図面の読図作業や、測定、材料への寸法の線引き(けがき)、材料切断、研削、穴あけなど、製造工程における溶接や曲げ以外の工程を習得します。
溶接ものづくり科
~ロボットに負けない「人の手」の仕事~
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
皆さんの身の回りや生活をよく見渡せば、金属で作られた"もの"がたくさんあります。
例えば家電製品、自動車、電車の車両、自動販売機、キッチンのシンク、金属の棚など………
決して目立つことはないのですが、改めて見返せば金属製品がたくさんあることにお気づきになると思います。
では、これらの金属製品の材料は何でしょうか?
それは鉄板だったり鉄パイプだったりしますが、それがどうやって製品の形になるのでしょうか?
金属製品を作るとは、すなわち、鉄板や鉄パイプなどの金属材料に『加工』を施して製品にしていくことです。
具体的には、金属材料を図面寸法に従って、切る、曲げる、穴をあける、くっつける(溶接する)などを行います。
やっていること自体は、皆さまが小学校でやった図工と変わりません。
ただ、材料が紙ではなく金属なので、切る方法がハサミではなくガスの炎だったり、曲げる方法が手ではなく何トンの力が掛かるプレス機だったり、くっつける方法がのり付けではなく溶接に変わります。
それらの作業は一見怖く感じるかもしれませんが、正しく作業を行えば災害に遭うことはありません。
正しいとはすなわち『作業前に適切に安全点検』し、『適切に保護具を着用』し、『適切な作業手順で作業』することです。
溶接ものづくり科では、このような『金属材料を用いたものづくりの習得』を目的としており、特に『安全作業を徹底』した上で、その基礎基本を習得し、『金属製品製造業』へ就職することを目標とした科です。
このような経験のない方を前提としてカリキュラムを組んでおりますので、経験者よりもむしろ、『未経験者ほど受講していただきたい』内容となっております。
また、これら金属製品の製造は、量産品ならロボットやAIに置き換えることが可能ですが、この業界ではオーダーメイド品、少数ロット品も多く、そのようなものの製作にはまだまだ
『人の技能』を必要とします。『人の技能』とは、『人間の感覚的な作業』であり、これをAIで再現するのは非常に困難であると言われます。
その中でも溶接は、人間の五感のうち、『視覚』『触覚』『聴覚』『嗅覚』の4つの感覚をフル活用る作業で、特段にAIへの置き換えに時間が掛かるとされています。
以上の理由から、このAIと共存する社会の中で、人間の仕事として最も長く残るのが『金属製品製造業』の『溶接工』や『製缶工』という職種であると言えるので、技能を身に着けて長く働きたい方は、その第一歩として『溶接ものづくり科』の受講がおススメです。
訓練期間
- 6月生:令和8年6月1日~令和8年11月27日
- 9月生:令和8年9月1日~令和9年2月26日
- 12月生:令和8年12月1日~令和9年5月31日
- 3月生:令和9年3月1日~令和9年8月30日
対象者
- 金属材料を使ったものづくりに興味のある方。
- AIとの共存社会において、AIに取られにくい『人間の技能』を活かした仕事に就きたい方。
これまで事務しか経験のない方でも大歓迎です。むしろ、そのような方こそ対象としているコースです。
何も知らないところから丁寧に指導いたしますので、ご安心ください。
仕上がり像
- 作業前の安全点検、保護具の着用、基本的な作業手順について習得し、災害に遭うことなく作業できる
- 扱う機械の動作を作業前に確認し、どこに危険源があり、何に注意して作業すべきか特定して作業ができる
- 図面の読解、材料へのケガキ、切断、穴あけ、曲げ、バリ取り、溶接など、金属製品を作る上での一連の工程の基本ができる
