電気設備施工科(訓練期間6ヶ月)のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
電気設備施工科では、建物の電気周りの施工(電気工事)作業で一般的なケーブル配線工事や管工事などの基本技能を柱として、火災報知機などの防災設備やエアコン設置工事などの設備工事の基本技能や電気関連特有の考え方を身につけて、受講者の皆さんが希望する仕事にスムーズに入っていけるよう訓練を行っています。そのため当科では、訓練修了時の目標人材像を2つ設定し、幅広い電気関連の仕事に対応できるようにしています。
訓練全体(6ヶ月間)の目標人材像(訓練目標)
- 電気設備図面が読め、電気工事作業の基本や電気設備工事の基本作業ができる。
- 防災設備や配電盤などの電気設備の施工や点検ができる。
(下記写真の訓練課題例参照)
訓練課題例
金属管工事作業実習風景
屋内配線工事実習風景
総訓練時間
- 663時間程度
1ヶ月ごとの訓練目標
1.電気設備工事1
電気工事を行う上では、色々な知識や技能が必要です。
ここでは、電気理論の基本や各種法律、配線図の読み方、工具の使い方などの電気工事に関する基礎的な技能・技術を学びます。
2.電気設備工事2
電気工事を行う建物に応じて、色々な工事方法があります。
ここでは、木造や鉄筋コンクリート造などの建物を想定して、ケーブル・金属管・合成樹脂管・金属線ぴ・リモコンなど各種工事について実習を通して学びます。
3.電気設備工事3
電気工事の総まとめとして、模擬家屋に電気工事を行います。現場に近い本格的な実習を通して、より実践的な技能・技術を学びます。また、電気図面を作成するために必要なCADの基本操作も学びます。
4.シーケンス制御
信号機やエスカレータ、エレベータなどはどのような仕組みで動いているのでしょうか。
ここでは、各種機械を電気で制御する仕組みを理解するために必要な技能・技術を学びます。
5.PC制御と防災設備工事
シーケンス制御の応用であるPLCを用いて、より高度な制御を学びます。また、後半では建物の火災の際に作動する自動火災報知設備についての施工に関する技能・技術を学びます。
6.空調機器工事と情報活用
一般住宅で利用されるエアコンや太陽光発電設備に関する施工・保守点検についての技能・技術を習得します。また、文書作成や表計算ソフトを学ぶことで電気工事に必要な申請書等を作成する際に必要な技術も学びます。
受講要件
過去の経験
- 特に不要
事前に習得していることが望ましいスキル
- CAD操作のためのパソコンの起動・終了、文字入力などのキー入力操作程度ができる。
- 電気理論の理解を助けるための基本的な算術計算(四則演算や分数計算など)ができる。
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を強く希望している方
- 訓練を受講することに熱意を有している方
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有している方
- 訓練受講・修了に支障がないこと(健康状態・受講態度等)
受講料
無料です。
ただし、教科書代(約7,800円)、作業服・安全靴(約11,600円)については実費負担となります。
※作業服、安全靴等については、現在持っているもので当該科テクノインストラクターの了解を得られれば購入の必要はありません。
受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
電気関係が未経験の方でも、下記のような電気と関連する職種に就職されています。
(前職) | → | (修了後の職種) |
介護士 | → | 電気工事 |
食品製造営業 | → | 消防設備工事 |
行政事務補助 | → | ビル管理 |
車のシート製造 | → | 電気工事 |
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
電気工事(屋内配線)
消防設備工事
ビル管理
空調設備工事
仕事内容
電気工事の仕事は電気配線図面に従って電気配線を行い、分電盤やコンセント・スイッチ、照明器具等を取付けて電気器具が使用できる状態にします。この電気工事は新築物件だけではなく、リニューアル工事やメンテナンス・修理なども含まれます。仕事内容は電線を接続やスイッチ等を取り付けるだけではなく、電線が通るための配管やダクトの施工など、建物の構造に応じた手法で工事を行います。そのため、炎天下や高所、天井裏・床下など様々な環境の下で仕事をすることになります。
電気は工事不良などがあると利用者が危険に晒される恐れがあります。そのため、電気工事作業者は最低限必要な資格を取得しておく必要があり、第二種電気工事士などの国家資格が用意されています。ただし、資格はあくまでも「作業の許可」であり、資格を取るだけでは仕事はできません。一番重要なのは現場経験を積むことです。現場で経験を積んでいくことで、将来的には現場で指揮をする立場や、施工管理技士と呼ばれる日程や資材、作業者の人数、積算等の様々な管理を行う仕事へとステップアップすることもできます。
こんな方に向いています!
