金属加工に必要な図面の見方や工作機械・機工具による穴あけや切断、曲げ、研削作業、ガス炎によるガス切断について学びます。
溶接加工科(テクニカルメタルワーク科)のご案内
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目次
1. 訓練の概要(訓練により習得できる技能)
訓練では、金属加工製品の製造に必要な図面の見方、各種工具の取り扱いをはじめ、各種切断方法、各種アーク溶接法の知識と技能、玉掛けに関する知識と技能の習得を目指します。就職に必要な関連資格が多く取得できる科です。
訓練全体(6ヶ月間)の仕上がり像(訓練目標)
金属の加工法には種々な加工法が存在しますが、当科ではアーク溶接技術を中心に金属加工製品の製作に必要な能力の習得を目指します。
工作基本作業では金属加工に必要な図面の見方、各種工具・測定器の取り扱いを学ぶほか、金属加工の実務に必要なガス溶接技能講習、アーク溶接特別教育、自由研削と石取替え・試運転特別教育の法令に基づく安全教育を受講し、修了条件を満たせば修了証(公的ライセンス)が交付されます。
各種溶接作業では、能率が多少劣るものの鋼材の溶接に広く用いられる被覆アーク溶接、作業能率が高く工場内で多く用いられる半自動溶接(炭酸ガスアーク溶接)の他、ステンレス鋼やアルミ合金の溶接に用いられるTIG溶接について溶接の関連知識、操作技術を学び、JIS溶接技能者評価試験(旧 JIS溶接技術検定試験)の基本級や専門級に合格できる技能と技術を養います。
構造物製作作業では、鉄骨構造物を製作するための知識や溶接部の品質管理に必要な各種検査の知識と技能を習得し、実際の溶接構造物の製作を通じて溶接施工や管理に関する必要な知識と能力の向上を目指します。
また、材料や製品の運搬、移動に関わる玉掛けに関する知識と技能を、法令に基づく安全教育を通じて受講し、修了条件を満たせば玉掛け技能講習の修了証(公的ライセンス)が交付されます。
以上を通じて、訓練の仕上がり像は、次のようになります。
- 被覆アーク溶接、TIG溶接法による各種金属の溶接施工及び鉄骨構造物の読図ができる。
- 鉄鋼材の加工と運搬、炭酸ガスアーク溶接作業ができる。
【訓練内容】
1ヶ月ごとの訓練によって習得する具体的な内容を以下に整理しました。一つの目安として参考にしてください。
1ヶ月ごとの訓練到達目標
1.穴あけ・切断など金属加工の基本
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2.炭酸ガスアーク溶接(半自動アーク溶接)
溶接作業の主流で、薄板から厚板の接合まで多くの企業で使われる溶接です。
色々な継手や溶接姿勢(向き)の溶接方法を学びます。
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3.玉掛け技能講習・機械板金
玉掛けとは、クレーンのフックに荷物を安全に掛けたり外したりする作業です。資格を取得するための訓練を行います。
機械板金はプレス機を使って薄い金属を曲げて品物を作る仕事です。
訓練ではプレス機の使い方や精度よく加工する方法を学びます。
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4.被覆アーク溶接
修理や据え付けといった屋内作業(現場作業)によく使われる溶接です。
色々な継手や溶接姿勢(向き)の溶接方法を学びます。
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5.TIG(ティグ)溶接
ステンレスの薄板で作られた板金製品や食品機械の部品の接合によく使われる溶接です。
主にステンレスの色々な継手の溶接方法を学びます。
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6.製缶
工作機械による加工と溶接による接合を組み合わせた課題を通して、機械の安全な使用方法や目的の精度を満たす製作手順を学びます。
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【訓練課題】
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非破壊検査用レ形開先溶接
2. 募集日程
入所月
|
4月
|
10月
|
令和8年1月
|
---|---|---|---|
訓練期間
|
4月2日(水)
~ 9月30日(火) |
10月1日(水)
~ 令和8年3月30日(月) |
令和8年1月5日(月)
~ 令和8年6月30日(火) |
募集期間
|
2月4日(火) ~ 3月3日(月) |
7月29日(火)
~ 9月1日(月) |
11月5日(水)
~ 12月1日(月) |
選考日
(筆記・面接) |
3月7日(金)
|
9月5日(金)
|
12月5日(金)
|
入所月 | 9月 | 12月 | 令和7年3月 |
---|---|---|---|
訓練期間 |
9月2日(火)
~ 令和8年3月30日(月) |
12月2日(火)
~ 令和8年6月30日(火) |
令和8年3月3日(火)
~ 令和8年9月30日(水) |
募集期間 |
7月1日(火) ~ 7月28日(月) |
9月30日(火)
~ 11月4日(火) |
令和8年1月6日(火)
~ 令和8年2月2日(月) |
選考日 (筆記・面接) |
8月1日(金)
|
11月7日(金)
|
2月6日(金)
|
3. 受講条件
過去の実務経験
特に必要ありません。
事前に習得していることが望ましいスキル
特にありません。
各訓練コース共通条件
- 再就職を強く望んでいる方であって、職業訓練を受講することに強い意欲を有している方。
- 訓練コースの内容を理解し、就職を希望する職務と入所希望訓練科との整合性がある方。
- 訓練の安全確保及び訓練に支障を来さないような健康状態である方。
- 訓練を受講する上で必要な集合訓練における協調性のある方。
- 受講希望者が多くて定員を超えた場合、上記の条件を満たしていても受講できないことがあります。
4. 受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種
訓練を受講すると、未経験の方でも下記のような関連する職種に就職される方がいます。
前職 修了後の職種
建築技術 → 金属加工
保険営業 → 溶接組立
販売 → 溶接・組立工
5. 訓練に関する主な職種と仕事内容
一般的な職種名
溶接工
