日本産業規格(JIS)に基づく機械製図を習得します。図面の読み方、作図を通じて関連知識を習得します。
CAD・エンジニア科(テクニカルオペレーション科)
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
機械図面の基礎知識を理解し、CAD(2次元・3次元)による図面作成の知識・技能を習得します。
機械加工(旋盤・NC旋盤・フライス盤・マシニングセンタ)の基礎を習得し、NC工作機械のプログラミングやCAD/CAMの基礎技能と関連知識を習得します。
訓練全体(6ヵ月間)の目標人材像(訓練目標)
- 機械製図を理解し、CADシステムによる製図ができる。
- 旋盤及びフライス盤加工とNC機械のプログラミング及び加工ができる。
総訓練時間
656時間
1ヶ月ごとの訓練到達目標
1.製図基本
2.2次元CAD
2次元CAD(AutoCAD※)を用いて作図方法や関連知識を習得し、部品図、組立図の製図法を習得します。
※AutoCADはオードデスク(株)の登録商標です。
3.3次元CAD
3次元CAD(SolidWorks※)を用いて機械部品のモデリング技術、組立情報(アセンブリ)の作成、2次元図面展開に関する知識を習得します。
※SolidWorksはダッソー・システムズ㈱の登録商標です。
4.3次元CAD・3Dプリンタ
3次元CAD(SolidWorks※)によるサーフェスモデル構築と自由曲面の連続性評価と、3Dプリンタによる造形を習得します。
※SolidWorksはダッソー・システムズ㈱の登録商標です。
5.測定・旋盤・フライス盤・NC旋盤・マシニングセンタ
ノギス・マイクロメータの測定方法と、旋盤・フライス盤の加工方法を習得します。さらにNC旋盤・マシニングセンタのプログラム作成と操作方法を習得します。
6.CAD/CAM
CAMソフトを用いて、2次元・3次元CADデータからCAMによる加工データ作成方法を習得します。
受講条件
過去の経験
特に必要ありません。
事前に習得していることが望ましいスキル
特に必要ありません。
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を希望していること
- 訓練を受講することに熱意を有すること
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有していること
- 訓練受講・修了に支障がないこと(健康状態や受講態度等)
受講希望者が多数の場合、上記の条件を満たしていても受講できないことがあります。
受講料
無料です。
ただし、教科書代(約6,000円)については、自己負担となります。
受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種
未経験の方でも、下記のような関連職種に就職されています。
(なお、必ずしも下記のとおり就職できるとは限りませんので、ご了承ください。)
(前職) (修了後の職種)
・営業 → 工作機械工
・介護 → NC機械オペレータ
・製造ライン担当 → NC機械オペレータ
・ヘルプデスク → 機械設計
・書店店員 → 機械設計補助及び製造組立て
・データ入力 → NC機械オペレータ
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
- NC工作機械オペレータ
- CADオペレータ
- 汎用工作機械業務
- 測定・検査業務
工作機械工の仕事
- 工作機械を使い、さまざまな金属に、切る・削る・穴を開ける・溝を切る・磨き仕上げるなどの加工をするのが、工作機械工です。違う形状のものを少量だけ加工する場合は、人の手で加工する汎用工作機械を使います。まず製品の図面に基づいて、材質・加工精度に応じた刃物を選び、角度や削る量、回転数、送りの速度などを決めます。旋盤の設定が終わったら、知識や技術・経験を駆使して、材料を要求された形に加工します。
- 同じ形状のものを大量に加工する場合は、加工条件を数値化し、自動運転をするNC工作機械を使います。NC工作機械では、要求される精度を出すため、最適な加工条件を正確にプログラミングします。 次に、設定が終わったら、精度を確認するための試削りを行います。試作品を正確に計測し、必要に応じて何度でもプログラムを修正します。そして、精度が安定したら、自動運転を行います。
- 工作機械工には、期限内に、決められた数の製品を、高い精度で正確に加工することが求められます。
CADオペレータの仕事