電気設備工事について興味があり、手に職を付けたい方におすすめです。性別は問いませんが、体力は求められます。また、作業を進める上で同僚や他業種の方とのコミュニケーションが大変重要となるため、コミュニケーション能力の高い人材が好まれます。
訓練により就職可能な主な仕事
- 電気工事の業務
- 設備管理の業務
- ビル管理の業務
- 事務・営業の業務
- 製造・検査・販売の業務
求人票に記載されている職種名
電気工事士、現場作業員(電気工事業)、マンション電気工事スタッフ、電気工事・内線工事、技能職
就職後の仕事例(求人票より)
- 建設現場での電気工事作業
- 有資格者や上司の管理指導のもとにおいて、各種電気工事の作業及び設計作業
- 弱電、強電、照明、計装等の電気工事一式
- 制御盤の組配、機械周り工事等
- 木造住宅等の電気工事
- 屋内外配線、太陽光発電設備、受変電設備の電気工事
- 工場内配線工事、ビル等の内線工事
就職率
76.6%(2022年度電気設備施工科4回終了分実績値の平均)
修了生の主な就職先(過去3年間の実績)
- キュウセツAQUA株式会社
- 川浪電気工事株式会社
- 日本管財株式会社
- 正宝電気株式会社
- 株式会社古賀商事
- 大日通信工業株式会社
賃金情報
修了者の採用時の賃金(求人票より)
平均14万から45万円
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
訓練を修了すると屋内配線工事、消防設備工事、空調設備工事、有接点シーケンス制御の基本は習得できていることから、この基本技能を活用して、就職先企業で工場や一般住宅の配線などの電気設備工事に関わり経験を積んでいくことができます。
一口に電気設備工事業といっても、電気設備の設計・施工や保守管理などといった仕事の範囲や対象はそれぞれ異なりますが、電気設備工事業であれば、訓練で習得した技能等に経験によって磨きをかけていくことで、自らの判断で作業ができるようになっていきます。
また、資格については、訓練受講期間中に受験ができなくても、電気理論や施工方法、法令等の電気工事作業に不可欠な資格の内容を習得し、資格取得に必要な水準に到達しているため、受験に向けた勉強を自分で進めることで、取得の可能性がさらに高まりますし、またその資格をステップにして次の資格へのチャレンジにもつながっていくことでしょう。
訓練修了時に取得できる資格
高圧電気取扱業務に係る特別教育
本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。
<対象業務>
高圧もしくは特別高圧の充電電路もしくは当該充電電路の支持物の敷設、点検、修理もしくは操作の業務
低圧電気取扱業務に係る特別教育
本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。
<対象業務>
1.低圧の充電電路の敷設もしくは修理の業務
2.配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧の電路のうち充電部分が露出している開閉器の捜査の業務
任意に取得できる資格
訓練コースの分野に関連する資格の一例です。
(ただし、合格を保証するものではありません。受験資格等詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
第二種電気工事士(一般社団法人電気技術者試験センター)
電気工事士は従事できる電気工作物の範囲によって、第一種と第二種に分かれています。第二種電気工事士は、暮らしに直結した家庭や商店の屋内外配線の電気工事を行うエキスパートであり、一般の住宅や商店で利用する小型の電動機や電気器具、照明等のための低電圧で比較的受電電力の小さい施設の電気工事に従事します。
消防設備士(甲4、乙4、乙7)((一)消防試験研究センター各都道府県支部)
消火栓、消火器、火災報知機、救助袋、スプリンクラー等消防用設備等の設置、維持・管理をします。資格は甲種と乙種の2種類があり、取扱う設備によって、甲種が特類及び1~5類、乙種が1~7類に分けられています。但し、甲種の受験には一定の条件を満たしている必要があります。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施しています短期間の 在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料)) を受講したり、就職先の実務経験を活かして、国家資格である技能検定に挑戦するなど、さらにスキルを向上させることができます。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
ポリテクセンター佐賀(佐賀職業能力開発促進センター) 訓練課
TEL
0952-26-9516
FAX
0952-26-9494