住宅の構造に関する関連知識と建築法規の基礎を学習します。また、住宅建設に関する確認申請書の作成や住宅の性能表示に関する技能及び知識を習得して、住宅の図面の読み書きができるようなります。
住宅リフォーム技術科(訓練期間6か月)のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
座学の訓練(3か月間)では、教室やパソコン室にて、建築実務の基礎となる知識を習得後、CADによる図面作成、リフォーム計画およびプレゼンテーションの手法を学びます。実技の訓練(3か月間)では、教室や実習場にて、新築を想定した施工実習からはじめ、老朽化した和室の内装を修繕する技能および和室の内装を洋室へリフォームする知識・技能の習得を目指します。
訓練目標
1.木造住宅のリフォームに必要な構造、法規、各種申請について理解し、図面作成に関する知識や技能を習得する。
2.木造住宅、構造部材、内装・外装に関する施工及び内装の修繕やリフォームに関する知識や技能を習得する。
総訓練時間
- 659時間
訓練内容
1.住宅構造、法規と申請業務
2.建築2次元CAD、3次元CADによる図面作成
パソコンの基本的な操作方法を学びます。また、ビジネス文書の作成から表計算ソフトによる報告書作成を行います。
2次元CAD※1や3次元CADの操作方法を習得して、住宅の図面や建築パース作成に関する技能・技術及び関連知識を習得します。
3.リフォーム提案および建築プレゼンテーション
3次元CADによる住宅のモデリング技術を習得します。
また、図面作成技術をもとにして、住宅を提案するプレゼンテーション技術を習得します。
4.大工道具のメンテナンス作業、木工製品作成、住宅部材の加工・組み立て作業
大工工事に関する手工具の取扱いと調整方法を習得します。
また、簡単な木工製品を作製する中で、住宅の構造部材の加工や組立方法を習得します。
住宅の軸組の組み立て方法や安全管理についての技能及び関連知識も併せて習得します。
5.住宅の内外装作業
内装施工では、石膏ボードによる壁下地、ビニルクロスによる壁仕上げ、フローリングによる床仕上げ施工を習得します。
また、外壁はサイディング仕上げとし、乾式で仕上げるための技能及び関連知識を習得します。
6.リフォーム施工作業
住宅の改修に関する技能及び関連知識を習得します。
古い和室を補修することを目的とした改修を目指します。
壁は珪藻土の左官仕上げとし、襖や障子の張り替え及び外壁・木材・金属塗装の技能を習得します。
また、バリアフリー改修の手法を学習し手すりなどの取り付け方法を学び、簡易な住宅改修の技能及び関連知識を習得します。
※1 CAD
(キャド: Computer Aided Design)は、コンピュータ支援設計とも呼ばれ、コンピュータを用いて設計をすること。あるいはコンピュータによる設計支援ツールのこと。
受講要件
過去の経験の必要性
- 特に必要ありません
事前に習得していることが望ましいスキル
- パソコンやCADを使用しますので、パソコンの基本的な操作方法を習得した方が望ましいです。
建築業界は他業種と比べ資格が優先される傾向にあるため、建築に関連する高校や専門学校を修了された方、建築業界に一定期間お勤めであった方は、必要な資格を受験することが可能なことから、効果的に訓練を受講することができます。
各訓練科共通要件
- 再就職を強く望んでいる方で、職業訓練を受講することに強い意欲を有している方
- 離職者訓練コースの内容を理解し、就職を希望する職務と入所希望訓練科との整合性がある方
- 職業訓練の安全確保及び訓練に支障を来さないような健康状態である方
- 職業訓練を受講する上で必要な、集合訓練における協調性のある方。
受講料
無料です。ただし、教科書代(約7,000円)については、実費負担となります。
受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種
未経験の方でも、下記の関連する職種に就職されています。
(前職) (修了後の職種)
サービス業 → 住宅営業
機械オペレーター→ CADオペレーター
一般事務 → 住宅事務
ライン製造 → 木材加工
土木管理 → 住宅施工管理
家具製造 → 宮大工見習い
特に女性に関しては、住宅展示場スタッフ、住宅営業補助、事務員等様々な業種に就職されています。
訓練に関する職種と仕事内容
一般的な職種名
建築設計技術者 建築大工 木材加工 家具製造 CADオペレーター 住宅営業
建築設計技術者の仕事
建築設計技術者は建物の用途に応じて、設計図をつくり、その設計図をもとに、建築現場で実際の作業員を指揮・監督します。 建築設計技術者は、まず、建築設計の依頼を受けると、その規模や用途、予算などの条件に従って基本設計し、設計平面図や模型などつくり、完成後の建物の姿を明らかにします。
