電気に関する知識として、電気理論、電気関係法令、器具の種類と名称、電気計測について基礎からしっかりと学びます。また、電気工事配線に関する技能として、工具の取扱い方法から電線の接続方法、そしてケーブル配線工事の方法を習得します。
電気設備技術科のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
電気に関する基礎知識を学び、電気設備の施工とメンテナンスに必要な技能・技術を習得します。
(ビジネススキル講習から受講すると、専門的訓練の受講前に、ものづくり分野に必要な基本スキルを習得できます。)
訓練全体(7ヵ月間)の目標人材像(訓練目標)
- 通信設備・防災設備の設計・施工ができる。CADによる屋内配線図作図技能を習得する。
- 電気設備工事ができる。シーケンス制御機器の設計・作成ができる。
総訓練時間
- ビジネススキル講習88時間 + 本訓練661時間
訓練到達目標
1.「電気工事の施工と法規」
2.「電気配線工事と安全衛生」
屋内配線を想定したケーブル工事・金属管・合成樹脂管・引込口配線等の様々な工事形態を実習しながら、電気配線工事を習得します。また、労働安全衛生法に則した低圧電気取扱いに係る特別教育を行ない、電気の危険性を理解します。
3.「シーケンス制御盤組立・PLC制御」
リレーシーケンス制御回路および制御盤の製作技術を習得します。また、PLCによる自動化制御技術も習得します。
4.「消防設備工事」
消防設備士第4類に区分される自動火災報知設備について、消防法令で規定される施工方法と消防設備の点検方法を習得します。
5.「CAD活用・通信設備工事」
電気設備の配線理論と配線図面の読み方・書き方を学び、JW-CADの操作方法を身に付け、屋内配線図面の製図を習得します。また、電気通信設備工事に求めれらる電気理論と通信の基本知識から、LAN構築に関するハードウェア構成・光ファイバなどに関する専門知識と実際の施工・保守技術などに関する技術を習得します。
6.「空調設備・高圧受変電設備」
エアコン取付けと冷媒・管の取扱いなど空調設備工事の知識と技能を習得します。また、高圧受変電設備設備(キュービクル)の構成と高圧機器について理解し、保安点検の各種試験に関する技能及び関連知識を習得します。
※より効果的な訓練実施等のため、カリキュラムを一部変更する場合がございます。
受講要件
過去の経験
- 特に不要
事前に習得していることが望ましいスキル
- 特に不要
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を希望している方
- 訓練を受講することに熱意を有している方
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有している方
- 訓練受講・修了に支障がないこと(健康状態・受講態度等)
受講料
無料です。ただし、教科書代や作業服代(約21,500円)については、実費負担となります。
※教科書代等の額は変更となる場合があります。
受講者の受講前の職種と修了後に就職した職種の例
電気設備が未経験の方でも、下記のような電気設備に関連する職種に就職されています。
(前職) (修了後の職種)
・調理師 → ビル設備管理
・ルート営業→ 電気工事
・接客販売 → 制御盤製作
訓練に関する職種と仕事内容
一般的な職種名
電気工事作業員
電気工事作業員の仕事(厚生労働省編職業分類)
電力会社から送電された電気を変圧する変電設備の据え付けをはじめ、建物の各階へ電気を送る幹線の敷設、分電盤の据え付け、配線、コンセントや照明器具の取り付けなど、電気の通る道と、電気を利用する設備を建設する。
その他に、情報の伝達設備である放送通信施設、インターホン、防災防犯などの設備や、電話線を納める配管、避雷針の工事も行う。
基本的な作業は、機器の据え付け、器具の所定個所への取り付け、それらの機器や器具への配線などで、建設作業と並行して行われることが多い。作業は通常、2~4人のグループで行われ、それぞれのグループは職長が中心となり、その指揮下で作業が進められる。大きな建設現場では、電気工事の責任者がいて、グループごとの1日の作業内容が決められ、指示が与えられる。指示は通常図面によって示されるので、電工はその図面を読解し、それに基づいて材料、工具、作業手順などを決めて作業を進める。全部の作業が終了すると、確認のために必ず試験を行って、試験成績書を作成する。
電気工事は様々な法令によって基準が定められており、法令を守って安全確実な仕事をすることが要求される。
脚立やはしごの上など高くて狭い所での作業が多いので、平衡感覚が優れていて手先が器用な人が向いています。また、電気設備を取り扱うため、慎重さ、責任感なども求められます。
訓練により就職可能な主な仕事
- 電気工事作業者(屋内電気配線工事、電気機械器具の据付け工事)電灯・電気照明・消防設備などの配線工事・保守の作業、電気照明装置・電気機械装置の据付・調整・保守の作業に従事します。