- さまざまな機械や建物などをつくるには、そのイメージを伝えるためにスケッチや設計図が必要です。
CADとは、Computer Aided Designの略で、コンピュータを使って設計製図をすることです。CADを使って、各種の図面を正確に描くのがCADオペレータです。 - CADオペレータは、企業の設計部門やデザイン会社などで働いています。CADオペレータは、機械、建築、電気、インテリアなどさまざまな図面を、コンピュータを使って、設計の規格で決められた記号や作図コマンド(入力する記号)を入力して、作図をします。
- オペレータはまず、手描きや書き込みのある図面、ラフスケッチなど、CAD化する図面を受け取ります。
次に、CAD化する図面の種類によって、それぞれ決められた記号、コマンドを入力します。オペレータは、設計者の意図を読み取りながら、正確に図面を作成します。CADソフトにはいろいろ種類があり、複数のソフトを使う場合もあります。そして、入力が終わると、図面を印刷してチェックし、完璧な図面にします。
職種との相性(こんな方に向いている)
工場での勤務がほとんどになるため、作業を安全かつ慎重に確実に行うことが求められます。
また、納期遵守、品質保証についても常に求められます。
製品を作り上げる過程を通じて達成感が得られることと、自身の能力向上に対して前向きに取組む姿勢があると良いでしょう。
訓練により就職可能な主な仕事
- NC工作機械加工オペレータ
- CADオペレータ
- 設計補助業務
- 測定・検査業務
求人票に記載されている職種名
- NC工作機械加工オペレータ
- CAD技術者
- 設計・製図技術者
就職後の仕事例(求人票より)
- NC工作機械加工オペレータ
- NCプログラマー
- CADオペレータ
- 工作機械工
- 設計・製図技術者
就職率
95.0%(令和4年度CAD・NC技術科(リニューアル前コース)修了分実績値)
90.0%(令和3年度CAD・NC技術科(リニューアル前コース)修了分実績値)
修了者の主な就職先
- 小川工業株式会社
- 株式会社エヌティーシー
- 株式会社正木製作所
- 株式会社樽井鉄工所
- 辻鐵工株式会社
※リニューアル前コース(CAD・NC技術科)の実績です。
賃金情報
修了生の関連職種採用時の賃金(給与総支給額)実績
- 16万円~25万円
※上記の金額は未経験の方が就職した場合の平均賃金ですので、経験や関連した資格を取得されている場合は多少異なります。
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
CAD・エンジニア科の訓練を修了することにより "ものづくり"の面白さと大切さがわかります。加工技能の基本は習得できていますので、この基本技能を活用して、就職先企業で製作する部品、製品を汎用機械やNC加工機を使った製造ができるようになります。
就職後は、就職先の仕事内容によっても異なりますが、訓練で習得した技能・技術によって概ね3ヵ月から6ヵ月程度でベテラン技能者のOJTにより、就職先が期待する仕事(標準的な作業時間と品質・仕上がり)ができるようになります。およそ、2~3年で熟練度は向上し、細かく指示されなくとも自らの判断で仕事ができるようになります。
任意に取得できる資格
訓練コースの分野に関連する資格の一例です。(※ただし、合格を保証するものではありません。受検資格等詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
技能検定 機械検査作業3級
技能検定は、業務の中で必要とされる知識・技能レベルを評価する国家資格です。
様々な職種がありますが、機械検査作業の実技試験では、指示された箇所を測定器で正しく測定できているかを評価されます。学科試験では測定法を中心に、機械全般の知識が問われます。
就職活動支援
就職支援アドバイザーによる就職活動に関する情報提供や、受講生個々に対する支援を行っています。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターが実施している短期間の 在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料)) を受講することにより、さらなるスキルアップができます。受講を希望される場合は、訓練課にお問い合わせください。お問い合わせ先
ポリテクセンター和歌山(和歌山職業能力開発促進センター) 訓練課
TEL
073-461-1532
FAX
073-461-2241