・図面の「読み・描き」にはルールがあります。JISというルール(規格)を学びましょう。
・CAD(読み方:キャド)の実習の前に、えんぴつ・定規を使った「手描き製図」の実習を行います。
CAD機械科(テクニカルオペレーション科)のご案内
紹介動画
目次
1.訓練の概要(訓練により習得できる技能)
訓練では、機械製図(JIS規格)、2次元CAD及び3次元CADシステムを使用し、機械図面作成に必要な基礎的な知識と技能及び機械設計に必要な材料力学等の知識を習得します。また、機械加工の切削理論を学び、NC工作機械のプログラミング及び機械操作を習得します。
訓練全体(6ヶ月間)の仕上がり像(訓練目標)
CAD機械科では、CADオペレータ及び機械オペレータを育成します。CADオペレータはCADが使えることはもちろん、作成する図面に関する知識が求められます。また、機械オペレータには、図面を正確に理解することが求められます。
訓練では、製図で形を表すときの諸規則を学び、それを活用してCADで正確に描く技能を習得します。また、従来から使われてきた各種機械を操作することで加工の基本知識を身につけ現在主流となっているNC工作機械の基本操作を習得し、オペレータとしての就職を目指します。
- 機械製図を良く理解し、2次元CAD・3次元CADシステムによる機械部品のモデリングができる。
- NC機械のプログラミング及び操作ができる。
訓練内容
1ヶ月ごとの訓練によって習得する具体的な内容を以下に整理しました。一つの目安として参考にしてください。
1ヶ月ごとの訓練到達目標
1.機械の図面が理解できる・描ける
2.CAD(キャド)を使った図面の作成
・パソコンの2次元CADというソフトでの図面作成の方法を学びます。
・パソコンで立体的な製品のモデルデータを作成する3次元CADも学びます。
・3次元CADのモデルデータは、加工に使用するプログラムデータや3Dプリンタの作成データとして使用できます。
3.品物を測定・フォークリフトも乗れる
・製品を作るうえでは測定できないといけません。不良品を出荷しないよう、正確な測定が大切になります。
・工場で資材を運ぶ際にフォークリフトで運搬することが多いです。フォークリフトの資格を取ることができます。
4.『素材を削る』加工技術
・旋盤(読み方:せんばん)、フライス盤といった加工機械の実習があります。
・金属を削り、精度の高い完成品を目指します。削ったあとは測定し、評価しましょう。
5.『素材を削る』プログラミング技術
・複雑な形状でも、ドリルで穴をたくさんあける長時間の加工でも、プログラミングしておけば、「同じ品質・疲れ知らず」で自動加工します。
・現場では、「NC旋盤・マシニングセンタ」という加工機が導入されて、そのオペレータとして就職が可能です。
・さらに複雑なプログラムを作成するなら、「CAM(読み方:キャム)」というソフトも学べる内容です。
6.品物の品質を管理し、データにまとめる
・複雑な形状のものを測定する際に、手動での測定では難しいので、3次元測定器という測定器を使用しております。
・3次元測定器での測定の方法やデータの取り方を学びます。
・品質管理をする上でも、なくてはならない機械で使用している会社は増えていっています。
訓練課題
2. 募集日程
6ヶ月訓練
入所月
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5月
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8月
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11月
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令和7年2月
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訓練期間
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5月8日(水)
~ 10月31日(木) |
8月1日(木)
~ 令和7年1月31日(金) |
11月1日(金)
~ 令和7年4月28日(月)
|
令和7年2月3日(月)
~ 令和7年7月30日(水) |
募集期間
|
2月27日(火) ~ 4月1日(月) |
6月4日(火)
~ 7月1日(月) |
9月3日(火) ~ 9月30日(月) |
12月3日(火)
~ 令和7年1月6日(月) |
選考日
(筆記・面接) |
4月5日(金)
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7月5日(金)
