住居環境科
建築工事全般の知識、
工事管理、施工技術などの
知識や技術の習得を目指す
今、住まいに求められている豊かさには、安全で安心して暮らせる工法及び構造、空間設計などが含まれています。住居環境科は、建築系学科の流れを汲む工学系の学科です。“商業施設や一般住宅など様々な建築物の住環境をどのように創り出していくのか”といった、建築物の計画・設計そして建築工事全般についての知識や工事管理・施工技術にいたる幅広い知識と技術を学びます。実際の大きさで建物を施工する実習科目も数多くあり、座学にとどまらない実践的な技術の習得が可能です。
また、修了時には、1、2級建築士の受験資格を有し、進学の場合は、応用課程在学中の資格取得が可能になり就職にも有利となります。インテリア計画から施工管理まで幅広い職種に就けるのも特徴です。


住居環境科の特徴
建築計画
建築物の計画や設計に関する知識と技術を習得します。CAD、BIM及び手描きによる建築物の設計や計画方法、快適な空間の設計方法等を学びます。
建築設計実習
建築士を目指すための実習で、基本的な住宅の設計手法を習得します。建築物の構造や仕組みを理解し、スケール間や空間のつながりを身に付け、様々な機能を持つ建築物の設計手法と納まりについて習得します。

インテリア設計実習
店舗設計の基礎と理論を学び、実技演習をとおして設計技術を修得します。
居住プレゼンテーション実習
製作した建築図面等をもとに、各種プレゼンテーション技法について実技演習をとおして習得します。

製図・模型
基本となる製図作業は手書きでの図面トレースからはじめます。そして図面をもとに模型を造ることで、図面から立体を把握する能力を身に付けます。

建築構造
建築物に作用する力がどのように骨組や基礎へ伝わるのかについて理解を深め、建築材料や構造に及ぼす影響について学びます。
構造力学
建築構造力学の基本的な用語の理解、静定構造の解法、断面の性質、応力と変形の関係、座屈等について理解する事を目標とします。
構造設計
建築構造物の基本的な設計の理解を目標とします。
建築材料実験
建築材料について破壊実験を通じて、構造材料の特性の理解を深めることを目標とします。


建築施工
建築物の工事に関わるすべてのことを学びます。工事管理、積算、測量や施工技術など、建築工事全般について学びます。
建築施工実習
木造建築物の施工技術と、鉄筋コンクリート造建築物の躯体工事について正しい施工方法と実務処理の能力を習得します。


建築測量実習
建築物の調査・企画・施工に必要な測量技術(主に、平板測量、多角測量、水準測量についての技術を習得)を習得します。

施工図実習
木造(木造軸組工法)・鉄筋コンクリート造の施工図面を作成し、構造と仕組を理解します。
修了時には建築士の
受験資格が!
住居環境科のカリキュラムを修了すると、2級建築士及び木造建築士及び1級建築士の受験資格が得られます。ただし1級建築士については、合格後4年の実務経験を経て1級建築士としての資格が認定されます。
総合制作実習 課題例
避難所における住環境の提案
本校が位置する大館市上川沿地区における冬季の水害を想定し、避難所における住環境の提案を行いました。大館市役所のご協力をいただき、災害時の第二避難所として指定されている本校の体育館に想定される避難者数を割り出し、パーティションと段ボールベッドの開発を行いました。また、パーティション内の温度変化を検証し大きな効果があることを確認しました。




バリアフリー社会の形成に関する
条例に基づく大館市の
公共施設調査及び提案
大館市は若年層の社会減、高年層の自然減などの理由による人口の減少が社会問題となっています。そこで大館市の魅力を発信する手掛かりとして公共施設の使いやすさ、老若男女問わず使いやすい環境であるかを「バリアフリー新法」「秋田県バリアフリー社会の形成に関する条例」等を用いて調査及び検証し、その結果をまとめて改善提案を行いました。


競技会・技能検定への
取り組み
東北ポリテックビジョン
ものづくり競技会
東北地域の能開大3校及び産業技術短期大学校等の学生同士で技術力を競います。住居環境科では、事前に製造したコンクリートを持ち寄り、その性能を競う競技に参加しています。


主な就職先
施工管理者 | 工事現場の施工や予算、安全面に加え、役所への手続きなど、工事に関わる全般を管理する仕事。 |
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建築士 | 建造物の設計及び、工事の管理監督を行う仕事。建築士の資格を要する。 |
大工 | 建築士の設計した建造物を、材木等を加工し、組み立てることで建てる仕事。 |
就職先企業
就職先企業についてはこちらをご覧ください。
在校生からのメッセージ
吉田彩夏
(2021年度入校生、秋田県立増田高等学校出身)
私は、将来建築に携わる仕事をしたいと考えてこの学校に入校しました。工業高校出身ではないので、入校当初は授業についていけるのか不安でしたが、先生方やクラスメイトのおかげで楽しい学校生活を送ることができています。
現在は、不動産関係の仕事をしたいと考えています。その夢を実現させるために、インテリアコーディネーターや宅地取引検定などの建築に関わる資格を1つでも多く取得できるよう日々勉強を頑張っています。
修了生からのメッセージ
中村優介
(2021年度修了生、東北職業能力開発大学校応用課程
建築施工システム技術科 進学)
私はこの学校に入校してから建築を学び始めましたが、基礎から丁寧に学べるほか実践的な実習も多いため、知識がなくても授業についていくことができました。
現在私は、総合制作実習でのコンクリート供試体の作成、二級建築士の資格取得のための勉強に力を入れています。
また私は将来現場で働くときに必要な技術や施工管理能力を養うため、応用課程への進学を決めました。2年間という短い期間なので進路は早めに考える必要があります。
この学校での経験は、将来現場で必ず役に立つと思うので、建築に少しでも興味がある方は進路の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
教員紹介
名前 | 専門性 | 資格 | 担当科目 |
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小林健 (教授) |
木造建築施工、建築情報支援(CG・DTP・CAD)、材料学 |
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建築施工実習、建築材料実験、構造設計、居住プレゼンテーション、BIM実習、内装施工実習 |
小笠原吉張 (教授) |
建築計画 |
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建築計画Ⅰ・Ⅱ、住居論、仕様・積算 |
大根律久 (准教授) |
福祉住環境計画(高齢者配慮住宅の計画)、環境工学(高気密、高断熱住宅、音環境の整備) |
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環境工学、環境工学実験、インテリア計画、インテリア設計 |
平和基 (講師) |
木造施工、木材加工、建築情報支援(建築CAD) |
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構造力学Ⅰ・Ⅱ、コンピューター基礎実習、BIM実習、建築施工実習、内装施工実習 |