大工用手工具と電動工具の取扱い、木材加工機械の使用方法等の訓練を行います。
併せて、木材の接合部分(仕口、継手)の加工と金物による補強方法などを通し、木造住宅の軸組み(骨組み)の全般知識を習得します。
住宅CAD・リフォーム科のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
木造住宅における軸組・内装・外装の施工作業(実習訓練)およびCADを使用した設計図面作成の技術(学科訓練)を学ぶことができます。建築関連業種への就職に向けた基礎を築くため、木造住宅に関する構造、法規、製図、申請、工事といった基本的な知識を習得することに重点を置いています。また、近年の建築業界のニーズに対応するため、住宅の確認申請、3Dシミュレーションに関連する訓練を行っています。
訓練全体(6ヶ月間)の目標人材像(訓練目標)
- 木造住宅の構造部材、内装の施工ができる。
- 木造住宅の構造、法規、各種申請について理解し、図面作成ができる。
(下記写真の訓練課題例参照)
訓練課題例
総訓練時間
- 670時間
1ヶ月ごとの訓練によって習得する具体的な内容を以下に整理しました。一つの目安として参考にしてください。
訓練到達目標
1.「大工工事基本作業」
2.「木工事組立作業」
のこぎり、のみ等を用い加工した木材で実際に家を建てていきます。
土台、柱、壁、屋根等の骨組みを施工することで、建物の隠された部分の仕組みや納まりについての知識と技術を取得します。
※実習場の広さ、高さの関係で建物の高さや大きさは小さくしてありますが、接合部・使用部材は実際の建物と同じです。
3.「内装・外装施工」
住宅の内装作業において、まず和室の内装を施工し、後に洋室へのリフォームを行います。
外装施工においてはサッシの取付や雨漏防止の基礎知識、サイディングと呼ばれる外壁の施工を行います。
これらを通して住宅施工の基本技術や関連知識を習得します。
4.「住宅構造・法規と申請業務(木造)」
木造、鉄骨、コンクリート等建築物の基礎知識を全般的に学びます。
さらに木造を中心とした骨組みの構造知識を深めます。
建築物にかかる法規に関する知識や、確認申請と呼ばれる書類作成の手法を演習を通して習得します。
※確認申請とは、これから建てようとしている建築物が、法律に適合するものであるかの審査を受けることです。
5.「建築CAD」
はじめに製図用シャープペンシル、三角定規、製図板を用いた手書き製図を行い、建築物を図面として表現する方法や建築製図におけるルールについて学びます。次に建築CADの操作方法および各種建築図面の作成手法を習得します。
6.「建築3次元シミュレーション」
建築3次元シミュレーションでは建築プレゼンテーションソフトを用いて、戸建住宅データの作成(間取り、階高、屋根形状、仕上げ材の入力)を行い、外観や内観イメージの作成を行います。また照明、外壁材・屋根仕上げ材のシミュレーション手法を習得します。
受講要件
過去の経験
- 特に不要
事前に習得していることが望ましいスキル
- 文書作成や図面作成にパソコンを使用しますので、パソコンの操作経験(パソコンの起動および終了、キーボードを用いた文字入力、マウスを使用したファイルやフォルダの操作)をお持ちであれば、さらに訓練効果が期待できます。
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を希望している方
- 訓練を受講することに熱意を有している方
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有している方
- 訓練受講・修了に支障がないこと(健康状態・受講態度等)
※受講希望者が多数の場合、上記の条件を満たしていても受講できないことがあります。
受講料
無料です。ただし、教科書代については、実費負担となります。
作業服、安全帽も必要となりますが、お手持ちのものがあれば購入の必要はありません。
受講者の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
製造現場作業が未経験の方でも、下記のような製造業と関連する職種に就職されています。
(前職) (修了後の職種)
光回線営業 → 住宅リフォーム営業
役所の事務補助 → 建築土木業のCADオペレーター
飲食店店長 → インテリアコーディネーター
システムエンジニア → 資材のプレカット・CAD入力
アパレル販売 → 木材加工・家具製造
給食調理 → 住宅施工管理
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
大工、内装工、住宅施工、インテリアコーディネーター、家具製造、木工職人、CADオペレーター、住宅営業
関連する主な仕事
木造建築工事で軸組材の墨付け加工をはじめ、工事現場での組立・内装・外装作業など幅広い仕事があります。近年は合理化手法として、プレカットや金物接合工法が普及し、以前ほど手加工は広く用いられなくなりました。その反面、施工者の技量が課題となり、建物全体の仕上がり度に影響することもあります。訓練施設で基本的な技能技術を習得し、さらに就職先事業所での仕事を通して、業務に見合った現場対応ができます。
新築工事は減少傾向ですが、リフォームを主体業務とした事業所が増えてきています。内装改修や外装改修訓練はリフォームを対象としており、習得した基礎的技能・技術をもとに関連職種にも就職することができます。
建築職種との相性(こんな方に向いています)
「ものづくり」に興味があり、じっくり忍耐強く仕上がりを重視した作業ができる方。手がけたものが形に残るやりがいのある仕事に興味のある方。受講生どうしでお互いを思いやり、協力して訓練に取り組むことのできる方。性別は問いません。