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10月4日(金)
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令和7年1月10日(金)
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7ヶ月訓練(就職活動先取りコース)
入所月
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4月
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7月
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10月
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令和7年1月 |
---|---|---|---|---|
訓練期間
|
4月2日(火)
~ 10月31日(木)
|
7月1日(月)
~ 令和7年1月31日(金) |
10月1日(火)
~ 令和7年4月28日(月) |
令和7年1月6日(月) ~ 7月30日(水) |
募集期間
|
1月26日(金)
~ 2月26日(月) |
5月8日(水)
~ 6月3日(月) |
7月30日(火)
~ 9月2日(月) |
11月6日(水) ~ 12月2日(月) |
選考日
(筆記・面接) |
3月1日(金)
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6月7日(金)
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9月6日(金)
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12月6日(金) |
【就職活動先取りコースとは】
個人・グループワークをとおして企業が求める能力を理解し、コミュニケーション能力・ビジネスマナー・パソコンの基礎(文書作成)等について学習し、仕事と自分のマッチングを高めることを目指す1ヶ月間の導入講習付きコースです。
導入講習を受講後、6ヶ月間の一般コースを受講いただくことになります。
3. 受講条件
過去の実務経験
特に必要ありません。
事前に習得していることが望ましいスキル
具体的な内容は訓練の中で習得できますが、新しい技術や知識に対応できる柔軟性を身につけることと旺盛なチャレンジ精神が望まれます。
2次元CAD・3次元CADを受講するにあたり、パソコンの基本操作ができることが望まれます。
各訓練コース共通条件
- 再就職を強く望んでいる方であって、職業訓練を受講することに強い意欲を有している方。
- 訓練コースの内容を理解し、就職を希望する職務と入所希望訓練科との整合性がある方。
- 訓練の安全確保及び訓練に支障を来さないような健康状態である方。
- 訓練を受講する上で必要な、集合訓練における協調性のある方。
- 受講希望者が多くて定員を超えた場合、上記の条件を満たしていても受講できないことがあります。
4. 受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種
訓練を受講すると未経験の方でも、下記のような関連する職種に就職される方がいます。
前職 修了後の職種
運転手 → NC旋盤オペレータ
事務 → CADオペレータ
販売 → 工作機械オペレータ
5. 訓練に関する主な職種と仕事内容
一般的な職種名
CAD/CAMオペレータ、機械オペレーター、NC旋盤オペレーター、旋盤工、フライス工、金属工作機械工
CAD オペレータの仕事
さまざまな建物や機械などを作るには、そのイメージを伝えるスケッチや設計図が必要です。CAD とは、コンピュータを使ってデザイン(作図・設計)すること(Computer Aided Design)です。
CAD オペレータは、企業の設計部門やデザイン会社などで働いています。
建築、機械、電気、インテリアなどさまざまな図面を、コンピュータを使って設計の企画できめられた記号や作図コマンド(入力する記号)を入力して、作図をします。手描きや書き込みのある図面、ラフスケッチなど、CAD 化する図面を受け取ります。つぎにCAD 化する図面の種類によって、それぞれ決められた記号、コマンドを入力します。設計者の意図を読み取りながら、正確に図面を作成します。 CADソフトにはいろいろ種類があり、数種類のソフトを使いこなす必要があります。そして、入力が終わると図面を印刷してチェックし、完璧な図面にします。
金属工作機械工の仕事
金属工作機械を使い、さまざまな金属に、切る・削る・穴を開ける・溝を切る・磨き仕上げるなどの加工をするのが、金属工作機械工です。
