CAD・CAMエンジニア科のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
製造業における“ものづくり”のあらゆる場面で活用される機械製図に関する知識や、2次元CAD、3次元CADのオペレーション技術を習得します。さらにはNC工作機械による機械加工技術、CAD/CAMを活用した機械加工技術についても習得できるカリキュラムになっております。
訓練全体(6か月間)の目標人材像(訓練目標)
- 主に設計に関わる技能・技術の習得
CADシステムによるデータ作成法を学ぶと共に、2次元CADを活用して機械部品の部品図および組立図の作図ができ、また、設計ツールとして3次元CADを効果的に活用できる。
- 主に製造に関わる技能・技術の習得
汎用工作機械での切削加工方法を学ぶと共に、NC工作機械による加工に関する技能および関連知識を習得し、所定の精度で加工できる。
総訓練時間
- 662時間
1か月ごとの訓練目標
1.「機械製図と2次元CAD」
機械図面を描く為に必要知識であるJIS機械製図の基礎を学び、2次元CAD(使用ソフト:AutoCAD)を用いた機械部品の製作図を作成する上での基礎的な技能及び関連知識を習得します。
2.「2次元CAD応用」
機械図面を描く為に必要な機械要素の知識を習得し、2次元CAD(使用ソフト:AutoCAD)を活用して部品図、組立図等の機械図面作成能力を習得します。
3.「3次元CAD」
製造業における3次元CAD(使用ソフト:SolidWorks)の役割や考え方を理解し、製品形状を作成するための基本的な技能・技術を習得します。
4.「NC旋盤作業」
測定器の取り扱い方、汎用旋盤の取り扱い及び基礎的な加工を習得します。
その後、NC工作機械の一つであるNC旋盤の全般を知り、基礎知識と加工プログラミング、作業手順など、加工に必要な知識を習得します。
5.「マシニングセンタ作業」
汎用フライス盤の取扱い及び基礎的な加工を習得します。
その後、NC工作機械の一つであるマシニングセンタの基礎知識と加工プログラミング、作業手順など、加工に必要な知識を習得します。
6.「CAM応用」
CAMシステム及びその周辺技術の全般を知り、操作とNCデータ作成方法と関連知識を習得します。
※ 注 入所月によって、一部カリキュラムの順番が異なります。
受講要件
過去のCAD/CAM/NC経験
- 特に不要。
事前に習得していることが望ましいスキル
- CADではパソコンを使用しますので、パソコンを操作したことがある方。(ワープロソフト、表計算ソフトなど)
- 製図をするための図形の表し方や測定の概念についての基礎知識を有する方、また、過去に少しでもCAD・CAM関係の職務に携わったことがある方は、さらに訓練効果が期待できます。
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を希望していること
- 訓練を受講することに熱意を有すること
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有していること
- 訓練受講・修了に支障がないこと(健康状態や受講態度等)
※受講希望者が多数の場合、上記の条件を満たしていても受講できないことがあります。
受講料
無料です。ただし、教科書代(約4,000円)については、自己負担となります。
また、作業服、作業帽についても別途購入が必要です。(施設販売で購入可能ですが、ご自身で購入されても結構です)
受講者の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
加工やCADが未経験の方でも、下記のような加工やCADと関連する職種に就職されています。
(ただし、必ずしも下記のとおり就職できるとは限りませんので、ご了承願います。)
(前職) (修了後の職種)
機械保全 → 自動車関係のCADを使用した機械設計
建築関係の設計補助 → 販売機や自動改札関連の設計補助
婚礼の事務管理・営業 → 機械技術者(請負)
OA機器操作 → 自動車関係のCADオペレータ
管理事務 → CADオペレーター
販売・修理 → 工業用プラスチック製品製
訓練を受講し、就職した修了生の“生”の声がご覧になれます。
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
NC工作機械オペレータ/機械分野の設計補助業務、CAD・CAMオペレータ等
CADオペレータの仕事
- さまざまな機械や建物などをつくるには、そのイメージを伝えるためにスケッチや設計図が必要です。
- CADとは、Computer Aided Designの略で、コンピュータを使って設計製図をすることです。CADを使って、各種の図面を正確に描くのがCADオペレーターです。
- CADオペレータは、企業の設計部門やデザイン会社などで働いています。CADオペレータは、機械、建築、電気、インテリアなどさまざまな図面を、コンピューを使って、設計の規格で決められた記号や作図コマンド(入力する記号)を入力して、作図をします。
- オペレータはまず、手描きや書き込みのある図面、ラフスケッチなど、CAD化する図面を受け取ります。
- 次に、CAD化する図面の種類によって、それぞれ決められた記号、コマンドを入力します。オペレータは、設計者の意図を読み取りながら、正確に図面を作成します。CADソフトにはいろいろ種類があり、数種類のソフトを使いこなす必要があります。そして、入力が終わると、図面を印刷してチェックし、完璧な図面にします。
