昨年3月に発生した東日本大震災・福島原発事故は、オイルショック以降日本が経験したことが無い電力危機を引き起こしました。
震災直後、関東地方の電力危機は、計画停電等によって急場を凌ぐことができたものの、その停電により企業活動は制約を受け、大きな混乱を招くこととなりました。
当初は、東京電力管内だけの問題とも思われた電力危機でありましたが、原子力発電の安全性への危惧から、日本各地の原子力発電所が稼動を停止し、6月には関西電力・北陸電力が相次いで節電の要請を行うなど、電力不足は一気に全国的な問題となりました。
利用者が語る節電・省エネセミナーの取組み
節電・省エネセミナーを実施された、大阪府中小企業団体中央会 山口 春夫専務理事にお話をお伺いしました。
1. 取り組みに至る経緯について
震災後の経済を早期に再生するために、電力需給問題という経済下押し圧力をいかに軽減するかということが求められました。
大阪府中小企業団体中央会では、ポリテクセンター関西様のご協力を得て、専門の講師を派遣する節電セミナーを開催し、企業の節電・省エネの推進支援活動に取り組んで参りました。
本セミナーには、各業界団体から多くのお問い合わせを頂き、18団体、述べ282社、322人を対象にセミナーを開催致しました。
専門の講師の方々が、それぞれの業界特有の電力消費構造や稼動設備等についての事前調査を行った上で、セミナーを開催したことにより、その内容は非常に解かり易く、大規模な設備投資を行うことなく、電力に対する知識と工夫で実践できる節電の方法を解説して頂き、受講された方々より大変好評を得たところでございます。
節電に対する意識の向上やその取り組み方法等について、個々の企業のみならず、それぞれの業界全体に広く啓発することができ、中小企業団体の支援という中央会としての役割を果たすことができました。
現在停止中の原子力発電所が再開の見込みが立っていないことから、電力需給問題は一時的なものではなく長期化するものと考えられます。
各企業におきましても、節電対策を長期にわたり実践することが求められるでしょう。中央会としましては、企業活動に影響を与えない方法で、継続的に実践できる節電対策について、各業界団体を通じて、今後とも支援して参りたいと考えております。
末筆ながら、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げますとともに、節電セミナーの開催・運営に多大なご協力を賜りましたポリテクセンター関西様に厚く御礼を申し上げます。
No.
|
実施日
|
事業主団体等の名称
|
備考
|
|
1
|
7
|
28
|
近畿石鹸洗剤工業協同組合
|
20社38名参加
|
2
|
30
|
関西ダイカスト工業協同組合
|
11社20名参加
|
|
3
|
8
|
2
|
大阪靴メーカー協同組合
|
8社8名参加
|
4
|
18
|
大阪市製材業協同組合
|
11社11名参加
|
|
5
|
19
|
大阪府化成工業協同組合
|
13社19名参加
|
|
6
|
30
|
西部鋼管製造協同組合
|
9社14名参加
|
|
7
|
9
|
6
|
大阪府家具工業協同組合
|
24社24名参加
|
8
|
20
|
大阪生菓子協同組合
|
16社16名参加
|
|
9
|
28
|
大阪経営協同組合
|
25社25名参加
|
|
10
|
10
|
12
|
富田林中小企業協同組合
|
16社16名参加
|
11
|
13
|
栗本鉄工協同組合
|
15社15名参加
|
|
12
|
27
|
近畿砕石協同組合
|
9社9名参加
|
|
13
|
11
|
5
|
協同組合ネットワーク淀川
|
10社10名参加
|
14
|
8
|
近畿倉庫事業協同組合
|
14社14名参加
|
|
15
|
12
|
6
|
大阪府電気工事業協同組合
|
35社37名参加
|
16
|
1
|
20
|
大阪府商業協同組合連合会
|
18社18名参加
|
17
|
21
|
大阪経済企業協同組合
|
13社13名参加
|
|
18
|
2
|
8
|
富田林中小企業協同組合
|
15社15名参加
|
小計
|
282社322名参加
|
2. 担当講師を代表してポリテクセンター関西 平本 剛 講師(電気・電子系)からメッセージ
このセミナーでは、約10年に及ぶポリテクセンター関西での省エネの取り組みと在職者訓練(コース名「省エネのための電気管理」)の実施により得たノウハウを活かして、節電・省エネ技術を紹介してまいりました。
中小企業が節電・省エネを取り組むキッカケになれば幸いです。
今回実施した技術講座は1時間30分と短いため、極力、受講者のニーズを事前に把握して、その団体が希望するオリジナルな内容としました。具体的な内容は、使用したスライドを下記に掲載しましたので、ご覧いただければと存じます。
今後とも節電・省エネの取り組みについてのご相談があれば積極的に係わり、中小企業への社会貢献を果たしていければと思います。
3. 地域とともに歩むポリテクセンターをめざして
平成23年3月11日に起きた東日本大震災、それに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故、東京電力、東北電力管内の電力使用制限は、社会に大きな混乱をもたらしました。また、その後に続く節電の取り組みは全国的な規模となりました。今なお電力問題は社会的な課題であり続けています。
ポリテクセンター関西では、「地域の皆様とともに歩むポリテクセンター」を合言葉に平成23年6月~平成24年2月の間、合計20回、319社368名の方を対象に「中小企業のための節電・省エネの取り組み方セミナー」を開いてまいりました。
上記セミナーの多くは、大阪府中小企業団体中央会及び傘下中小事業主団体と連携して進めてまいりました。
団体名
|
大阪府中小企業団体中央会
|
所在地
|
大阪市中央区本町橋2番5号(マイドームおおさか6F)
|
団体ホームページ http://www.maido.or.jp/index0.html
大阪府中小企業団体中央会は、中小企業等協同組合法に基づき、中小企業の組合を会員として設立された団体です。
中央会は、都道府県毎に1つずつ設置され、各都道府県や関係機関と連携して地域の中小企業の組織化促進とその活性化に努めております。
また、東京には、全国中小企業団体中央会が、中小企業庁の指導のもと、全国的な見地から施策の普及や中小企業育成にきめ細かな活動をしております。
|