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受託研究、共同研究

「食品急速冷凍装置の開発」で、
より高品質の冷凍保存を追究しています。

(実施年度:2001年度)

担当:望月隆生、大野崇浩(専門課程 電子技術科)

四国職業能力開発大学校では、地域高度技能活用推進事業の中で、異業種企業団体であるTIC研究会と「食品急速冷凍装置」の共同開発を行っています。
食品は急速に冷凍することで、凍結時に細胞を痛めることなく、高品位の冷凍保存ができます。現在開発中の冷凍装置は、液体を冷媒とする液体冷凍法を用いることで、食品の急速冷凍を実現します。
この共同開発において、四国ポリテクカレッジでは、冷凍条件の違いが、食品の鮮度、味や食感といった保存品質にどのように影響するか調査し、最適な冷凍条件と冷凍装置の設計指針を得るための研究を進めています。

目的

食品を急速に冷凍できる液体冷凍法は、凍結に伴う細胞の損傷を少なくし、保存品質の向上が期待できるとされている。この研究の目的は、冷却媒体の熱流動(温度差、強制対流の付与方法等)によって食品がどのように冷凍されるかを時系列的に調査するとともに、鮮度計測をも行って鮮度と凍結諸条件との関係を明確にし、最適な液体冷却装置の設計指針を構築することである。

研究の特長

本研究では、最適な凍結条件を見出すために実験と解析とを併用する。
まず、急速冷凍時の非定常伝熱に対する解析モデルを設定し、これに基づくコンピュータ・シミュレーション結果を検証する必要なモデル実験を行っている。さらに、モデル実験の結果を実際の魚介類に適用するために、実機による魚介類の凍結実験を実施し、種々の熱流動条件下の実験データを収集するほか、精度の高い解析モデルの構築を目指している。実際に凍結した魚介類は、味や食感などに関する官能検査と、鮮度測定による定量的の品質評価を行い、凍結諸条件による品質の違いを明確にしている。
このような研究によって、「凍結モデル」、「凍結条件」及び「品質」の関連付けが行われ、最適な凍結条件を決定するルールと、これを実現する冷凍装置の開発を進めている。
以上の研究は産学の共同プロジェクトによって効率的に推進され、現在成果を挙げつつある。

凍結過程の可視化基礎実験

凍結過程の可視化基礎実験

ひらめの急速液体凍結過程の実験(ブライン温度、-10℃~-25℃)

ひらめの急速液体凍結過程の実験

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