- 突合せ(つきあわせ)溶接の課題に取り組む中で、その外観試験、曲げ試験の結果から自身の手癖を掴み、修正・改善すべき点が自身で判断できる
訓練到達目標
金属加工基本作業【108時間】
この訓練中に実施する法定講習(修了すると資格証がもらえます)
- 自由研削といしの取替え等の業務に係る特別教育
- 粉じん作業特別教育
- ガス溶接技能講習(修了試験あり)
炭酸ガスアーク溶接作業【108時間】
工場内での鉄鋼材料の溶接に最も用いられる、炭酸ガスアーク溶接を習得します。半自動溶接とも呼ばれます。
溶接機の点検、保護具の着用法、適切な作業姿勢や溶接中の狙い位置など、溶接作業の基本を習得します。
また突合せ(つきあわせ)溶接という課題に取り組み、その仕上げた課題の外観試験と曲げ試験を通じて、自身
の手癖を把握して溶接技能を向上させる手法を習得します。
鉄鋼材料加工作業【54時間】
ここまでで習得してきた読図、ガス切断、ボール盤による穴あけ、溶接を駆使して課題製品の製作を行います。
材料から部品を切り出し、加工して、組み立てて製品にする一連の工程を習得します。
製作課題・溶接部検査作業 【54時間】
溶接部は破壊するまでは真の強度が分からない宿命にあります。
ここでは製作したものを引張(ひっぱり)試験等で破壊し必要な強度があるか、超音波やレントゲンを使用して
溶接部の内部に欠陥がないか、それぞれ試験を行い、就職先での自身の製作物が受ける検査を学びます。
被覆アーク溶接作業【108時間】
アーク溶接全体の元祖の方法で、適用場面は減っていますが、現在でも屋外作業で手溶接や手アーク、手棒、あるいは単にアーク溶接と呼ばれ、行われています。就職後にしないことも多いのですが、炭酸ガスアーク溶接やTIG溶接の基礎となる方法であるため、これらをより上手になるためには習得しておくべきとされています。
この訓練中に実施する法定講習(修了すると資格証がもらえます)
- アーク溶接特別教育
TIG溶接作業【108時間】
他の溶接法と比べ、溶接の能率が極端に悪い代わりに、ステンレスやアルミニウムの溶接を美しく仕上げることができる方法で、キッチンのシンクや業務用の食品加工機など、清潔や衛生が求められるような製品に適用されます。また、薄板溶接にも向くので板金業界でも広く用いられる方法です。溶接といっても、TIG溶接では火花はほとんど発生せず、有害な煙(ヒューム)もあまり発生しないので、TIG溶接をする会社は皆さんが想像する鉄工所とは全く異なるほど綺麗で清潔な環境です。特に女性の受講生がそのような環境を好み、ここで習得したTIG溶接を活かして就職される事例も増えています。
一方で、習得難度は他の溶接法と比較しても飛びぬけて難しい方法で、複雑で精密な動作が要求されますが、逆にいえば最も『人間の技能』が光る作業内容でもあります。難しくはありますが、訓練はステップを踏んで実施しますので、地道な練習を続ければ必ず習得できます。一緒に頑張りましょう。
2次元CAD作業【54時間】
製造業の場合、通常は設計者が作成した図面を読図して製作を行いますが、時に製作工程を考える上で、追加で製作者が作図する必要がある場面もあります。そのような場合、手描き製図でも良いのですが、現在ではCADを用いるのが通常なので、そのような場面でも対応できるようにCADの基本操作を習得します。
機械板金プレス作業【54時間】
滋賀県の場合には、製缶と並んで板金の企業も多いのですが、その違いは材料の板厚です。板金とは紙工作の材料が金属に変わったようなもので、一般に1.6mmより薄い金属板をプレスで曲げ加工して製品にしていきます。具体的には、一枚の紙を折ってサイコロを作るとき、紙を不均等な十字型に切ってから折って作るように、『折り曲げると完成形になる一枚板の形状』を想像して(展開作業)、その形で切断し、プレスで曲げて成型し、最後に部品同士をスポット溶接して接合して製品にしていきます。
※科目の内容は状況により変更になることがあります。
