機械製図(製図一般、関連規格、機械要素など)のJIS規格を習得し、図面の読み描きに関する知識及び技能を習得します。
CAD/CAM技術科
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
機械製図、2次元CAD、3次元CADによる部品図・組立図の作成、NC工作機械の段取り、加工に必要なプログラムの技能と知識を習得します。3次元CADで作成したモデルの活用法として、CAMソフトでNC工作機械用のプログラムを自動生成します。また、ものづくりの1つである射出成型金型に関する技能と知識を習得します。
- CADって?
Computer Aided Designの頭文字を取っています。簡単に説明すると、パソコンを使用して図面を書くことです。CADもいろいろな分野で使用されています。当科では、機械図面を書きます。 - 3次元CADって?
図面を立体的に描くので、形状をより分かりやすく表現できます。また、パソコン内でのいろんな 検査やシミュレーションに活用できます。 - NCって?
数値制御を意味します。工作機械を動かすのに必要な情報を定義します。 - CAMって?
CADソフトで作成したモデルより、工作機械を動かすのに必要なプログラムを自動生成することができます。 - 就職先は?
CADオペレータ、CAD/CAMオペレータ、NCオペレータ、機械設計補助等です。
訓練期間
- 5月生:令和6年5月8日~令和6年10月30日
- 7月生:令和6年7月2日~令和7年1月30日【導入訓練付きコース】
- 8月生:令和6年8月1日~令和7年1月30日
- 11月生:令和6年11月1日~令和7年4月28日
- 1月生:令和7年1月7日~令和7年7月28日【導入訓練付きコース】
- 2月生:令和7年2月3日~令和7年7月28日
対象者
- CADにより機械図面作成業務に携わりたい方
- NC工作機械のプログラミングや機械加工等の機械加工業務に携わりたい方
仕上がり像
- 2次元CADによる機械の部品図及び組立図の作成と、3次元CADによるモデリングができる。 また3次元CADデータから高精度高能率加工に必要なNCデータの作成ができ、マシニングセンタ により所定の精度で加工することができる。
訓練到達目標
導入訓練【90時間】(4月生・10月生のみ)
就職の為の基礎講習として、コミュニケーションやビジネスマナーの向上をはじめパソコン基礎を学びます。(約1か月間)
機械製図【108時間】
- 機械製図(図形の表し方、寸法記入等)
- 機械要素(ねじ・歯車などの主要な機械要素)
2次元CAD【108時間】
- CAD操作(コマンド操作)
- 機械製図CAD(部品図及び組立図作成)
AutoCADの操作を習得し、部品図・組立図の作成方法、図面の出力方法などを習得します。
また、2次元CADの効率的な活用方法を習得します。
射出成形金型【108時間】
- 射出成形金型
- 3Dプリンタ
射出成型金型に関する知識及び技能を習得します。
また、3Dプリンタを使用して製品を作成します。
3次元CAD【108時間】
- CAD操作(コマンド操作)
- 機械部品、アセンブリの作成
3次元CADシステムによる機械部品作成(3次元モデリング手法)及び組立図作成(アセンブリ手法)に関する技能及び知識を習得します。
マシニングセンタ加工基礎【108時間】
- 測定(各種測定機器の取扱い)
- フライス加工(フライス盤による機械加工)
- マシニングセンタ(プログラミング、機械操作)
測定法や切削理論についての知識をつけ、フライス盤の技能を習得します。
また、マシニングセンタのプログラミング手法、加工作業(機械操作)に関する技能と技術を習得します。
CAM応用【108時間】
- CAM操作(コマンド操作)
- 加工データの作成及び加工
CAMソフトを利用して2次元及び、3次元CADデータから、NC工作機(ワイヤーカット放電加工機及びマシニングセンタ)の加工プログラム作成手法を習得します。
総訓練時間
- (7月生、1月生)750時間
- (5月生、8月生、11月生、2月生)660時間
※就職支援、行事等12H含む
