生産技術科
実学一体のカリキュラムで
即戦力を養う
生産技術はあらゆる産業において不可欠な分野です。生産技術科では、ものづくりの基本となる機械・電気・制御などの基礎的な理論と加工技術を学びます。
3次元CAD/CAMなどを活用した設計情報の処理やコンピュータを駆使した加工機械の操作などの実習を通し、様々な製品づくりを中心としたカリキュラムで即戦力を養います。2年目に行う技能照査に合格すると、技能検定2級の学科試験が(実務経験1年後)免除となります。在校中には技能検定(旋盤、フライス盤、機械検査、CAD)やJIS検定(溶接)等の資格を目指し、有利な就職活動の体制を整えバックアップします。
また、当科では、以下の技能講習及び特別教育を実施しています。
- 技能講習(ガス溶接)
ガス溶接技能講習 秋田労働局
秋基登録第23号
(登録有効期間満了日 令和6年3月30日) - 特別教育(アーク溶接、研削といし)

生産技術科の特徴
①機械設計
材料の加工方法までを意識した製図の方法、CADの基本操作等を学びます。
CAD実習
三次元CADを用いた製品設計のための、ソリッドモデリング、アセンブリによる干渉チェック、ドラフティング技術を習得します。

メカニズム
各種の機械要素、リンク機構、カム機構等の仕組みについて、特徴と実用例等を知るとともに、使用する際の注意点を学習し、機構設計の足がかりとなる機構学の基礎を習得します。

機械工学実験
工業力学、材料力学及び材料試験に関する各種の実験、試験を行い、基礎的な知識や諸定理、法則などを理解し、事象の分析や解析方法を習得します。

②機械加工
機械を製作するための工作法やNC旋盤などの最新加工機械の加工技術を学びます。
機械加工実習
旋盤、フライス盤及び研削盤の操作と基本的な加工技術を習得します。


数値制御加工実習
NC旋盤、マシニングセンタで加工を行うために、加工準備を行いプログラムチェックや加工、そして加工条件の修正などの加工技術を習得します。


CAD/CAM実習
CAD/CAMシステムを活用したマシニングセンタ加工技術を習得します。

③測定・制御
材料の測定方法や、自動・システム化に対応するための機械や機器の制御方法を学びます。
測定実習
寸法、形状、表面性状等の測定原理と測定機器の取扱い及び測定技術を習得します。また、デジタル式測定器からのデータ取込と測定データの分析・管理技術を習得します。


シーケンス制御実習
プログラマブルロジックコントローラ(PLC)によるシーケンス制御技術、サポートツールを用いたプログラムの作成とモニタリング技術を習得するとともに、単体運転、連携運転といった機械制御技術を習得します。


総合制作実習課題例
手漕ぎトロッコの設計・製作
大館駅前にある秋田犬の里にある旧小坂鉄道の廃線を利用した手漕ぎトロッコを設計・製作しました。手漕ぎトロッコの設計・製作を通じ、設計技術、加工技術・技能を習得、また組立て・調整作業を通じ、使用されている部品の知識や機能を理解、作業の仕方や方法を習得しました。


起立・着席支援機能付き車いすの
設計・制作
高齢化社会である現在、足腰に問題のある高齢者とその介助者にとって外出を助けるツールである車いすを、双方がより使いやすいものとなるよう設計・製作を行いました。車いすは、介助者1名で起立・着席が支援できます。
設計・製作をとおして、CADを活用し、各部品の加工を各種汎用機械や、NC工作機械を用いて製作し、各部品を組み立て、調整をする技術・技能を習得しました。

競技会・技能検定への
取り組み
技能検定
旋盤2級、3級
普通旋盤を使用し、内外径削り、テーパ削り等の切削加工を行い、はめ合わせができる部品を2個製作します。


フライス盤2級、3級
立フライス盤を使用し、材料をエンドミル及び正面フライスにて切削加工して直みぞ部をそれぞれはめ合わせができる部品を製作します。


機械検査2級、3級
- 外側マイクロメータ、ノギス及びシリンダゲージを用いた部品の寸法測定を行います。
- 三針法によるねじプラグゲージの有効径を測定します。
- 外側マイクロメータの指示誤差(器差)測定(ブロックゲージ使用)を行います。



機械プラント製図CAD作業2級、3級
実技試験問題及び課題図(機械装置を組み立てた状態の図面)から、指定された部品図をCADにより作成します。

機械保全(機械系)2級、3級
対象物又は現場の状態、状況等を原材料、標本、模型、写真、ビデオ等を用いて提示し、判別、判断、測定等を行わせることにより技能の程度を評価します。
主な就職先
機械加工 技術者 |
工作機械により金属を加工し、車両や機械など、様々な形状の部品を作り上げます。 |
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NC旋盤 オペレータ |
NC旋盤に対して、適切な加工条件をプログラミングすることで、 同じ形状のものを大量に加工させます。 |
就職先企業
就職先企業についてはこちらをご覧ください。
在校生からのメッセージ
津江友一
(2021年度入校生、秋田県立花輪高等学校出身)
私は普通科高校出身ですが、父や祖父の仕事に興味を持ち工業系の勉強をしたいと思い、秋田職能短大に入校しました。入校当初は機械の専門用語や初めて見る機械に戸惑いを感じましたが、クラスメイトと教えあいながら充実した毎日を送っています。
将来は機械製図関係の仕事に就きたいと考えており、知識を深めるために応用課程を目指して勉強しています。
専門的な知識や技術を丁寧に教えてくれるのでものづくりの仕事に興味がある方は是非、この学校に来てみてください。
修了生からのメッセージ
齋藤星矢
(2021年度修了生、大橋鉄工秋田株式会社 内定)
私がものづくりに携わりたいと思ったのは、中学校、高校の時に参加した地元の工場見学や企業説明会で実際に作っているものやそれぞれの企業の思いに興味関心をもったことがきっかけです。地元で社会貢献がしたいと思い、秋田県などの地方では欠かせない車の部品を作る会社を選びました。
私は現在、総合制作実習に力を入れて取り組んでいます。1年次から学んできた知識・技能を活かし、ものづくりの一連の流れである設計、加工、組立、制御について、自分たちで話し合い、実際に作り、発表に向けた活動をしています。その中でも、私は就職先で加工技能士になりたいと思っているので、実際の職場でも活かされる加工に特に力を入れています。
教員紹介
名前 | 専門性 | 担当科目 |
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田山英臣 (教授) |
機械設計 | CAD実習Ⅱ・Ⅲ、機械要素設計、基礎工学実験 |
畑伸明 (講師) |
機械加工 | 工業力学、機械制御、シーケンス制御実習 |
菖蒲大樹 (講師) |
機械加工 | 機械製図及び機械加工実習 |
村上佑太 (講師) |
機械加工、溶接技術 | 塑性接合実習、溶接工学、機械工作実習 |
野村佑輔 (講師) |
機械加工 | 機械加工実習、基礎製図 |