違う形状のものを少量だけ加工する場合は、人の手で加工する汎用旋盤を使います。まず製品の図面に基づいて、材質・加工精度に応じた刃物を選び、角度や削る強さ、回転数、送りの速度などを決めます。そして、旋盤の設定が終わったら、知識や技術・経験を駆使して、材料を要求された形に加工します。
同じ形状のものを大量に加工する場合は、加工条件を数値化し、連続自動加工するNC旋盤を使います。NC旋盤では、要求される精度を出すため、最適な加工条件を正確にプログラミングします。次に、設定が終わったら、精度を確認するための試削りを行います。試作品を正確に計測し、必要に応じて何度でもプログラムを修正します。そして、精度が安定したら、連続的に自動加工します。
金属工作機械工には、期限内に、決められた数の製品を、高い精度で正確に加工することが求められます。
こんな人に向いている
正確さ、速さ、注意力、忍耐力、几帳面さなどが求められます。
訓練により就職可能な主な仕事
- CAD オペレータ
- 金属工作機械を使用した機械加工オペレータ
求人票に記載されている職種名
汎用旋盤オペレータ、汎用フライスオペレータ、図面トレース、機械技術員、設計・NC機械工、研磨工、旋盤工、NCオペレータ、CAMオペレータ、機械工としての工場内作業
就職後の仕事例(求人票より)
- 汎用旋盤による精密機械部品の加工
- 汎用フライスによる精密機械部品の加工
- 手描き図面をパソコンでデータに落とす仕事(Auto CAD が使える方)
- マシニングセンタ、フライス盤・旋盤を使用した機械加工
- NCフライス・研磨機等による機械部品の製作
6. 就職率
89.3%(令和4年度実績)
7. 修了生の主な就職先
- 株式会社アスカ
- 有限会社天野鉄工所
- 株式会社四国車体
- 株式会社シンテック
- 日亜化学工業株式会社
- 日本フネン株式会社
- 山田機械株式会社
修了者の声
8. 訓練で習得した職業能力の就職先での活用
近年の傾向として、求人票に「○年以上の経験」というのが数多く見られるようになってきました。このことからも理解できますように単にCADが操作できるだけではなく加工に便利な図面の描ける方、図面から加工工程・加工条件が導ける方というように、今までよりも複合的な要素を持った技術者が求められています。就職先企業では、仕事内容によっても異なりますが、訓練で習得した技能・技術を基礎に概ね3ヶ月から6ヶ月のOJTにより、就職先が期待する仕事(標準的な作業時間と品質・仕上がり)ができるようになります。
9. 訓練修了時に取得できる資格
訓練の修了時に取得できる資格はありませんが、「10.任意に取得できる資格」は訓練内容を十分理解していれば取得可能な資格となっておりますので、参考にして下さい。
10. 任意に取得できる資格
訓練期間中に皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格です。合格できる技能レベルへの到達は訓練中に十分可能ですので、受験手続きの説明はご相談下さい。(但し、合格を保証するものではありません。詳細は、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
CAD利用技術者試験(一般社団法人コンピュータ教育振興協会)
CADを使いこなし、製図・設計・デザインをする能力を認定する民間資格であり、2級は筆記試験、1級は実技試験が行われています。受験資格の制限はありませんが、2級はCADシステムの基礎的な知識をもち、半年以上の実務経験者、1級はハードウェア、ソフトウェアの高度な知識をもち、1年以上の実務経験者を想定して出題されます。また、1級、2級の他に、3次元CADや基礎試験という利用技術者試験も有ります。CAD機械科の訓練生は2級の受験者を多く出しています。最も受験者が多く、業界で認知されている資格として認知度が高いと考えられます。
技能検定3級「機械職種」(中央職業能力開発協会)
技能検定は厚生労働大臣の認定した資格で1~3級に分けられています。1~2級は受験資格に実務経験が必要ですが、3級は当センターの訓練生であれば受験できます。機械系職種として実施されている検定職種としては、普通旋盤、製図、機械保全等があります。合格者にはそれぞれ検定職種の「技能士」の称号が与えられ、就職活動にご活用頂けます。
(中央職業能力開発協会)11. 就職後のスキルアップ
就職後は、 当センターで実施している短期間の能力開発セミナー (有料)の受講や、実務経験を活かして、関連ある国家資格等の取得に挑戦することが可能です。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っていますので、お気軽にご相談ください。