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機械系



学科の特徴

「ものづくり」の知識や技術・技能を身につけるためには、学生のうちから幅広い体験・学習をすることが大切になります。
生産機械技術科・生産機械システム技術科では、単に「設計だけすればよい」または「加工だけすればよい」ではなく、企画・構想から、設計・加工・組立・検査、そして評価までの一連のものづくりについて学びます。
その中で自分が興味のあるものや得意なものを見つけます。そして、その分野について知識・技術・技能を深めることにより、就職に結びつけていきます。
自分達で設計したものを自分たちで作る、そして検査・評価までも自分たちで行う。その上で先生や企業の方に評価してもらう。この経験が他では身につけられない総合的なものづくり力を養います。

1・2年次 専門課程 生産機械技術科

生産機械技術科は、機械工学の基礎理論をベースとして、金属製品やプラスチック製品などを作るための設計技術や加工技術を学び、「ものづくり」で活躍できるエンジニアの育成を目指します。
講義や実験で学んだ理論をもとに自らが設計したものを制作し評価まで行うことにより、他の大学では習得が難しい技術力・技能力を身につけることができます。

3・4年次 応用課程 生産機械システム技術科

生産機械システム技術科は、製品開発や生産ラインの自動化を例に、必要とされる設計・加工・制御技術などを応用できる力を養い、身近な機械装置や工場内の機械設備など幅広いシステムを開発できるエンジニアの育成を目指します。
また、グループ実習で企画・設計・製作・製品評価を行うことにより、生産現場を意識しながら課題に取組めるカリキュラム構成になっています。学生がチームで課題に取り組むグループ学習を通して、コミュニケーション能力などのヒューマンスキルを身に付け、生産技術、生産管理部門のリーダーとして活躍できる実践技術を学びます。

学びの柱
設計 

機械設計に必要な機械要素、メカニズム、力学、設計図面の決まりなどの知識、CAD(設計・製図ソフト)を使用して構想を具体化できる設計手法を実践的な課題を通じて学びます。
加工

さまざまな製品加工に対応できる適切な機械、工具及び加工条件の選定方法を学び、さらにその機械を使いこなす技能を磨きます。CAD/CAMや3Dプリンターを用いて製品加工法や試作法も学びます。
制御 

油空圧や電気の理論を基本とした制御技術の知識を基にして、生産現場のオートメーション加工システムなどに必要な自動化技術を学びます。
検査・測定 

金属の強度検査などの材料試験や製品の精度検査において、各種測定機器を正確に使用できる技術・技能はもちろんのこと、材料及び製品の評価や品質管理に関わる知識も学びます。

授業紹介・製作例

授業内容

機械設計分野
専門課程(1・2年次)
メカニズム、機械工学実験
機械設計製図、CAD実習
応用課程(3・4年次)
精密機器設計、製品材料設計
CAD設計応用実習、CAE実習

加工・検査分野
専門課程(1・2年次)
精密測定、機械加工
数値制御、機械製作実習
応用課程(3・4年次)
CAD/CAM応用実習、精密機器製作課題実習
自動化機器製作課題実習、開発課題実習

制御分野
専門課程(1・2年次)
機械制御、油空圧制御
電気電子工学実験、シーケンス制御実習
応用課程(3・4年次)
センシング応用実習、ロボット工学実習
電気・電子機器実習、自動化機器応用実習

総合制作実習<例>

雪上車椅子の製作
雪上でも走行ができる車椅子の設計・製作です。操作盤(リ モコン)を使って走行すること ができます。

電気機関車の製作
電車の設計・製作です。大人が10人ほど乗っても安全に走行ができます。線路も製作して います。

標準課題実習<例>

標準課題実習I(精密機器製作課題実習):
旋回機能付きベルトコンベアの製作

上部のベルトコンベア部分が90°旋回する機能を持った装置の製作をグループ(1グループ5名程度)で行います。役割分担やスケジュール管理も学生自身で行います。

標準課題実習II(自動機器製作課題実習):
検査ワーク搬入・搬出システムの設計・製作

指定された仕様を満たす装置をグループ設計します。設計した後に自分たちで製作・制御も行います。
写真の装置は、検査装置へワーク(検査品)を搬入するものです。

授業カリキュラム

1年(1年次)