受講要件
過去の実務経験
- 特にありません
事前に習得していることが望ましいスキル
- CAD/CAMでは、パソコンを使用しますので、パソコンを操作したことがある方(起動・終了、ワープロソフト、表計算ソフトなど)。
- 製図をするための図形の表し方や測定の概念についての基礎知識を有する方、また、過去に少しでもCAD/CAM関係の職務に少しでも携わったことがある方は、さらに訓練効果が期待できます。
各訓練科共通要件
- 希望訓練コース内容を充分理解し、自分の職歴等も加味して再就職を強く望んでいること。
- 受講することに強い意欲を有しており、全訓練日程を受講することができること。
- 基本的なパソコンスキル (Windowsの基本操作、Word・Excelでの文字入力)を持っていること。
※定員の関係上などで、応募いただいても必ず受講できるとは限りません。
※以下の(1)~(3)に該当する方は受講できません。
(1)公共職業訓練を受講修了後、1年以内の方
(2)過去1年以内に受講された公共職業訓練を正当な理由なく中途で辞められた方
受講料
テキスト代
- 6ヶ月 8,000円程度
- 7ヶ月 10,000円程度
作業服・作業帽
(作業服・作業帽をお持ちの方は、購入の必要はありません)
受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種
本科で訓練を受講し、以下のような関連する職種に就職された方がいます。
(前職) (修了後の職種)
印刷機のオペレータ→ 機械加工(マシニングセンタ)
運搬業 → 機械加工(NC旋盤・旋盤)
資材管理 → 機械設計
介護士 → 機械設計
建築関係の設計補助→ 機械設計補助
事務 → 機械設計補助
OA機器操作 → 自動車関係のCADオペレータ
接客・販売 → 電子部品のCADオペレータ
事務 → CADオペレータ
訓練に関する職種と仕事内容
一般的な職種名
- CADオペレータ
- 機械技術者
仕事の内容
『CADオペレータ』
建物や機械などをつくるには、そのイメージを伝えるためのスケッチや設計図が必要です。
CADとは、コンピュータを使ってデザイン(作図・設計)すること(Computer Aided Design)です。CADを使って、各種の図面を正確に描くのがCADオペレータです。
CADオペレータは、企業の設計部門やデザイン会社などで働いています。CADオペレータは、建築、機械、電気、インテリアなどさまざまな図面を、コンピュータを使って、各分野の規格で決められた図示方法や寸法、記号を入力して作図をします。
オペレータはまず、手描きや書き込みのある図面、ラフスケッチなど、CAD化する(電子データにするための)図面を受け取ります。
次に、CAD化する図面の種類によって、それぞれ決められた記号、コマンドを入力します。オペレータは、設計者の意図を読み取りながら、正確に図面を作成します。CADソフトにはいろいろ種類があり、数種類のソフトを使いこなす必要があります。 そして、入力が終わると、図面を印刷してチェックし、完璧な図面にします。
『機械技術者』
金属工作機械を使い、さまざまな金属に、切る・削る・穴を開ける・溝を切る・磨き仕上げるなどの加工をするのが、金属工作機械工です。
違う形状のものを少量だけ加工する場合は、人の手で加工する汎用工作機械を使います。まず製品の図面に基づいて、材質・加工精度に応じた刃物を選び、切込み量、回転数、送りの速度などを決めます。 そして、設定が終わったら、知識や技術・経験を駆使して、材料を要求された形に加工します。
同じ形状のものを大量に加工する場合は、加工条件を数値化し、連続自動加工するNC工作機械を使います。NC工作機械では、要求される精度を出すため、最適な加工条件を正確にプログラミングします。 次に、設定が終わったら、精度を確認するための試削りを行います。試作品を正確に計測し、必要に応じて何度でもプログラムを修正します。 そして、精度が安定したら、連続的に自動加工します。
金属工作機械工には、期限内に、決められた数の製品を、高い精度で正確に加工することが求められます。
