信号機やエレベータ、エスカレータなどの動きを電気的に理解するには、電気回路図に関する一定の理解が必要です。
ここでは、電気の基礎理論や機械を電気的に動かす仕組みについての基本的な技能・技術を学びます。
電気保全サービス科(訓練期間6ヶ月)のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
電気保全サービス科では、食品や機械部品など様々の製造物の製造過程を自動化するために電気技術特有の考え方や電気機器の知識を基本として、自動機の組立てに必要な電気配線や回路プログラム作成(PLC)の技能を身につけます。また、工場等における機器装置類の新設や更新では、配電盤・制御盤等の改修作業及び電気工事作業が発生しますので、電気工事に関する知識や技能も併せて習得します。さらに、約1ヶ月間の企業実習により、製造現場や電気工事現場などの雰囲気を感じ、実際の仕事を経験できるカリキュラムで、実践的な技能・技術を習得することができます。
訓練全体(6ヶ月間)の目標人材像(訓練目標)
有接点シーケンス、PLC制御を通して、配線作業、制御プログラムの流れを理解し、生産工程における電気保全、電気機器配線組立ができる。
ケーブル工事や管工事による電気配線施工法を学び、一般住宅や工場などにおける電気設備の施工(電気工事)ができる。
(下記写真の訓練課題例参照)
訓練課題例
総訓練時間
- 661時間程度
1ヶ月ごとの訓練目標
1.リレーシーケンス制御
2.PLC制御
PLCとは、パソコンで作成したプログラムにより信号機やエスカレータなどを制御する装置です。
ここではPLCの取扱い方から、プログラミング法、PLCの装置への組込方などを学びます。
3.制御盤組立/その他
多くの機械装置には、操作のための操作盤や制御回路を組み込んだ操作盤・制御盤が必要です。
ここでは、これら盤の設計・制作に必要な技能・技術を学びます。
4.電気設備施工
一般住宅や商店などの電気工事に携わるには、基本的なスキルが求められます。
ここでは、屋内電気配線図の見方、工具や測定器、配線用機器の使い方、ケーブル工事や管工事などに関する基本的な技能・技術を学びます。
5.企業実習(現場体験)
電気関連企業において、ものづくりや電気工事の現場を体験します。
ここでは、企業における就労体験を通して、現場で必要な知識及び技能を確認し、現場力を高めます。
※企業実習期間の訓練時間は、実習先会社の就業規則により行われます。
(1日の時間:8時間程度、実習期間:17日間程度)
6.フォローアップ
企業実習(現場体験)で得た体験を振り返り、不足していると思われるスキルを補完します。
特に電気制御や電気工事に関連する部分で、就業との関わりに必要な知識や技能を追加して学びます。
受講要件
過去の経験
- 特に不要
事前に習得していることが望ましいスキル
- パソコンの起動・終了、文字入力などのキー入力操作程度ができる
- 電気理論の理解を助けるための基本的な算術計算(四則演算や分数計算など)ができる
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を強く希望している方
- 訓練を受講することに熱意を有している方
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有している方
- 訓練受講・修了に支障がないこと(健康状態・受講態度等)
受講料
無料です。
ただし、教科書代(約5,700円)、※1作業帽子・安全靴・作業服(約11,600円)、※2職業訓練生総合保険料(4,900円)については、実費負担となります。
※1作業服、安全靴等については、現在持っているもので当該科テクノインストラクターの了解を得られれば購入の必要はありません。
※2電気保全サービス科の入所者は、必ず職業訓練生総合保険へ加入していただきます。
受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
電気が未経験の方でも、下記のような電気と関連する職種に就職されています。
(前職) | → | (修了後の職種) |
製造 | → | 生産設備装置の組立 |
機械オペレーター | → | 食品製造装置の保守・メンテナンス |
営業 | → | 配電盤・制御盤製造 |
配送 | → | 電気設備の工事 |
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
制御盤・配電盤の組立て
電気技術者
電気工事士
電気作業者
電気制御技術を利用した仕事は、様々な形で存在しています。近年では生産システムの自動化に伴い、物を作るうえで人の手を使わずに行うことができます。製品を加工し、自動化するための自動化設備技術です。
設備の自動化はあらゆる製造現場で使われています。お菓子工場や半導体工場、自動車の部品製造工場など例に挙げればきりがありません。例として、お菓子工場での作業を考えてみます。お菓子工場では1つひとつ手作りで作っているところはほとんどありません。ベルトコンベア上に機械を使って生地が絞りだされ、各工程を行い短い時間で多くのお菓子を生産しています。 このように人の手に代わり製造機械が作業しているわけですが、製造機械の各工程をどのように動かすのか(配線、プログラミング)、工程制御の仕様変更、点検・修理作業等を行う仕事を受け持つことになります。
こんな方に向いています!
