ビル設備サービス科のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
訓練では給排水衛生設備保守管理・消防設備保守管理・空調設備保守管理・電気設備に関する保守管理技術及びコンピュータに関する基礎技術 など、ビル管理に不可欠な技能と関連知識を身につけます。また、訓練修了時の目標人材像を2つ設定し、関連職種に幅広く対応できるコースとなっています。
訓練全体(6か月間)の目標人材像(訓練目標)
- ビル等建築物の電気設備のメンテナンスができる。
- ビル等建築物の空調設備・給排水衛生設備のメンテナンスができる。
総訓練時間
- 662時間
1か月ごとの訓練目標
1.「電気配線工事」
屋内配線を想定したカリキュラムで、ケーブル工事・金属管工事等の様々な工事形態を学習しながら、電気配線工事を習得します。
また、配線確認にはテスターを使うなど、測定器(接地抵抗計・絶縁抵抗計)の使用方法も習得します。
2.「電気設備保全管理」
シーケンス制御の基本及び電動機、受変電設備の保全に関する技能及び関連知識を習得します。
3.「情報活用」「ボイラー取扱技術」
パソコンの知識及び文章作成、表計算に関する技能及び関連知識を習得します。
ボイラーの構造及び取扱いについての知識技能を習得します。
4.「空調設備保全管理」
ヒートポンプ形式の熱源を中心に空気調和設備の概要などビル空調設備の保守管理と故障診断に関する技能及び関連知識を習得します。
5.「給排水衛生設備管理作業」
給排水衛生設備の給水配管、給湯・温水配管の保全、修理に関する技能及び関連知識を習得します。
6.「防災設備管理作業(第1類)」、「防災設備管理作業(第4類)」
屋内消火栓設備・スプリンクラー設備(第1類)、自動火災報知設備(第4類)の構造及び点検整備に関する知識技能を習得します。
受講要件
過去のビル施設管理経験
- 特に必要ありません。
事前に習得していることが望ましいスキル
- 特に必要ありません。
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を希望していること
- 訓練を受講することに熱意を有すること
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有していること
- 訓練受講・修了に支障がないこと(健康状態や受講態度等)
※受講希望者が多数の場合、上記の条件を満たしていても受講できないことがあります。
受講料
無料です。ただし、教科書代(約8,000円)については、自己負担となります。
受講者の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
ビル管理が未経験の方でも、下記のようなビル管理と関連する職種に就職されています。
また、就職者の90%はビル管理会社に就職します。
(ただし、必ずしも下記のとおり就職できるとは限りませんので、ご了承願います。)
(前職) (修了後の職種)
製造業 → 総合ビル管理、設備管理
接客サービス → 総合ビル管理、設備管理
営業 → 総合ビル管理、設備管理
総務・経理 → 総合ビル管理、設備管理
訓練を受講し、就職した修了生の“生”の声がご覧になれます。
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
ビル設備管理技術者、ビルメンテナンス要員
ビル設備管理技術者の仕事
- ビルの利用者に快適な環境を提供するために電気、空調、消防、給排水などの設備を管理するのが、ビル設備管理技術者です。
- 一般的に、ビルに常駐して設備管理する技術者とビルを巡回訪問して設備管理をする技術者に分かれます。
- ビルの中央管理室に常駐してその施設を設備管理する技術者は、各設備の状態を一括して管理します。常駐での設備管理は、コンピュータで自動制御された機械装置の運転状況を制御モニターで監視します。そして、定期的に現場を巡回して運転状況を確認し、機器の点検や保守をします。常駐管理は、24時間体制で管理するため、一般的に、技術者は交代制で勤務します。
- 多くの人々が集まる施設の中央管理室は、防災センター としての役割も大きくなります。ビル設備管理技術者は、イベント中に異常が起きないように施設を運営し、人々の安全と快適な環境を守ります。
- ビルを巡回訪問して設備管理をする技術者は、担当エリアを持ち、契約先のビルを巡回訪問して、保守や点検をします。巡回先のビルでは、電気の配電盤や空調設備、消防設備や給排水設備などが正常に作動しているか、五感を使って確認します。設備の異常や停電などの緊急の場合は、補修を担当する専門業者に連絡し、連携して設備の復旧に務めます。
職種との相性(こんな方に向いている。)
ビルの設備管理は2~3名のグループで行います。したがって人とのコミュニケーションをとるのが好きな方はビル設備管理に向いているといえるでしょう。それに加え、機械相手の職種ですから、機械の構造や理論について技術的興味を持っている方は仕事に溶け込みやすいといえます。ご家庭でDIYなどをされている方にもおすすめです。