職種との相性(こんな方に向いている)
『CADオペレーター』
「ものづくり」に興味があり、空間(立体)判断力、計算能力がある方
『機械技術者』
「ものづくり」に興味があり、何か作ったり組立てたりする事が好きな方
訓練により就職可能な主な仕事
『CAD/CAMオペレータ』
- CAD/CAMシステムを使用した設計製図
- NC加工データの作成業務
『機械技術者』
- NC工作機械を使用した加工及びオペレーション(マシニングセンタ、ワイヤカット放電加工など)
- 汎用フライス盤を用いた金属加工
- 測定・検査
就職後の仕事例(求人票より)
『CADオペレータ』
CADエンジニア、CADオペレータ、CADオペレータ・技術管理事務、2D-3D(2次元-3次元)CADオペレータ、NCオペレータ、CAD/CAMオペレータ、CADサポート業務、機械設計製図、CAD・マシニングオペレータ、 CAD・CAMプログラマ、3次元CADエンジニア、3D-CAD機械開発設計技術者、CAD設計者、金型設計(CAD)、機械系CADサポート運用技術者、機械設計・CADオペレータ
- CAMソフトによるプログラミングとNC旋盤による機械部品加工
- マシニングセンタを使用し、自動車部品の金型の製造・検査
- 3次元CADによる機械の設計補助
- 2次元CAD・3次元CADによる設計
- 機械メーカ内で資材調達
『機械技術者』
機械加工技能者、NC工作機械オペレータ、金型製作、金属加工、生産技術、機械技術者、機械メンテナンス、 メカエンジニア、生産技能職、製造職、生産技術職、生産管理職等
- フライス盤を使用し、金属の切削加工を行う
- パソコンよりNCプログラムを作成し金型をNC加工で製作する
- 自動車部品生産技術、図面を見て製造工程の理解できる方
- マシニングセンタをはじめとした最新のNC工作機械を導入した機械加工専用の工場などでの業務
- 精密機器・自動車の生産技術
- ※ この分野は即戦力を優遇しているが未経験者でも就職可能な求人有り
就職率
- 93.0%(令和4年度実績)
修了者の主な就職先
- 株式会社滋賀設計
- 日本プレート精工株式会社
- スペーシア株式会社
- 酒井工業所
- メニックス株式会社
賃金情報
15~24万円/月
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
訓練で
- 2次元CADによるトレース及び3次元CADによる機械部品のモデリング、組立図作成(アセンブリ)、図面化
- マシニングセンタのプログラミング、機械操作
- CAMを使用したプログラミングの作成
等の技能が習得できます。訓練を修了すると、これらの基本技能を活用して、就職先企業でCAD/CAM 技術を使用した製品設計や製造ができるようになります。
就職後は、就職先の仕事内容によっても異なりますが、訓練で習得した技能・技術によって概ね3ヶ月から 6ヶ月程度でベテラン技能者のOJT により、就職先が期待する仕事(標準的な作業時間と品質・仕上がり)が できるようになります。 およそ、2~3年で熟練度は向上し、細かく指示されなくとも自らの判断で仕事ができるようになります。
訓練修了時に取得できる資格
- 特になし
任意に取得する資格
訓練期間中に皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格です。
受験手続きの説明や合格できる技能レベルへの到達は訓練中に十分可能です。
(但し、合格を保証するものではありません。詳細は、各実施機関へお問い合わせください)
- 特になし
就職後のスキルアップ
就職後、実務経験をへて受験可能な技能検定
- 技能検定 機械・プラント製図(機械製図CAD作業):中央職業能力開発協会
また、当センターで実施している短期間の在職者訓練(有料)を受講することにより、 さらにスキルを向上させることができます。
当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・ 支援を行っています。
お気軽にご相談ください。
お問い合わせ先
訓練課 受講者係
TEL
077-537-1179