溶接工の仕事
溶接とは、金属材料の接合する部分の隙間に溶接棒やワイヤを接触させ、そこに熱を加えて、金属材料と溶接棒を同時に溶かしながら、必要な長さや厚さで接合することです。溶接工が溶接棒やワイヤを1本1本操作する手溶接と、ワイヤが自動的に供給される半自動溶接があります。
溶接工は溶接する材料によって、適切な電流や電圧に調整して、適切な溶接棒やワイヤを選んで、接合部分に欠陥ができないように注意しながら溶接棒やワイヤを操作して作業をします。作業時に発生するガスや飛び散る高温の金属から身体を守るため、耐熱の作業服やマスク、強い光から目を守るために遮光マスクを着用します。
こんな人に向いている
安全作業には欠かせない「注意力」のある方、「危険予知」のできる方
金属加工、溶接作業には欠かせない「丁寧さ」、「几帳面」、「忍耐力」、「こだわり」のある方
訓練により就職可能な主な仕事
- 金属加工
- 鉄骨組立
- 溶接(造船、製缶)
求人票に記載されている職種名
鉄工所機械工、造船所内溶接、鉄骨溶接工、建築板金工、溶接、製缶・溶接工・機械組立工
就職後の仕事例(求人票より)
- 金型及び機械部品製作のための機械加工及び溶接、溶断作業
- 造船所内電気溶接
- 鉄骨建物、鉄鋼材の加工・溶接
- 作業場での加工・溶接
- 作業場での加工後、建築物での施工、各種外壁・屋根・雨樋等溶接作業全般
- 製缶タンク・機械架台等の製造及びアルゴン電気半自動溶接機を使用した溶接作業
6. 就職率
90.0%(令和5年度実績)
7. 修了生の主な就職先
- 穴吹鉄工株式会社
- 株式会社井原工業
- 株式会社海部製作所
- 信誠工業株式会社
- 株式会社栄進産業
- 有限会社鉄善鉄工所
- 有限会社浜尾鉄工所
- 株式会社双葉自動車
- 有限会社三輪鉄工所
修了者の声
8. 訓練で習得した職業能力の就職先での活用
徳島県内の求人動向から化学プラント、造船、鋼構造物、産業機械等の大型のものから機械部品、金属製建材、配管部品等の小型のものまで、また素材として鉄(鋼)をはじめステンレス、アルミニウム、チタン等の非鉄金属まで広範囲にわたっていることから、就職先での求められる技術者や技能工の職業能力のニーズが幅広い状況にあります。
当科では、このような状況に対応した訓練カリキュラムを組んでおり、幅広い産業の職業能力の基礎に対応しています。就職先においては、仕事に慣れるまで必要最小限の期間で済むこと、また職場環境によっては、仕事の改善提案ができることが期待されます。
9. 訓練修了時に取得できる資格
ガス溶接技能講習修了証(徳島労働局登録教習機関「登録第16号」)登録有効期間満了日2024年3月31日
ガス溶接等の業務は、労働安全衛生法第61条によって下記の者でなければ就業してはならないこととされております。当センターは、2)の都道府県労働局長の登録を受けた教習機関となっており、訓練修了者に対してガス溶接技能講習修了証が当センター所長名で交付されます。
- ガス溶接作業主任者免許の所持者(都道府県労働局長が交付)
- ガス溶接技能講習修了証の所持者(都道府県労働局長の登録を受けた教習機関が交付)
- 上記に該当し満18歳以上の者
玉掛け技能講習修了証(徳島労働局登録教習機関「登録第104号」)登録有効期間満了日2025年3月31日(更新予定)
つり上げ荷重が1トン以上のクレーン等を使用する場合の玉掛け作業は、労働安全衛生法第61条によって、玉掛け技能講習を修了した者でなければ当該業務に就いてはならず、就かせてはならないこととされています。
本技能講習では、訓練修了者に対して玉掛け技能講習修了証が当センター所長名で交付されます。
アーク溶接等の業務に係る特別教育修了証
労働安全衛生法59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で、アーク溶接等の業務に労働者を就かせるときは、事業者が「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための 特別の教育を行うよう義務づけられています。
本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。
自由研削用といしの取替え等の業務に係る特別教育修了証
労働安全衛生法第59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で研削といしの取替え、取替え時の試運転業務等を行う業務に労働者を就かせるときは、事業者が 「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための特別の教育を行うよう義務づけられています。
本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。
粉じん作業に係る特別教育修了証
労働安全衛生法第59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で粉じん作業に係る業務に労働者を就かせるときは、事業者が特別の教育を行うよう義務づけられています。
本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。
10. 任意に取得できる資格
訓練期間中に皆さんが習得した技能を生かして任意に受験して取得できる資格です。合格できる技能レベルへの到達は訓練中に十分可能ですので、受験手続きの説明はご相談下さい。(但し、※合格を保証するものではありません。詳細は、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
JIS溶接技能者(旧 JIS溶接技能検定、実施団体:一般社団法人日本溶接協会)
国内で最もメジャーな溶接技能者の資格です。特に、品質管理やマネジメントの厳しい業界にはなくてはならない資格です。当科では、
1) 被覆アーク溶接 2)半自動炭酸ガスアーク溶接 3)ステンレスTIG溶接
の基本級・専門級について任意に取得できます。溶接技能者の資格取得には、筆記試験と実技試験があります(専門級は実技試験のみ)。
11. 就職後のスキルアップ
就職後は 当センターで実施している短期間の能力開発セミナー (有料)の受講や、実務経験を生かして、関連ある国家資格等の取得に挑戦することが可能です。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っていますので、お気軽にご相談ください。