訓練により就職可能な主な仕事
- 一般木造住宅の新築、増改築・リフォーム工事
- 住宅の基礎工事に伴う型枠施工
- 建具、陳列台、ショーケース等の木工製品の加工・組立・仕上げ
- 特注(注文)家具の製作
- メーカーの製品図に基づき木工機械を使用しての各種木型の製作
- 木造住宅の営業
- 一般木造住宅の現場管理
求人票に記載されている職種名
- 現場管理者
- 建築現場管理・設計・現場工事管理・住宅営業
- 内装業
- 住宅リフォームスタッフ
- 住宅アドバイザー
- 大工
- CADオペレーター
- 木工、家具
就職率
71.8%(住宅CAD・リフォーム科 令和5年度 修了分 実績値)
修了者の主な就職先
- (株)タツミ
- (株)スタイルハウス
- (有)一代工務店
- (有)奈良工房
- (株)ホーメックス
- (株)大湊文吉商店
- (株)山六木材
- ハーバーハウス(株)
- (株)長北工務店
- (株)ダイユー
- (株)ハンズワタベ
- 新潟センチュリー
- 住友不動産(株)
(順不同 敬称略)
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
訓練を修了すると、施工面では、おもな手工具の取り扱い・研磨ができ、習得した木造建築の加工や組立の手順を生かすことができます。また、パソコンを利用した文書管理をはじめ、CADでの図面作成ができます。前職(建築関連)の経験を生かして個人や共同で工務店やリフォーム業を起業し、活躍している修了生もいます。
修了時に取得できる資格
足場の組立て等の業務にかかる特別教育修了証
携帯用丸のこ盤作業従事者安全教育
任意に取得できる資格
訓練期間中に受講者の皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格の一例です。
(※ただし、合格を保証するものではありません。詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
DIYアドバイザー(一般社団法人 日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会)
DIYアドバイザーは、DIYer(住まいの補修、改善を自分の手で行う人たち)に対し、各ニーズに応じたDIY用品の選択やDIYの作業方法について相談にのるとともに、安全確保及び法規制等への対応に必要な指導助言を行う役割を担っています。
DIYアドバイザー資格試験制度は、昭和58年度に発足し、これまでに17,620名の方が資格を取得されています。DIYアドバイザーへの期待と要請が高まるに従って、今後一層、地域でのDIYのための施設が整備拡充され、その活動の場もひろがっていくものと予想されます。
福祉住環境コーディネーター検定試験(東京商工会議所)
福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障がい者に対し、できるだけ自立しいきいきと生活できる住環境を提案するアドバイザーです。医療・福祉・建築について体系的に幅広い知識を身に付け、各種の専門家と連携をとりながらクライアントに適切な住宅改修プランを提示します。わが国は世界でも類を見ない速さで超高齢社会に突入しており、あらゆる業界において高齢者を意識したビジネスに大きくシフトしつつあります。このような状況の中、医療・福祉・建築について総合的な知識を身に付けている福祉住環境コーディネーターへの社会的ニーズは確実に高まっています。
技能検定(建築大工職種)(中央職業能力開発協会)
技能検定は、「働く人々の有する技能を一定の基準により検定し、国として証明する国家検定制度」です。技能検定は、技能に対する社会一般の評価を高め、働く人々の技能と地位の向上を図ることを目的として、職業能力開発促進法に基づき実施されています。
技能検定は昭和34年に実施されて以来、年々内容の充実を図り、平成29年10月現在128職種について実施されています。技能検定の合格者は平成28年度までに632万人を超え、確かな技能の証として各職場において高く評価されています。
建築CAD検定試験(全国建築CAD連盟)
CADの資格試験というと、概ね機械系CADと想像される方が多いでしょうが、この「建築CAD検定試験」は、文字通り建築用図面を「CAD」を使って描く技量を測るもので、1993年に誕生した日本初の建築CADの資格試験です。等級は準1級・2級・3級・4級で構成され、社会から求められる「実践型の実技試験」という点が大きな特徴です。試験内容は、準1級はCADの経験に加え、図面完成までの「スピード」と「感性」が問われ、社会での即戦力として認定されるレベルとなっています。2・3・4級は「一定の建築知識をもとに、与えられた条件のもと、建築一般図を完成させる」CADエキスパートとして認定されます。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施しています短期間の 在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料)) を受講したり、就職先の実務経験を活かして、国家資格に挑戦するなど、さらにスキルを向上させることができます。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
ポリテクセンター新潟 【訓練課受講者係】
TEL
0258-33-2733
FAX
0258-33-2422