総訓練時間
- 662時間
※就職支援、行事等14H含む
受講要件
過去の実務経験
- 問いません。
事前に習得していることが望ましいスキル
- ただし、任意での取得となりますが、金属製品製造業への就職を見込む場合、『玉掛け技能講習』『床上操作式クレーン運転技能講習』『小型移動式クレーン運転技能講習』を受講し、修了証を取得しておくと、就職直後からクレーン等による金属材料や製品等の重量物運搬(荷役(にやく)作業)が担当できるため、採用面接で有利に働くことがあります。
各訓練科共通要件
- 希望訓練コース内容を充分理解し、自分の職歴等も加味して再就職を強く望んでいること。
- 受講することに強い意欲を有しており、全訓練日程を受講することができること。
※定員の関係上などで、応募いただいても必ず受講できるとは限りません。
※以下の(1)~(2)に該当する方は受講できません。
(1)公共職業訓練を受講修了後、1年以内の方
(2)過去1年以内に受講された公共職業訓練を正当な理由なく中途で辞められた方
必要な経費
受講料無料
- テキスト代 約9,000円
- 作業服(5,000~10,000円)
綿100%で長袖長ズボンのものをご準備ください。
前職で使用していたものでも、材質や袖が適合するならご使用いただいて構いません。 - 安全靴(3,000~8,000円)
つま先部に保護が入ったものをご準備ください。保護はプラスチックでも鉄でも構いません。
ただし、『静電気防止タイプ』は地面と導通し、『感電被害を大きくする』ので、当科の訓練では使用できません。 - 保護メガネ(100~1,000円)
透明タイプのものをご準備ください。ガス溶接用の色付きのものは、こちらから貸し出します。 - 防じんマスク(使い捨て(DS)10枚セット 約4,000円、フィルタ取替式(RL) 約3,000円)
使い捨て(DS)でも、フィルタ取替式(RL)でも構いませんが、捕集効率95%以上(2)をご準備ください。
作業服屋さん等で、「DS2」あるいは「RL2」の「防じんマスク」と言えば伝わります。
使い捨て(DS2)は2~3日に1度交換が必要になるので、フィルタ交換式(RL2)の方が経済的です。
受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種
当科で訓練を受講する前と、受講後の関連就職先としては以下のような例があります。
(前職) (受講後の職種)
飲食販売業 → 板金溶接工(機械部品製造)
配送ドライバー → 溶接工(精密機械、冷暖房機械部品加工、TIG、半自動)
飲食販売業 → TIG溶接工(包装機械部品の溶接加工)
調理師 → TIG溶接工(鉄道車両部品製造、機械板金部品の製造)
CADオペレータ → TIG溶接工(包装機械部品製造)
電話工事 → 溶接工(省力化機械部品の製造)
靴販売員 → TIG溶接工(電子はかり自動包装機などの製造)
訓練に関する職種と仕事内容
一般的な職種名
- 溶接工、製缶工、板金工、組立工
訓練により就職可能な仕事(職務)の内容
- 製缶工・溶接工(業種:金属製品製造業(いわゆる鉄工所))
鋼材(鉄板や鉄の棒)で骨組みを作って製品を製作していきます。
指示された図面を見ながら寸法を読み取り、その寸法に合わせて材料を切断し、穴あけや曲げ加工を施して、
最後に部品同士を溶接で組み立てて製品にしていきます。
『製缶』は字を一見すると缶詰の製造のようですが、実態はそれとは異なり、「ある程度厚みのある鉄板を加
工して金属製品を作る仕事」を指します。(※)
かつて溶接工は専門職でしたが、現在は人手不足によって、溶接工であっても製造における切断や穴あけ加工
など一貫した作業を担当するため、現在では『製缶工』と『溶接工』の職務差はほとんどありません。
また、鉄骨など建築分野の場合は、『製缶工』ではなく『組立工』と呼びます。こちらも分野の違いだけで、
