格を取得されている場合は多少異なります。

訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況

訓練を修了すると大半が被覆アーク溶接、半自動アーク溶接、TIG溶接の下向き姿勢の溶接技能の基本は、習得できていますので、就職先で必要な技能に対応し易くなります。
就職後は、就職先の仕事内容によっても異なりますが、訓練で習得した技能・技術によって未経験者よりも迅速に、ベテラン技能者の指導により、製作物の一部であれ、就職先が期待する仕事(標準的な作業時間と品質・仕上がり)ができるようになります。

受講期間中に取得可能な資格

ガス溶接技能講習修了証 (和歌山労働局長登録教習機関第48-63号)登録有効期限(令和11年3月30日)

ガス溶接等の業務は、労働安全衛生法第61条によってガス溶接技能講習修了証の所持者でなければ就業してはならないこととされております。当センターは、都道府県労働局長の登録を受けた教習機関となっており、訓練修了生に対してガス溶接技能講習修了証が当センター所長名で交付されます。

アーク溶接等の業務に係る特別教育修了証

労働安全衛生法59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で、アーク溶接等の業務に労働者を就かせるときは、事業者が「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための特別の教育が義務づけられています。本特別教育は、訓練中に実施し、特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。

自由研削といしの取替え業務に係る特別教育修了証

労働安全衛生法第59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で研削といしの取替え、取替え時の試運転業務等を行う業務に労働者を就かせるときは、事業者が「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための特別の教育が義務づけられています。本特別教育は、訓練中に実施し、特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。

フォークリフト運転技能講習修了証 (和歌山労働局長登録教習機関第06-4号)登録有効期限(令和8年8月22日)

フォークリフトの運転業務は、労働安全衛生法第61条によってフォークリフト運転技能講習修了証の所持者でなければ就業してはならないこととされております。当センターは、都道府県労働局長の登録を受けた教習機関となっており、訓練修了生に対してフォークリフト運転技能講習修了証が当センター所長名で交付されます。

動力プレス作業特別教育修了証

労働安全衛生法第59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で動力により駆動されるプレス機械の金型、シャーの刃部又はプレス機械若しくはシャーの安全装置若しくは安全囲いの取付け、取外し又は調整の業務に労働者を就かせるときは、事業者が「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための特別の教育が義務づけられています。本特別教育は、訓練中に実施し、特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。

粉じん作業特別教育修了証

労働安全衛生法第59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で、粉じん障害防止規則第2条第1項第3号の特定粉じん作業に係る業務に労働者を就かせるときは、事業者が「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための特別の教育が義務付けられています。本特別教育は、訓練中に実施し、特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。

任意に取得できる資格

訓練期間中に受講生の皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格の一例です。受験手続きの説明や合格できる技能レベルへの到達は訓練中十分可能です。(※但し、合格を保証するものではありません。詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)

各種溶接技能者

最も受講者が多く、業界で認知されている資格で、合格者に(一社)日本溶接協会から「○○溶接適格性証明書」が交付されます。溶接作業を行う作業者"溶接技能者"の資格で、基本級(下向姿勢の溶接)と専門級(立向、横向及び上向姿勢の溶接並びに管の溶接等)があり、さらに試験材料の種類と厚さ、溶接方法などとの組合せにより45種類ほどに資格が分かれます。試験は学科試験及び実技試験(資格の種別に応じた試験材料に溶接作業を行う。)によって評価されます。専門級は、基本級が合格していないと受験できません。実際の訓練では、専門級の技能についても行います。専門級は、就職してからの仕事内容によっても異なりますが、就職して1年以内に取得されている方が多いようです。これまでの受講生の実績は以下のとおりです。

  • JIS被覆アーク溶接技能者・基本級(平均合格率90%以上)
  • JIS半自動アーク溶接技能者・基本級(平均合格率90%以上)
  • JIS TIG溶接技能者・基本級(平均合格率90%以上)
(一社)日本溶接協会

就職活動支援

就職支援アドバイザーによる就職活動に関する情報提供や、受講生個々に対する支援を行っています。

就職後のスキルアップ

就職後は、当センターが実施している短期間の 在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料)) を受講することにより、さらなるスキルアップができます。受講を希望される場合は、訓練課にお問い合わせください。
 

お問い合わせ先

ポリテクセンター和歌山(和歌山職業能力開発促進センター) 訓練課

TEL

073-461-1532

FAX

073-461-2241

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