電気の基本や測定器取扱方法について習得するとともに、工場内の作業を自動化するために用いられるリレー、PLCなどの「FAシステム」についての基礎知識を習得します。
電気制御システム科のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
生産設備の工場ラインやエレベータ等に使われているシーケンス制御及び、制御盤の加工、組立に関する技術・知識を学びます。
訓練全体(6ヵ月間)の目標人材像(訓練目標)
- プログラマブルコントローラによる自動化システムの制御ができる。
- 制御装置の製作及び保全・改善ができる。
総訓練時間
- ビジネススキル講習88時間 + 本訓練661時間
訓練到達目標
1.「シーケンス制御技術」
2.「制御機器保全」
有接点シーケンス制御で用いられている機器を正しく使用するために必要な技能及び関連知識を習得します。また、電動機(モータ)を中心とした電気制御装置の保守に関する技能及び関連知識を習得します。
3.「PLC基本制御と安全衛生」
パソコンでのプログラミングを用いた基本的な制御技術に関する技能および関連知識を習得します。また、労働安全衛生法に則した低圧電気取扱に係る特別教育を行い電気の危険性を理解します。
4.「PLC応用技術」
PLCと負荷装置を用いて、より精密な制御を行うために必要な技能及び関連知識を習得します。また、関連機器の取扱方法や、消電力に寄与するインバータやモータの位置決めについて理解し、制御方法や関連知識を習得します。
5.「CAD活用技術」
ECADについての操作方法を身に付け、配線図の関連知識を習得します。また、JW_CADを用いて建築平面図における技能及び関連知識を習得します。また、建築平面図及び屋内配線図の作成に関する技能及び関連知識を習得します。
6.「制御盤製作」
制御盤製作に係る仕様、設計、加工、配線等に関する一連の技能及び関連知識を習得します。訓練課題として、自動運転操作制御盤の設計・加工・組立を行います。
※より効果的な訓練実施等のため、カリキュラムを一部変更する場合がございます。
受講要件
過去の経験
- 特に不要
事前に習得していることが望ましいスキル
- 特に不要
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を希望している方
- 訓練を受講することに熱意を有している方
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有している方
- 訓練受講・修了に支障がないこと(健康状態・受講態度等)
受講料
無料です。ただし、教科書代や作業服代(約16,000円)については、実費負担となります。
※教科書代等の額は変更となる場合があります。
受講者の受講前の職種と修了後に就職した職種の例
・ライン作業員 → 制御盤設計
・システムエンジニア → 制御システム設計
・販売員 → 制御盤製造
・溶接工 → 制御盤製造
訓練に関する職種と仕事内容
一般的な職種名
電気機械組立工、電気技術者など
電気機械組立工、電気技術者の仕事
電気制御技術を利用した仕事は、様々な形で存在しています。近年では、生産システムの自動化に伴い、物を作るうえで人の手を使わずに行うことができます。製品を加工し、自動化するための自動化設備技術です。
設備の自動化はあらゆる製造現場で使われています。お菓子工場や半導体工場、自動車の部品製造工場など例に挙げればきりがありません。例として、お菓子工場での作業を考えてみます。お菓子工場では1つ1つ手作りで作っているところはほとんどありません。ベルトコンベア上に機械を使って生地が絞りだされ、各工程を行い短い時間で多くのお菓子を生産しています。
このように人の手に代わり製造機械が作業しているわけですが、製造機械の各工程をどのように動かすのか(配線、プログラミング)、各工程を制御する仕様の変更、点検・修理作業等を行う仕事を受け持つことになります。
工場内の機械は電気で動いています。そのため電気の保全、保守、メンテナンスは不可欠な仕事です。電気回路の不具合、故障に対応するだけでなく、問題が発生しないように未然に対応することができる技能・技術が求められます。
職種との相性(こんな方に向いている!)
細かい作業が得意な方、カラクリが大好きな方、屋内で作業がしたい方
訓練により就職可能な主な仕事
- 電気機械器具製造業等における製造・設計および保守点検、制御盤の設計、製作および保守点検、工場設備機器の保守、管理などの作業に従事します。
求人票に記載されている職種名
電気工事作業者、通信線架線工・敷設工、電気(通信)機械器具組立工・修理工、自家用電気係員
就職率
77.8%(正社員就職率78.6% 令和2年度実績)
修了者の主な就職先
- ・制御盤設計・製作会社
・制御盤組立て会社
・生産ラインメンテナンス会社
・設備保全会社
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
訓練を修了すると、配電盤・制御盤の製造に関する基礎知識・技能及びシーケンス制御に関する基礎知識を習得しており、低圧電気取扱いに関する特別教育を修了していますので、電制御装置技術者として主に制御盤の設計、製作および保守点検を行うことができます。
訓練終了時に取得できる資格
低圧電気取扱特別教育修了証 ※対象となる訓練日の出席が必要です。
低圧の充電電路の敷設若しくは修理の業務、配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧の電路のうち充電部分が露出している開閉器の操作の業務に労働者をつかせるときは、労働者に対し、安全衛生のための特別教育を行うことが法令で事業者に義務づけられています。
任意に取得できる資格
訓練期間中に受講者の皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格の一例です。当センターでは受験手続きの説明をしており、合格できる技能レベルへの到達は訓練中十分可能です。(※但し、合格を保証するものではありません。詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
第二種電気工事士 (試験実施機関-財団法人 電気技術者試験センター)
電気工事を行う作業者"電気工事士"の資格で、第二種(一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できるもの)があります。試験は四肢択一方式でマークシートに記入する筆記試験と、実技による技能試験との2段階で行われ評価されます。
技能検定:電気機器組立て(シーケンス制御)
電気機器組立てに関する必要な技能を認定する国家資格です。指示された仕様に基づいて配線作業を行い、回路を完成させた後、プログラマブルコントローラ(PLC)にプログラムを入力し、機器を作動させます。
技能検定:電気機器組立て(配電盤・制御盤組立て作業)
電気機器組立てに関する必要な技能を認定する国家資格です。配布された接続図面を見ながら、モータの制御盤の組立てを行います。
国家検定:機械保全(電気系保全作業)
工場などに設置されている機械のメンテナンスを行なう能力を持つものを認定する国家資格です。電気機器の故障診断や配線チェック方法について作業を行います。
担当講師からのメッセージ
工場だけでなく、私たちがよく乗るエレベータや楽しい遊園地など、機械が動いているものにはほとんど電気が使われています。そのため電気の配線、保全、保守、メンテナンスは不可欠な仕事と言えます。具体的には故障に対応するだけでなく、問題が発生しないように未然に対応することもとても大切です。また、自分で作った配線やプログラムで機械が動くととても面白いです。訓練では基礎から1つずつステップアップしていきます。
お問い合わせ先
ポリテクセンター石川 【受講者第一係】
TEL
076-267-8060