金属加工科
- 鉄骨などの構造物製作等に必要な各種溶接作業(被覆アーク・炭酸ガス・TIG)の知識及び技能・技術を習得します。
- ロッカーや本棚等の板金工作に必要な板金の知識・技能・技術及び各種構造物運搬作業(天井クレーン・小型移動式クレーン)に必要な資格を習得します。
開講月
- 7か月コース(ビジネススキル講習付き 募集5名):6月、12月
- 6か月コース(本訓練のみ 募集12名):7月、1月
※)6か月コースの募集人数は、7か月コースの受講者数により変動があります。
本訓練(6か月間)の内容
1.製図基本・工作基本など
実施時期は7月または1月
- 図面を見るための製図の知識を習得
- 金属の加工するための工具の使用方法を習得
- ボール盤やシャーリングなどの機械の取扱い方法を習得
- 鋼材の切断などに使用する可燃性ガスと酸素を取扱う際に必要な資格を取得
- グラインダー作業の時に使用するといしの交換に必要な資格を取得
専門用語解説
- ボール盤…鉄板にドリルを使って穴をあける機械です。電動ドリルの大きいものと思ってください。
- シャーリング…鉄板を切断する機械です。手作業よりも多くの材料を精度よく素早く切断をすることができます。
2.板金展開、箱曲げ加工など
実施時期は8月または2月
- 板金製品を製作するために必要な展開図の知識・技能を習得
- 展開図をもとに、シャーリングやコーナーシャーといった機械を使って材料を精度よく切断する技能を習得
- 板金の曲げ加工をするプレスブレーキ(ベンダー)の取扱い方法を習得
- 精度ある製品の作成を通して板金作業の奥深さを知る
専門用語解説
- 展開図…板金製品の曲がる前の図の事です。これがないと製品ができません。
- プレスブレーキ…鉄板を綺麗に曲げる機械です。紙とは違い、金属の板を綺麗に人力で曲げるのは大変なんです。
3.クレーンの資格
実施時期は9月または3月
- 完成した製品を納品するためにトラックに載せる際に役に立つ「小型移動式クレーン」の資格を取得
- フォークリフトの資格を取得
4.TIG溶接
実施時期は10月または4月
- ステンレスやアルミの溶接をするために必要なTIG溶接の知識、技術を習得
(溶接する金属がステンレスやアルミなどの場合にTIG溶接を使うと綺麗な溶接ができます。)
専門用語解説
- TIG溶接…溶接中にいわゆるバチバチといった火花のようなものが発生しないので、ステンレスのような表面が綺麗な金属の溶接に適しています。ただし、炭酸ガスアーク溶接に比べると、作業の時間が長くなり、作業に必要な資材などの価格が高くなります。
5.炭酸ガスアーク溶接
実施時期は11月または5月
- 工場内で溶接作業をする際によく使われている炭酸ガスアーク溶接の知識と技能を習得
専門用語解説
- 炭酸ガスアーク溶接…溶接で溶けた鉄が空気中の酸素と反応して酸化鉄(錆)にならないようにするためのシールドガスとして炭酸ガスを使用する溶接方法です。風で炭酸ガスが吹き飛ばされてしまうので屋外ではあまり使われませんが、早く楽に溶接が出来るので工場内ではよく使われています。
6.被覆アーク溶接
実施時期は12月または6月
- アーク溶接をするために必要な資格を取得
- 屋外作業などでよく使われている被覆アーク溶接の技術を取得
専門用語解説
- 被覆アーク溶接…アーク溶接の中でも一番昔から行われている溶接方法です。溶接機の値段が他のアーク溶接法に比べると安いのと、屋外での溶接作業も行えるので、現場作業での溶接に広く使われています。また、溶接工以外の職種でも幅広く使用されています。
訓練受講に必要な費用
- 教科書・作業帽・名札の代金として約17,000円が必要となります。
ただし、教科書改訂等により、金額が変わる場合があります。 - 任意で受験する、各種資格試験の受験料は、自己負担となります。
- 作業服、安全靴等は、当該科が指定するものを準備していただくことになります。
なお、安全靴及び防塵マスクは、当センターが斡旋するものを購入することもできます。
訓練受講により取得できる資格
ガス溶接技能講修了証
ガス溶接等の業務は、労働安全衛生法第61条によって法令で定める資格を有する者でなければ就業してはならないこととされております。
当センターは都道府県労働局長の登録を受けた教習機関となっており、講習修了者に対してガス溶接技能講習修了証(北海道道労働局長登録教習機関北労安教第55号 有効期間満了日:2029年3月30日)が当訓練センター長名で交付されます。
小型移動式クレーン運転技能講習修了証
つり上げ荷重1トン以上5トン未満の移動式クレーンの運転の業務は、労働安全衛生法第61条によって法令で定める資格を有するものでなければ就業してはならないこととされております。
当センターは都道府県労働局長の登録を受けた教習機関となっており、訓練修了者に対して小型移動式クレーン運転技能講習修了証(北海道労働局長登録教習機関北労安教第464号 有効期間満了日:2028年9月12日)が当訓練センター長名で交付されます。
フォークリフト運転技能講習修了者証
最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転業務は、労働安全衛生法第61条によって法令で定める資格を有する者でなければ就業してはならないこととされております。
当センターでは、都道府県労働局長の登録を受けた教習機関となっており、講習修了者に対してフォークリフト運転技能講習修了証(北海道労働局長登録教習機関北労安教第468号 有効期間満了日:2025年8月25日)が当訓練センター長名で交付されます。
アーク溶接等の業務に係る特別教育修了証
労働安全衛生法第59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で、アーク溶接等の業務に労働者を就かせるときは、事業者が「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための特別の教育が義務付けられています。
本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当訓練センター長名で交付されます。
研削といしの取替え等の業務に係る特別教育修了証
労働安全衛生法第59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で、研削といしの取替え、取替え時の試運転業務等を行なう業務に労働者を就かせるときは、事業者が「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための特別の教育が義務付けられています。
本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当訓練センター長名で交付されます。
任意受験の資格
溶接技能者評価試験(社団法人 日本溶接協会)
溶接技能者には、溶接に関する基礎知識の習得と溶接技量の向上が求められます。学科試験及び実技試験によって評価され、合格した者に与えられる資格が、「溶接技能者」の資格です。業界で認知されている資格です。
基本級(下向き姿勢の溶接)と専門級(下向き姿勢以外の溶接)があり、さらに試験材料の種類と厚さ、溶接方法などとの組み合わせにより、100種以上に資格が分かれます。
訓練で試験対策は行っていませんが、就職後に溶接の腕を磨き受験される修了生も多いです。会社によっては、この資格を持っていると手当てが出る場合があります。
過去3年間の就職率
- 令和5年度:100%
- 令和4年度:100%
- 令和3年度:92.3%
修了生の就職先例とその仕事内容
- 松田鉄工株式会社:溶接工
- 日成工機株式会社:溶接工
- 株式会社山口鉄工所:溶接工・機械オペレータ
- 株式会社ケンリツ:板金工
- 株式会社美広社:看板工