次に、インテリアや材質といった、細かい部分を決める実施設計をします。平面図、立面図、断面図など、実際に建築するために、構造や設備の設計をして、必要な設計図を作成し、工事費用を割り出します。決められた予算内で、いかに 依頼主の要望に合った建物にできるか、最も知識・技術が求められます。
建築設計技術者は、建築が始まると、建築現場で工事監理をします。工事が設計図面通り進められているか、品質管理は適切に行われているかなど、建築中の現場に足を運び、作業員の工事を指揮・監督します。
建築大工の仕事
建築大工は、建築現場での建築資材の構造組みと建物内部における下地や仕上げなどの造作加工をします。作業は、電動工具により効率化が進んでいますが、現場で使うことが多い、のこぎり、のみ、かんななどの基本的な道具を安全に使う技能が必要です。
さらに経験を積み棟梁になると、建築現場でのほかの作業者との連絡調整や工事管理なども行います。また、建築計画、設計、費用の見積り、工期の設定、資材や作業者の手配なども行います。
訓練により就職可能な主な仕事
- 建築施工監理業務の補助業務
- 建築施工業務
- 各種営業(新築・リフォーム)
- CADオペレーター
- 建築事務 など
職種との相性(こんな方に向いている)
ものづくりに興味のある方、技術を自分で高めることが出来る方
求人票に記載されている職種名
CADオペレーター、建設業事務、住宅営業、現場管理、住宅建材配送、建材組み立て、作業員、住宅展示場スタッフ 等
就職後の仕事例(求人票より)
- 住宅展示場スタッフ:展示場に来場されたお客様に対して図面提案等の案内
- CADオペレーター :主に住宅軸組に用いるプレカットのための端末操作
- 住宅建材の製造 :サッシや合板などの住宅用建材の加工組み立て
就職率
93.6%(令和4年度実績)
※就職率は訓練終了後3か月時点での実績値です。
修了生の主な就職先(近年の実績)
- 株式会社松尾工務店
- 株式会社いちい
- 有限会社大廣建設
- 有限会社安田木工所
賃金情報
修了生の採用賃金実績(前職の経験等の諸条件に応じて異なる場合があります)
- 13~20万円
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
- 訓練を修了すると、就職先企業において、建築設計・管理業務や建築施工管理業務及び建築・不動産企画営業業務などができるようになります。
- 家具、建具、内装造作会社では、訓練で習った機械や技術を使いながら、各部門でのOJTや様々な製品の製作を通じて、経験と知識・技能を深め、2~3年である程度独自に仕事が出来るようになります。
訓練修了時に取得できる資格
携帯用丸のこ盤を使用して作業を行う者に対する安全教育
足場の組立て等の業務に係る特別教育
任意に取得できる資格
建築CAD検定(一般社団法人 全国建築CAD連盟)
2級 (4月・10月・年2回試験)
自らの建築知識をもとに与えられた条件のもと、建築一般図を作成する実力を測る、あるいは与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする技能を測るなど、CADの知識のみでなく真の実務能力が問われる試験です。このうち、2級の試験方式は実技試験で、試験時間は5時間の中で建築一般図を2面作成するものです。一定の応募者があれば、ポリテクセンター島根内で試験を実施しています。
インテリアコーディネーター(公益社団法人 インテリア産業協会)
10月 1次試験 12月 2次試験
インテリア(家具、ファブリックス※2、照明器具、住宅設備等)に関する幅広い商品知識を持ち、インテリア計画や商品選択のアドバイスなどを行う能力を測る試験です。
※2 ファブリックス
織物、布地
福祉住環境コーディネーター(各地商工会議所)
2級・3級(7月・11月試験)
受験資格として学歴及び実務経験などが必要な資格
- 建築士
- 建築施工管理技士
- 各種技能検定
○建築大工 2級
○家具製作 2級
○建具制作 2級
○木工機械整備 2級
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施しています短期間の在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料))を受講したり、就職先の実務経験を生かして、国家資格である技能検定に挑戦するなど、さらにスキルを向上させることができます。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
ポリテクセンター島根(島根職業能力開発促進センター) 訓練課
TEL
0852-31-2309
FAX
0852-21-3059