職務内容に大きな違いはありません。
より詳しい溶接工の情報は『厚生労働省 職業情報サイト(job tag) 溶接工』 もご参照ください。
(※)「缶」という字は江戸時代ごろまでは、薬缶(やかん)、弁当缶のように金属製品全般を指し、当時は製
鋼技術等の制約で厚板よりも薄板が主流だったのですが、明治時代に板金という言葉が生まれて以降、加
工する鉄板の厚さで『製缶』と『板金」で言葉を使い分けるようになった背景があります。
その名残により現在は厚みのある鉄板を使った金属製品製作を『製缶』、薄板の場合を『板金』と言いま
す。
- 板金工(業種:機械板金製製造業)
主に薄い金属材料を扱い、レーザー切断機等で切断し、プレスで曲げ加工を施して部品を作り、それらを溶接等で組み立てて製品にしていきます。製品制度は、厳しい精密製品だと0.1mm単位の精度が必要になります。
板金製品の例としては自動車部品、厨房機器、電子機器カバーなどなどなど、上げたらキリがないほど多岐にわたります。
より詳しい板金工の情報は『厚生労働省 職業情報サイト(job tag) 金属プレス工』 もご参照ください。
- 修繕工(業種:設備保全業)
工場設備の修理・補修を行う職種です。ものづくりとは異なる補修の業種・職種ですが、当科で習得するガス切断やTIG溶接が関連するのでご紹介します。
工場が停止する大型連休(ゴールデンウィーク、お盆など)に作業が集中することが多く、さらには夜勤であったり、作業スペースは奥まった狭い場所であったり、無理な姿勢での作業が要求されたりなど、大変な面が多くあるため担い手不足が続いています。
その一方で仕事の単価は上昇しており、金属製品製造業と比べて1.5倍?2倍程度(月額30~45万程度)の収入を狙える場面もあります。さらには確かな技能を身につけて信頼を勝ち取り、経理事務や現場管理の知識まで習得して一人親方として独立すれば、それ以上の収入(年収1,000万以上)を狙うことも可能で、稼ぎという点では自身の努力次第という"夢のある業種"とも言えます。
具体的な就業業務の事例
『構造物・車両分野』
- ボイラー、冷凍機などの機械部品製造
- 住宅用建材(階段、柱)などの製造
- 建設機械部品の製造
- 鉄道車両部品の製造
『板金溶接分野』
- 電子はかり、自動計量器などの精密板金溶接
- 自動工作機械・省力化機械部品の製造
- 医療器械・美容機械の精密板金溶接
この職種、訓練に向いている人
- こだわりの強い人
溶接を始めとした金属加工の技能の究極は、「きれいに」「素早く」作ることです。ただ指示されたとおりに作るのではなく、どうすればより「きれい」に仕上げられるか、どうすればより「素早く」製作できるかという、常に最善手を考える必要があります。いわゆるマニュアル作業とは対極に位置する職種とも言えます。
- 社会の基盤を支える、社会から必要とされる仕事をしたい人
製缶作業によって作られる金属構造物から、板金作業によって作られる車や生活用品まで、実は日常にあるのが当たり前すぎて気付かないものを、この職種の従事者が作っています。逆に言えば、これらを作る人が居なければこの社会が成立しないとも言えるほどです。あまり気付かれることはありませんが、この職務に就けば、社会の根底を支える、この社会になくてはならない存在となれます。
- AIとの共生社会の到来で、仕事がなくなりそうで怖い人
溶接を始めとした各種の加工や、図面から製作工程を考える部分は、AIの補助はあっても、まだまだ人間が主体的に行う必要がある作業で、完全にAIに置き換えるのはまだまだ先(最短でもあと20年)だと言われます。これらは特に経験や、人間の感覚が絡む作業なので、習得には時間が掛かりますが、習得さえすれば、この社会において何にも置き換えることのできない貴重な人材となれます。まだAIに任せきりにできないので、これからAIとの共生社会となっていく中で、「人間技」として身に着けておくべき分野の一つと言えます。