基礎学科 機械数学
コンピュータ基礎
工業物理
工業力学I・II
材料力学I
工業材料I・II
機械工学概論
基礎製図・機械製図
安全衛生工学
基礎実技 基礎工学実験
専攻学科 機械工作
機械加工
数値制御
シーケンス制御
※1年次には、機械加工や設計製図に必要な基礎知識を学科で学び、実際の作業ついては、実技を通して一から身に付けます。実技の時間が多いことから、実作業と学科で学んだ知識がどのように関連しているかもわかりやすいです。
専攻実技 測定実習
機械加工実習
CAD 実習I・II
シーケンス制御実習I
機械製作実習

2年(2年次)

基礎学科 工業材料II
材料力学II
熱流体力学
機械制御
電気工学概論
品質管理
※2年次は、より実践的な知識と実技を学びます。特に「総合制作」では、2年間の集大成として数名のグループで1つの製品を作り出します。
基礎実技 情報処理実習
機械工学実験
電気・電子工学実験
専攻学科 メカニズム
精密測定
電子工学概論
機械設計製図
機械要素設計
油圧・空圧制御
数値制御加工I・II
専攻実技 機械工作実習
機械設計製図実習
数値制御加工実習I・II
生産企画実習
CAD/CAM 実習
機械加工実験
シーケンス制御実習II
総合制作実習

3年(1年次)

基礎学科 1年次には、専門課程で学んだことを応用しながら、特に設計に必要な知識を深めていきます。標準課題実習(精密機器製作課題実習・自動化機器製作課題実習)では学んだ知識を活かして、設計・製作を行います。
基礎実技
専攻学科 工業技術英語
生産管理
品質管理
経営管理
工業法規
製品材料設計
精密機器設計
自動化機器設計
精密加工応用
自動化機器
安全衛生管理
ロボット工学
職業能力開発体系論
専攻実技 情報機器実習
CAD設計応用実習
CAD/CAM応用実習
CAE実習
精密加工応用実習
自動化機器応用実習
精密機器製作課題実習
自動化機器製作課題実習
ロボット工学実習
ロボット機器製作課題実習(機械)
ロボット機器運用課題実習(機械)

4年(2年次)

基礎学科 2年次には、主に機械・電気・電子情報の3科で連携して開発課題実習(精密機器設計製作課題実習I、II、III)で新しい機械装置の開発に取り組みます。
基礎実技
専攻学科 創造的開発技法
生涯職業能力開発体系論
センシング
計測制御
生産情報処理
専攻実技 電気・電子機器実習
CAD設計応用実習
計測制御応用実習
センシング応用実習
生産自動化システム実習
生産情報処理実習
応用 開発課題実習
ロボットシステム運用構築課題実習

教員紹介

生産技術科

長谷川 宏幸(HASEGAWA Hiroyuki)職業能力開発教授
主な担当科目:
材料力学、機械要素設計、精密測定
専門分野・研究開発テーマ:
溶接、塑性加工
資格等:
溶接管理技術者1級、ガス溶接作業主任者、エックス線作業主任者、特定化学物質・四アルキル鉛等作業主任者


広瀬 直俊(HIROSE Naotoshi)職業能力開発准教授
主な担当科目:
工業材料、品質管理、測定実習、シーケンス制御実習Ⅰ・Ⅱ
専門分野・研究開発テーマ:
機械設計、品質管理
資格等:
工学修士、職業訓練指導員免許(機械)、一級技能士(機械製図CAD、フライス盤)、危険物取扱者(乙種4類)、実践教育訓練学会会員


安倍 貴博(ANBAI Takahiro)職業訓練指導員
主な担当科目:
機械制御、機械加工実験、電気電子工学実験、情報処理実習、CAD実習Ⅱ、CAD/CAM実習
専門分野・研究開発テーマ:
機械加工、工学教育
資格等:
職業訓練指導員免許、一級技能士(普通旋盤)


幾瀬 高志(IKUSE Takashi)職業訓練指導員
主な担当科目:
測定実習、機械製図、メカニズム
専門分野・研究開発テーマ:
測定、機械加工
資格等:
職業訓練指導員免許


吉本 広平(YOSHIMOTO Kohei)職業訓練指導員
主な担当科目:
基礎製図、機械製図、機械加工、数値制御加工実習
専門分野・研究開発テーマ:
機械加工、検査・保全
資格等:
職業訓練指導員免許、一級技能士(普通旋盤、機械検査)


