金属を加工するために必要な図面の見方、金属の切断や穴あけ、研削、ガス溶接・溶断等を習得します。
板金・溶接科のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
現代の便利で安心安全な生活は、金属加工された製品に支えられています。
エネルギー、交通、輸送、通信分野などの重要な社会インフラに加え、身近なところにも金属製品はたくさんあります。
これらの製造を担っている鉄工業や板金業などのものづくり分野に従事するために必要な知識と共に、様々な溶接やプレス機等を用いた金属の成形加工に関する知識と技能、各種機械の操作法と安全作業について学びます。
訓練目標
- 鉄鋼材の加工及び機械板金作業ができる。
- 半自動溶接法、TIG溶接法による薄板の溶接施工ができる。
訓練内容
1.「金属加工基本」
2.「機械板金・プレス作業」
板金作業に必要な図面の展開作業とプレスブレーキなどの加工機械を利用して、板の曲げ加工、成形加工の技術を習得します。
身近にある製品例
・自動販売機
・車両フレーム
3.「構造物鉄工」
鉄鋼材の加工や図面を見ながらの組立、製缶作業について技能・技術を習得します。
身近にある製品例
・観覧車
・ジェットコースター
4.「TIG薄板溶接」
ステンレス鋼やアルミなどの特殊用途鋼の溶接や配管の接合、板金製品の薄板精密溶接にも利用される溶接技術を習得します。
身近にある製品例
・キッチンシンク
・調理器具
5.「炭酸ガスアーク溶接」
主に工場溶接として、板金製品などの薄板から、鉄骨、圧力容器、造船等の厚板まで、幅広い分野で利用される溶接技術を習得します。
身近にある製品例
・船舶
・新幹線車両
6.「炭酸ガス・被覆アーク溶接」
炭酸ガスアーク溶接による厚板・長尺などの溶接法や現場溶接で利用される被覆アーク溶接の技術を習得します。
身近にある製品例
・高層ビル
・橋梁
受講要件
各訓練科共通事項
- 再就職を強く望んでいる者であって、職業訓練を受講することに強い意欲を有している方。
- 離職者訓練コースの内容を理解し就職を希望する職務と入所希望訓練科との整合性がある方。
- 職業訓練の安全確保及び訓練に支障ないような健康状態である方。
- 職業訓練を受講する上で必要な、集合訓練における協調性のある方。
※受講希望者が多数の場合、上記の条件を満たしていても受講できない場合があります。
当該訓練分野の経験
特に必要ありません。
受講料
無料です。
ただし、以下のとおりご準備していただくもの等があります。
- テキスト代:7,000円程度
- 保険料(任意)
- 作業着(綿100%)、安全靴をご自身で準備してください
受講生の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
前職 | 修了後 |
---|---|
調理 | 溶接工 |
事務員 | 溶接工 |
職種と仕事内容
主な職種
溶接工、製缶工、鉄工、板金
仕事の概要
長崎県には多くの造船所が存在しており、大型客船や大型タンカー、LPG船等の船舶のほか、関連する設備や構造物などと多くの製品を金属加工技能・技術を用いて製造しています。
さらに、溶接構造物(鉄骨建築物)や製缶、機械装置・部品の組み立て溶接など多くの金属加工に関する企業が存在しています。
製造では、仕様書や図面等を元に材料素材の切断、組立、溶接、仕上げの作業工程において多くの職種の技能者・技術者が製品製作を行います。
溶接工は、製品製造が適切に行われるために採用された溶接法に応じて、最適施工条件で目的に沿った欠陥のない要求された溶接製品を提供する仕事です。
訓練により就職可能な主な仕事
- 各種産業機械・建設機械の分解・組立・溶接修理
- 公共施設から民間大型物件、新社屋、等の溶接加工
- 各種装置の生産ライン業務(企画 設計 製作 改造 設置等)
- 回転機の台座や冷凍機部品、陸・船用タービン部品の製缶加工
- 造船所構内(修繕船・新造船)請負業務、非破壊検査業務
- 圧力容器の溶接加工、工作機械の溶接加工、大型機械の据え付け台の溶接
- 造船所で船の製造において組立、溶接、仕上げ作業
- 造船所内において鉄工、溶接、機械製作及び安全管理業務
- 鉄骨建築物の製作のための溶接加工、鋼構造工事と総合建設工事
- 建築金物の溶接加工
- 建設機械の修理や補強溶接
- 船体を創り出す船殻工事、艤装工事に伴うブロックなどの溶接作業
- 製缶品組立・鋼構造物製作取付・鉄骨工事・機械移設
求人票に記載されている職種名
溶接工、製缶工、鉄工、板金
就職率
94.7%(令和3年度実績)
修了生の主な就職先(五十音順)
- 鉄骨製造業(株式会社ケンコー)
- 製缶業(中野鉄構株式会社、株式会社吉本ハイテック)
- 配管工事業(株式会社トーセン溶建)
- 板金業(有限会社中村製作所)
修了時に取得可能な資格
ガス溶接技能講習修了証 (長崎労働局登録教習機関第014-1号令和6年3月30日登録有効期間満了)
ガス溶接等の業務は、労働安全衛生法第61条によって下記の者でなければ就業してはならないこととされております。
当センターは、都道府県労働局長の登録を受けた教習機関となっており、訓練修了者に対して修了証が当センター所長名で交付されます。
アーク溶接等の業務に係る特別教育修了証
労働安全衛生法59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で、アーク溶接等の業務に労働者を就かせるときは、事業者が「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための 特別の教育が義務づけられています。
本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。
自由研削といしの取替え業務に係る特別教育修了証
労働安全衛生法第59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で研削といしの取替え、取替え時の試運転業務等を行う業務に労働者を就かせるときは、事業者が 「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための特別の教育が義務づけられています。
本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。
動力プレスの金型等の取付け、取外し又は調整の業務に係る特別教育修了証
労働安全衛生法第59条第3項及び労働安全衛生規則第36条で動力プレスの金型、プレス機械の安全装置又は安全囲いの取付け、取外し又は調整の業務に労働者を就かせるときは、事業者が 「安全衛生特別教育規程」に基づく安全または衛生のための特別の教育が義務づけられています。
本特別教育は、訓練中に実施し、修了時に特別教育修了証が当センター所長名で交付されます。
任意に取得する資格
訓練コースに関連する分野の資格の一例です。
受験には、学歴・実務経験が必要な場合があります。
資格の詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせください。
JIS溶接技術者評価試験
主催者
一般社団法人日本溶接協会
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施している短期間の 能力開発セミナー 受講でさらにスキルを向上させることができます。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。
担当講師から
「手に職をつける」とよく言われますが、溶接はこの言葉を裏付ける代表的な仕事の一つです。 身近にある製品例にあるように、溶接技術は人々の暮らしに無くてはならない技術です。 溶接技能を身につけるのは一朝一夕ではいきませんが、未経験であっても基本をしっかりと習得し、日々努力することで「手に職をつける」ことは十分可能です。 同じ目標を持った仲間たちと一緒に溶接技能を身につけましょう!
お問い合わせ先
ポリテクセンター長崎(長崎職業能力開発促進センター) 訓練課
TEL
0957-22-2324
FAX
0957-22-2325