就職率
- 91.7%(令和6年度実績)
修了者の主な就職先
- 株式会社佐藤医科器械製作所
- 日本熱源システム株式会社
- 株式会社オーケーエム
- 有限会社北川製作所
- 大正電機製造株式会社
- イワキ株式会社
- サガワ産業株式会社
- 株式会社ジャパン・コールド
賃金情報
- 月給 18~27万円
入社直後は担当できる仕事が少ないため安めですが、担当できる範囲を広げるにつれて給与を上げる会社が多いです。
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
製缶作業・板金作業、溶接による組立て作業の他、ロボット溶接機のオペレーター等応用的な職務を担当されています。
また前職で担当していた機械加工や整備のスキルに、溶接を加えて、元の職種に戻る方もいらっしゃいます。
詳しい活躍事例はポリテクセンター滋賀 利用者の声
もご参照ください。
(当科の前身となる溶接施工科修了生のものです。)
訓練修了時に取得できる資格
当科の訓練のうちそれぞれの法定時間を修了すると、以下の4つの資格が取得できます。↓
(ガス溶接技能講習の修了には、修了試験の合格も必要です。)
- 自由研削といしの取替え等の業務に係る特別教育:安全衛生法に基づく特別教育
- 粉じん作業特別教育
- アーク溶接等の業務に係る特別教育
特別教育の実施については、労働安全衛生法 第59条 第3項にて定められており、"危険または有害な業務"に就業する際に、事業主が実施しなければならない"特別の教育"で、特別教育実施規定に定められた規定科目を規定時間受講する必要があります。
"危険または有害な業務"は、労働安全衛生規則 第36条にて定められており、該当する作業の前には、『事業主の責務にて』それに対応する特別教育の受講が必要となります。
当施設では、訓練中の作業において、第1号の研削といしの取替えの業務(グラインダ作業)、第3号のアーク溶接・溶断の業務、第29号に粉じん作業が該当するため、訓練中にそれぞれの教育を実施します。
法定時間を修了すると、当施設様式の修了証を発行いたします。本来は入社後に再度、事業主の責務で特別教育を受ける必要がありますが、労働安全衛生法 第37条の規定により、事業主が当施設で受講した内容で十分と判断すれば、当該特別教育を省略することができます。
- ガス溶接技能講習(滋賀県労働局登録教習機関 滋第9号 有効期限 令和11年3月30日)
技能講習は、労働安全衛生法 第61条で定められている就業制限を受ける一定の業務には"都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者でなければ、当該業務に就かせてはならない"と定められており、就業制限に該当する業務は労働安全衛生法施行令 第20条にて定められています。
当施設で行う『鉄鋼材料のガス切断作業』は労働安全衛生法施行令 第20条の第10号に該当するため、当該訓練を行う前に『ガス溶接技能講習』を実施します。
当施設は、上記資格証名に後付けしているとおり滋賀県労働局へ登録教習機関の申請を行って認証を受けているため『ガス溶接技能講習』の実施が可能となっています。なお上に併記されている有効期限は、当施設の登録教習機関としての承認の有効期限で、明記の義務によって表記しているものであり、技能講習修了者の資格証の有効期限を示すものではありません。原則は資格証を所持していれば永年有効です。無効となるのは氏名の変更、紛失・損耗した場合で、その際は発行機関に問い合わせの上、既定の手続きにより再発行が必要となります。有効な資格証を所持しないまま作業をすると法第61条の3に違反するため、法令違反となります。
任意に取得する資格