ものづくりについて興味があり、健康で体力に自信がある方におすすめです。性別は問いません。複数で作業をすることが多いため、他人とのコミュニケーションが重要です。
訓練により就職可能な主な仕事
機械・製造装置の組立て、製造業務
機械・製造装置の保守、メンテナンス業務
制御盤・設計製作業務
住宅や工場などにおける電気工事
求人票に記載されている職種名
電気技術者、制御盤及び受配電盤の組立・配線、シーケンス制御設計、電気工事士
就職後の仕事例(求人票より)
- 高圧・低圧配電盤の製造組立
- 図面を見ながらの制御盤(ロボット等を動作させる)の組み立て配線を行う作業
- 製作した半導体設備、測定機器等を目的に応じた働きをさせる制御設計
- 製造、産業用自動制御装置・制御盤の設計・製造・施工・シーケンサープログラミング
就職率
100%(2022年度電気保全サービス科1回終了分の実績値の平均)
修了生の主な就職先(直近3年間の実績)
- 株式会社古賀電機製作所
- 佐賀NOK株式会社
- 株式会社戸上デンソー
- 株式会社かわでん
- 中央警備保障株式会社
賃金情報
修了者の採用時の賃金(求人票より)
平均17万円から31万円
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
訓練を修了すると配電盤や制御盤の配線・組立作業の基本や電気工事に必要な基本的な技能を習得できていることから、この基本技能を活用して就職先企業での作業に関わり、経験を積んでいくことができます。
また、訓練では基本を重視していることから、実際の現場で必要なことを学び補完することで仕事が理解でき、作業も繰返し経験することで、新たな改善点が見え、作業効率や対象物の機能向上の工夫につながっていきます。
訓練修了時に取得できる資格
低圧電気取扱業務に係る特別教育
本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。
<対象業務>
1.低圧の充電電路の敷設もしくは修理の業務
2.配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧の電路のうち充電部分が露出している開閉器の捜査の業務
任意に取得できる資格
訓練期間中に受講者のみなさんが習得した技能を活かして、任意に受験して習得できる資格の一例です。
(ただし、合格を保証するものではありません。受験資格等詳細につきましては各実施機関へお問い合わせ下さい。)
第二種電気工事士(一般社団法人電気技術者試験センター)
電気工事士は従事できる電気工作物の範囲によって、資格が第一種と第二種に分かれています。第二種電気工事士は、暮らしに直結した家庭や商店の屋内外配線の電気工事を行うエキスパートであり、一般の住宅や商店で利用する小型の電動機や電気器具、照明等のための低電圧で比較的受電電力の小さい施設の電気工事に従事します。
技能検定電気機器組立て(シーケンス制御作業3級)(中央職業能力開発協会)
プログラマブルコントローラ(PLC)を使用した制御システムの設計及び製作を行って、シーケンス制御の技能が検定されます。3級合格後は直ちに2級の受検も可能になります。
技能検定電気機器組立て(配電盤・制御盤組立て作業3級)(中央職業能力開発協会)
電動機の運転回路の配線図を見ながら、制御盤に器具を取り付けたり、配線の正確さや綺麗さの技能が検定されます。3級合格後は直ちに2級の受検も可能になります。
機械保全技能検定 電気系保全作業3級((公)日本プラントメンテナンス協会)
就職後のスキルアップ
当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
ポリテクセンター佐賀(佐賀職業能力開発促進センター) 訓練課
TEL
0952-26-9516
FAX
0952-26-9494