職種との相性(こんな方に向いている。)
“ものづくり”に興味があり、空間(立体)判断力、計算能力がある方。
訓練により就職可能な主な仕事
- CAD/CAMシステムを使用した設計製図から製造に関わる業務
- NC加工データの作成業務
- NC加工機を使用した部品加工及びオペレーション
- 機械部品製造(車両部品・自動機部品等)
求人票に記載されている職種名
CADエンジニア、CADオペレータ、CADオペレータ・技術管理事務、2D-3D(2次元-3次元)CADオペレータ、NCオペレータ、CAD/CAMオペレータ、CADアシスタント、CADサポート業務、機械設計製図、CAD・マシニングオペレータ、CAD・CAMプログラマー、3次元CADエンジニア、3D-CAD機械開発設計技術者、CAD設計者、CAD機構設計、金型設計(CAD)、機械系CADサポート運用技術者、機械設計・CADオペレータ
就職後の仕事例(求人票より)
- 2D-CAD、3D-CADによる設計、設計支援を中心に、自動車、工作機械、家電、AV機器などの設計開発、設備、プラント、建設関係などにおける、機構、工学、構造、筐体、金型、板金、樹脂の各種図面制作など。
- 機構系2D-CAD、3D-CAD(CATIA・I-DEAS・Pro-E・Solid Worksなど)のオペレーション・モデリング業務
- アルミ・鉄などの金属加工製品(自動車部品)の制作、自動プレス機、金型マシン・レーザー加工機・NC旋盤などのオペレーティング、CADによる設計製図業務
- マシニングセンタをはじめとした最新のNC加工機を導入した機械加工専用の工場などでの業務
- 自動車エクステリア・インテリアなどの設計や各種設計検討。しごとの業務エリア * エクステリアの立体化と修正(フェンダー、ドア、ボンネットなど) * 内装部品(インストルメントパネル)の立体化と形状操作 * 設計部品などの断面から各種設計の検討 * 各インテリア部品の干渉検討、及び変更修正
- 2D/3D CADによる図面作製、CAMモデリングデーター作成、NCデータ作成、特にCAD/CAMの経験を重視、できればNCフライス・マシニングセンター作業
- 3次元CADによる自動車・家電・精密機器などの設計・開発・構造解析・モデリング
- 各種産業機械及びプラント等のエンジニアリング補助(アシスタントエンジニア)を行うCADオペレーター、製品図面の作成及び変更等の業務 * 図面整理・ファイリング等の技術管理業務
- 自動車エンジン用部品の設計図面のモデリングやオペレーション業務
- AutoCADによるプレス機械・金型などの機械設計およびトレーサ業務開閉装置の設計業務
- 2次元CADによる金型設計、製図、自動車の金型を作る為のCAD/CAMデータ制作
- CAD/CAMシステムによる精密板金データ展開作業、プレス機械等の機構設計、機械設計補助
就職率
82.3% (令和4年度)
修了者の主な就職先
修了生の活躍事例
修了生と修了生を採用された企業からお話を伺いました。
賃金情報
修了者の採用時の賃金(給与総支給額)実績
- 17万円~25万円
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
訓練で習得した、(1)2次元CADによるトレース及び3次元CADによる機械部品のモデリング、(2)組立情報の作成(アセンブリ)、図面化、(3)マシニングセンタ及びNC旋盤のプログラミング、機械操作、(4)CAMを使用したプログラミングの作成等の技能が習得できます。訓練を修了すると、これらの基本技能を活用して、就職先企業でCAD/CAM技術を使用した製品設計や製造ができるようになります。
また、CAD・CAMエンジニア科の修了生から、「入社当初はCADのソフトの違いや、自社独自の製図法に迷うこともあったが、今はとてもやりがいを感じている。やりたい仕事に就けてよかった。」との声も挙がっています。
就職後は、就職先の仕事内容によっても異なりますが、訓練で習得した技能・技術によって概ね3ヵ月から6ヵ月程度でベテラン技能者のOJTにより、就職先が期待する仕事(標準的な作業時間と品質・仕上がり)ができるようになります。およそ2~3年で熟練度は向上し、細かく指示されなくとも自らの判断で仕事ができるようになります。
任意に取得できる資格
訓練期間中に受講生の皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格の一例です。
(但し、合格を保証するものではありません。詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
・技能検定3級(機械関連職種)(中央職業能力開発協会)
就職活動支援
専門スタッフのサポートを受けていただきながら、当センターやハローワークに寄せられた求人をご紹介いたします。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施しています短期間の在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料))を受講するなどし、就職先で必要なスキルを向上させることができます。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
訓練第一課 訓練支援係
TEL
075-951-7397
FAX
075-951-7393
kyoto-poly03@jeed.go.jp