- 通信線架線工、敷設工、通信線の架設・敷設・接続・保守の作業に従事します。
- 電気(通信)機械器具組立工・修理工(家電製品等の組立や修理) 電熱器具・照明器具・電動器具などの民生用電子・電気機械器具・(無線・有線通信機器、ビデオ・音響機器)の組立・調整・修理の作業に従事します。
- 自家用電気係員(ビルや工場の受電設備保守管理) 電気動力室において、配電装置の操作・監視・点検・保守の作業に従事します。
求人票に記載されている職種名
電気工事作業者、通信線架線工・敷設工、電気(通信)機械器具組立工・修理工、自家用電気係員
就職率
84.4%(正社員就職率78.9% 令和2年度実績)
修了者の主な就職先
- 電気設備工事会社
- 電気工事用部品販売会社
- 電気(通信)機械器具組立・修理会社
- 制御盤製作会社
- 設備保全会社
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
訓練を修了すると、電気工事に関する基礎知識及び各種配線工事に関する基本的な作業を習得しており低圧電気取扱いに関する特別教育を修了していますので、電気工事補助作業員として電気工事現場での作業を行うことができます。その後、第二種電気工事士の資格を取ることで電気工事作業者として一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できるようになります。
第一種電気工事士の資格を取ると第二種の範囲にくわえて最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどの工事に従事できるようになります。
大企業などでは15~20年の経験を積むと現場の責任者である職長として数人の部下を任せられるようになります。また、「電気主任技術者」「電気工事施工管理者技士」などの資格を取り、ビル管理技術者や工事管理者の仕事に転職したり、独立して電気工事業を営む場合もあります。
訓練終了時に取得できる資格
低圧電気取扱特別教育修了証 ※対象となる訓練日の出席が必要です。
低圧の充電電路の敷設若しくは修理の業務、配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧の電路のうち充電部分が露出している開閉器の操作の業務に労働者をつかせるときは、労働者に対し、安全衛生のための特別教育を行うことが法令で事業者に義務づけられています。
任意に取得できる資格
訓練期間中に受講者の皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格の一例です。当センターでは受験手続きの説明をしており、合格できる技能レベルへの到達は訓練中十分可能です。(※但し、合格を保証するものではありません。詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
第二種電気工事士/第一種電気工事士(試験実施機関-財団法人 電気技術者試験センター)
電気工事を行う作業者“電気工事士”の資格で、第二種(一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できるもの)と 第一種(第二種の範囲と最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどの工事に従事できるもの)があります。
試験は第一種も第二種も、四肢択一方式でマークシートに記入する筆記試験と、実技による技能試験との2段階で行われ評価されます。第一種は6月申請10月筆記試験12月実技試験、第二種は、上期は3月申請5月筆記試験7月実技試験、下期は8月申請10月筆記試験12月実技試験を受験できます。
消防設備士 第四類(自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備)/第七類(漏電火災警報器) (消防試験研究センター各都道府県支部)
消防設備の施工・点検を行う作業者“消防設備士”の資格で、対象設備により一類から七類に資格が分類されています。また、施工及び点検業務を行う甲種と点検のみを取り扱う乙種に分かれています。電気設備に係る資格はこのうち甲・乙第四類(自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備)と乙第七類(漏電火災警報器)になります。甲第四類については受験資格(第2種電気工事士または学歴)が必要となります。試験は学科試験(1月・7月実施)によって評価されます。
担当講師からのメッセージ
電気設備技術科では、電気工事士になる上で必要な基礎知識を学ぶことができます。地域の企業の方からも「ポリテク出身の訓練生は基礎がしっかりしていて覚えが早い」という声もいただいているので、電気工事会社への就職を考えている方におススメです。
お問い合わせ先
ポリテクセンター石川 【受講者第一係】
TEL
076-267-8060