生産機械システム技術科

江守 真(EMORI Makoto)職業能力開発教授
主な担当科目:
自動化機器、自動化機器設計、センシング、生産自動化システム実習
専門分野・研究開発テーマ:
機械保全、機械加工
資格等:
特級技能士(機械保全)、一級技能士(普通旋盤、フライス盤、機械検査)
第二種電気工事士


横山 真樹(YOKOYAMA Masaki)職業能力開発教授
主な担当科目:
機械加工応用実習、製品材料設計、CAD/CAM応用実習
専門分野・研究開発テーマ:
溶接、機械加工、機械保全
資格等:
IIW国際溶接技術者(IWT)、溶接管理技術者1級、2次元CAD利用技術者試験1級
特級技能士(機械保全)一級技能士(機械製図CAD)


稲木 謙嗣(INAKI Noritsugu)職業能力開発教授
主な担当科目:
精密機器設計、品質管理、精密加工応用実習、生産自動化システム実習
専門分野・研究開発テーマ:
機械加工
資格等:
特級技能士(機械加工)、一級技能士(普通旋盤、フライス盤
数値制御旋盤、機械保全)、第二種電気工事士、品質管理検定2級


木村 寛路(KIMURA Hiromichi)職業能力開発教授
主な担当科目:
精密加工応用、品質管理、CAD/CAM応用実習
専門分野・研究開発テーマ:
仕上げ、機械加工
資格等:
特級技能士(仕上げ、機械加工)、一級技能士(機械組立仕上げ、普通旋盤、機械製図CAD)、品質管理検定2級、ものづくりマイスター(仕上げ、機械加工)


安井 雄祐(YASUI Yusuke)職業能力開発准教授
主な担当科目:
計測制御応用実習、センシング、センシング応用実習、ロボット工学、ロボット工学実習
専門分野・研究開発テーマ:
機械設計、制御
資格等:
技術士(機械部門)、一級技能士(普通旋盤、フライス盤)、第三種電気主任技術者、第二種電気工事士、応用情報技術者



在校生・教員・卒業生の声

在校生&教員Voice

自分の武器になると信じて
佐々木 優哉さん
機械系2年次

 工業高校を卒業し、機械についてさらに深く学びたいと思い能開大へ進学しました。工作機械を使って実際にモノを作る際も、目標の寸法に合わせたり、実習を経て機械加工が得意になりました。 SOLIDWORKS や3DCAD なども、高校の時よりも深く理解することができました。能開大で学ぶ実践的なモノづくりは、自分の武器になると思います。
経験は一つも無駄じゃない
磯野 航さん
機械系3年次

 3DCADやNC旋盤、シーケンス制御や機械力学など、工業系の知識を学んでいます。「やりたい!」と思うことを実現できる技術者になるために、勉強と実践を重ね、成功と失敗も大切な経験だと思い、チャレンジを続けていきたいです。能開大ではさまざまな経験ができるからこそ、一つも無駄にしてはいけないと思います。


ものづくりの楽しさを感じられる
長谷川 宏幸
職業能力開発教授

 機械エンジニアは、ものづくりの様々な分野で活躍しています。機械系では、そんな機械エンジニアに求められる人材を育成しています。ものづくりに必要な様々な技術を学び、自らのアイデアを形にします。その中で問題に直面する場面もありますが、学んだ技術でそれらを乗り越え製品が完成した時の感動は、ものづくりの醍醐味ですよ。




卒業生Voice

実践的な学びが業務に役立つ
靍 恭介さん
2019年生産機械システム技術科
勤務先 株式会社ダイナックス

 高校で進路を決める際、先生に勧められたのがきっかけで能開大に進学し、機械加工、プログラミング、製図といった、設計から加工までの実践的なことを学びました。卒業制作では、学校生活において最初で最後の、機械・電子情報・電気の3 科合同課題に取り組み、トラブルを乗り越えて自分たちの力だけで一から”ものづくり”をするという大きな経験を得ました。寮生でしたので、仲間と部屋に集まったり、課題を助け合ったりと、寮生活も貴重で楽しい時間となり、とにかく加工設備が充実している能開大は、他では経験できないほどの“ものづくり環境”だったと改めて思います。現在は、技術者として、主に開発中の製品に関する試験を行っています。試験機に対象の試作品を取り付け、特性を取得するという業務で、能開大で学んだ“実践的な工具の扱い方、計測機器の扱い方”が役立ち、入社以来ケガ無く作業を行えています。将来「ものづくりをやってみたい」と思うなら、実作業の経験を積める能開大をお勧めします。