溶接技能者評価試験(溶接技能適格性証明) (推奨種目なら1種目当たり15,000円程度)
業界では通称「JIS検定」と呼ばれるもので、溶接の技量を証明するものです。実施管理、運営は一般社団法人 日本溶接協会(JWES)が行っています。
『アーク溶接等の業務に係る特別教育』はあくまでも『溶接作業を安全に行える』というレベルで、技量が問われないのに対し、こちらは自身の持つ『技量』を示すことができます。試験内容は主に突合せ溶接で、材質や溶接法、板厚、姿勢などにより種目は100種類以上に渡ります。(初回受験時は基礎知識を問う学科試験もあります)
正確には『溶接技能適格性証明』という名称で、「この資格保有者は当該種目溶接の技量を保証する」という意味のものになりますが、業界では40年以上「JIS検定」という通称で通ってきたため、正式名称よりも「JIS検定の種目 〇〇-〇〇(SA-2FやTN-Fなど。詳細は後述)」という方が業界では圧倒的に伝わりやすいです。
当科の受講生で受験希望者は、入所期により、SA-2F(半自動アーク溶接 裏当て有り 中板 下向き突合せ溶接)、またはTN-F(ステンレスTIG溶接 裏当て無し 薄板下向き突合せ溶接)をおすすめしております。理由は、訓練の前半期に、この課題を参考にした訓練課題を設定しており、訓練での練習をそのまま試験へ繋げることができるからであり、位置づけとしては溶接工の登竜門といえる基本の詰まった資格種目であるからです。
なお、この試験は応募が受験の2ヶ月前、試験結果は受験後の2ヶ月後になるため、実際は資格取得をしてから企業面接へ挑むことは訓練機関の制約上叶いません。しかし、溶接関連企業での面接においては「受験する姿勢」が『本気で溶接を習得しようとしている』と評価されることも多く、結果が手元になくともプラスになります。登竜門的な位置づけであるため、採用をものすごく有利にするわけではありませんが、過去の受験者から「追い込むことによって訓練への取組により真剣みが持てた」という感想を受けるので、希望者へはご案内しています。
詳しくはこちらの『日本溶接協会(JWES) 溶接技術者』 のページをご覧ください。
就職後のスキルアップ
ここから先は"就職してからの話"になりますが、溶接ものづくり科を修了して就職後、さらに長くこの業界で活躍したい方にとっては大切な道筋ですので一部をご紹介いたします。
- 能力開発セミナーの溶接関連コースを受講
詳しくはこちらの『ポリテクセンター滋賀 在職者向け訓練(能力開発セミナー)』 のページをご覧ください。
- 溶接管理技術者(通称:WES)を取得
溶接技能適格性証明(JIS検定)が作業者の技量を問うのに対し、その作業者に指示をする側である施工管理者の資格がこちらになります。こちらも同様に一般社団法人 日本溶接協会が実施管理を行っています。業界では通称「WES○級」と呼ばれます。
溶接管理技術者(WES)の資格は、2級・1級・特別級の3区分があり、順当なステップアップであれば、まずは2級からの受験をおすすめします。試験は、溶接施工や材料、規格、力学などに関する筆記試験(学科)と、実務経験に基づく質疑応答を行う口述試験で構成されています。1級・2級については、所定の講習を修了することで口述試験が免除されるルートもありますが、特別級では口述試験の免除はなく、筆記・口述の両方に合格する必要があります。
就職後、最初は溶接や鉄工の作業者として経験を積み、そこから班長や工場長など、現場をまとめる立場に昇格していく際に、企業が取得を求めることの多い資格です。資格には有効期限(5年)があり、更新時には再認証審査(講習や試験)を受ける必要があります。
詳しくはこちらの『日本溶接協会(JWES) 溶接管理技術者』 のページをご覧ください。
注:学歴・経験等による受験条件有り
:全て日本溶接協会による認証資格
お問い合わせ先
訓練課 受講者係
TEL
077-537-1179