作業そのものは軽作業ですので、中高年の方でも十分こなせる仕事内容です。また、性別は全く問いません。
訓練により就職可能な主な仕事
- ビル管理業務(電気、空調、衛生、消防設備及び建物の維持・管理)
- ショッピングセンターのビル照明、空調、給排水等の設備の保守メンテナンス
- 病院設備の照明、空調、ボイラ、給排水等設備の保守管理
- オフィスビルにおいての出入管理業務、立哨、巡回業務
- ビル設備(電気・防災・給排水・衛生・空調・換気・輸送機等)の定期巡回や保守点検の計画立案、巡回業務
求人票に記載されている職種名
ビルメンテナンス、ビル管理業務、居住施設・ビル等の管理、ビル管理人、オフィスビルの清掃・設備管理、ビル設備管理、ビル管理技術員、施設保安警備員
就職後の仕事例(求人票より)
- ビル管理業務(電気、空調、衛生、消防設備及び建物の維持・管理)
- ショッピングセンターのビル照明、空調、給排水等の設備の保守メンテナンス
- 病院設備の照明、空調、ボイラ、給排水等設備の保守管理
- オフィスビルにおいての出入管理業務、立哨、巡回業務
- ビル設備(電気・防災・給排水・衛生・空調・換気・輸送機等)の定期巡回や保守点検の計画立案、巡回業務
就職率
85.6% (令和4年度)
修了者の主な就職先例
- 近建ビル管理(株)(ビルメンテナンス業)
- (株)ビゲンテクノ(ビルメンテナンス業)
- (株)メックステクノ西日本(ビルメンテナンス業)
- オリックス・ファシリティーズ(株)(ビルメンテナンス業)
- (株)大興設備(ビルメンテナンス業)
賃金情報
修了者の採用時の賃金(給与総支給額)実績
- 30歳未満 15万円~20万円
- 30歳代 20万円~25万円
- 40歳代 20万円~25万円
- 50歳代 20万円~25万円
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
屋内配線工事・給排水衛生設備・空調設備保全管理等の知識・技能を習得して、ビル設備の保守管理の業務に就職しております。習得した技能を活かして、商業施設、病院、オフィスビル等の設備管理で活躍しています。
任意に取得できる資格
訓練期間中に皆さんが習得した技術・技能を活かして任意に受験して取得できる資格です。受験手続きの説明や合格できる技能レベルへの到達は訓練中十分可能です。
(但し、合格を保証するものではありません。詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
2級ボイラー技士 ( 各地区の安全衛生技術センター )
最も受験者が多く、特級、1級、2級の3種類がありますが、2級の資格をもっていれば、すべての種類のボイラーを取り扱うことができます。ボイラーは、重油や都市ガス等を燃焼室で燃やしてボイラー内に高圧蒸気を発生させるので、爆発や破裂の恐れがあります。そのため、ボイラー技士がボイラーの操作、安全運転のための管理、点検、定期検査を実施します。ボイラーはオフィスビルや病院、学校、工場などに設備されています。
第3種冷凍機械責任者 ( 高圧ガス保安協会試験センター )
高圧ガス製造保安責任者の9種類に分かれている高圧ガス保安法に基づく国家資格のひとつで、都道府県知事名で交付されます。冷凍能力20Rt(アンモニア等)、50Rt(フルオロカーボン)以上の冷凍設備を持つ事業所では、高圧ガス製造保安責任者の第1種、第2種、第3種冷凍機械責任者免状の交付を受けている者のうちから冷凍保安責任者を選任しなければなりません。身近なところで考えてみると、エアコンも冷凍機のひとつです。
第二種電気工事士( (財)電気技術者試験センター )
電気工事士は従事できる電気工作物の範囲によって、第一種と第二種に分かれています。第二種電気工事士は、暮らしに直結した低圧屋内外配線の電気工事を担当するエキスパートです。一般の住宅やビルで利用する低圧小型の電動機や電気器具、照明等のための比較的受電電力の小さい電気施設の電気工事に従事します。
消防設備士( (財)消防試験研究センター各都道府県支部 )
消火栓、消火器、火災報知機、救助袋、スプリンクラー等消防用設備等の設置、維持・管理をします。資格は甲種と乙種の2種類があり、取扱う設備によって、甲種が特類及び1~5類、乙種が1~7類に分けられています。甲種消防設備士は工事、整備、点検まで担当できます。乙種消防設備士は整備、点検を行うことができます。
就職活動支援
専門スタッフのサポートを受けていただきながら、当センターやハローワークに寄せられた求人をご紹介いたします。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施しています短期間の在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料))を受講するなどし、就職先で必要なスキルを向上させることができます。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
訓練第一課 訓練支援係
TEL
075-951-7397
FAX
075-951-7393
kyoto-poly03@jeed.go.jp