技術者としてのベースが身につきます
山下 靖隆さん
2002年生産機械システム技術科
勤務先 株式会社光合金製作所

 工作機械を扱うような仕事に就きたいと思っていたので、やりたいこととマッチしているカリキュラムを知り、北海道能開大を選択しました。在学中は工作機械に触れることが多く、試行錯誤を重ねて部品を完成できるようになった時の達成感はよく覚えています。他にも、金属加工実習に力を入れて取り組みました。
 現在は製品設計や製作、実験などの業務を担当していますが、学生時代に学んだ基礎知識や操作技術などが技術者としてのベースになっていると実感しますね。能開大は、機械工作の実習が多く設備が充実しているのはもちろんですが、技能士資格の取得などサポート体制も整っています。「ものづくり」の面白さを身をもって経験できるとても良い環境がありますよ。



失敗と試行錯誤のその先にあるもの
内海 秀哉さん
2003年生産機械システム技術科
勤務先 株式会社中予精工 北海道工場 工場長

 当初、経済的な面から進学は難しいと考えていましたが、友人からの薦めと幼い頃から興味があった機械に触れ、そしてものづくりができるという魅力から能開大に進学することにしました。機械製図実習や機械加工実習などの授業により、必要な専門的知識・技術が身に付きました。ぎりぎりまで失敗と試行錯誤を繰り返した末、見事結果を出すことに成功したスターリングエンジンの卒業研究制作の経験は、忘れられない興奮と感動を与えてくれ、今就いている仕事にも大いに活きています。限られた時間の中で中身の濃い授業・実習を経験できるので、ものづくりに興味がある人は能開大がおすすめです。


全力で学び、楽しんだ4年間で得たもの
谷川 倫彦さん
2009年生産機械システム技術科
勤務先 北海道住電精密株式会社

 私は超硬工具を生産するメーカーで新製品開発の評価や社内での性能確認評価、ユーザー様との相談など多岐に渡る業務を行っています。北海道能開大のカリキュラムはとにかく学ぶことがたくさん。忙しい毎日の中、図面の見方や書き方、工作機械の使用など今の仕事に役立つことを多く学べました。北海道能開大では勉強も遊びも全力。あっという間の4年間でした。



主な就職実績

令和5年度

  • 北海道旅客鉄道(株)
  • 大成設備(株)
  • (株)北海道日立
  • エス・イー・シーエレベータ(株)
  • 東洋熱工業(株)
  • 寿産業(株)
  • 新栄クリエイト(株)
  • 新栄プラント(株)
  • (株)ダイナックス
  • 日鉄テックスエンジ(株)
  • (株)京進機工
  • (株)マイスターエンジニアリング
  • (株)ネクスコエンジニアリング東北
  • (株)ジェイエスキューブ
  • (株)サイバーコム

令和4年度

  • 寿産業(株)
  • (株)トリパス
  • ニシオティーアンドエム(株)
  • (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構
  • 理研興業(株)
  • (株)ジェイエスキューブ
  • (株)ダイナックス
  • ダイキン工業(株)
  • 北海道住電精密(株)
  • 函館どつく(株)
  • (株)ユニシス
  • ムラテックCCS(株)
  • (株)牧野技術サービス
  • ヤンマーアグリジャパン(株)北海道支社

令和3年度

  • (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構
  • (株)トップエンジニアリング
  • (株)日星電機
  • 北海道旅客鉄道(株)
  • (株)京進機工
  • 日鉄テックスエンジ(株)
  • 北海道住電精密(株)
  • 旭イノベックス(株)
  • ヤンマーアグリジャパン(株)北海道支社
  • 北興化工機(株)
  • 日軽北海道(株)

取得可能な資格

(例)

  • 技能検定(普通旋盤作業2級、フライス盤作業2級、機械製図CAD作業2級、機械保全作業2級)
 ※技能検定は要件を満たすと学科試験が免除となります。
  • 品質管理検定、機械設計技術者試験、技能士補