製図の基礎知識と、各種工具、機械の取扱い方法を習得します。やすり、グラインダーでの仕上げ、測定、ボール盤での穴あけ、ハサミ、ノコ、シャーやガスでの切断作業等を行います。関連する仕事は、溶接部の研磨、部品のバリ取り、穴あけ等です。
ものづくり溶接科(訓練期間6ヶ月)のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
各種溶接法を中心に、CAD製図、手工具・工作機械の操作による材料の加工、仕上げ、製品の検査法を習得し、金属製品の一連作業ができるようになります。
訓練全体(6ヶ月間)の目標人材像(訓練目標)
- 鉄鋼材の加工および炭酸ガスアーク溶接作業ができる。
- 被覆アーク溶接、TIG溶接法による各種金属の溶接施工ができる。
1ヶ月ごとの訓練到達目標
1.製図・金属加工基本作業
2.被覆アーク溶接作業
被覆アーク溶接は古くからある溶接法で、設備等が簡易で持ち運びしやすく、屋外での組立、修理など現場でよく使用されています。手溶接とも呼ばれます。関連する仕事は、建設現場での溶接、屋外設備の補修等です。
3.半自動アーク溶接
半自動アーク溶接は高能率で、かつロボット溶接にも適することから、国内において最も普及している溶接法です。炭酸ガスアーク溶接とも呼ばれます。関連する仕事は、産業用機械、船舶、タンク、鉄骨等の溶接です。
4.TIG溶接作業
TIG(ティグ)溶接は、高品質な溶接をすることが可能で、ステンレス鋼およびアルミニウム製品を中心にその適用が拡大しています。アルゴン溶接とも呼ばれます。関連する仕事は、手すりやマフラー等のステンレス・アルミ製品の溶接です。
5.CAD基本作業・曲げ加工
AutoCADソフトの各種操作法を学び、パソコン上で図面を作成します。また、薄い鉄板を工具や機械によって曲げる知識・技能を習得します。関連する仕事
は、CAD図面の修正、部材の曲げ作業等です。
6.構造物鉄工・非破壊検査
5カ月間で習得した知識・技能をもとに、軽量鉄骨材料を用いた構造物の製作を行います。また、各種材料試験・検査の知識・技術も習得します。関連する仕事は、鉄骨の加工、組立て、非破壊検査等です。
受講条件
- 職業訓練で新たな技能・知識を習得することにより就職したいという強い意欲をお持ちの方
- 職業訓練を受講することに熱意を有する方
- 希望される仕事と訓練科目(内容)とが一致している方
- 職業訓練を受講・修了するのに支障がなく、他の受講者と協調性を持って受講できる方
- 職業訓練の内容を理解するのに必要な学力を有している方
訓練生の就職した職種例
- 溶接工(鉄骨構造物、ステンレス・アルミ製品、造船等)
- 製造工(自動車・機械部品、各種金属製品、産業用機械等)
- 溶接管理、製造ライン管理
入所前の職種
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修了後の職種
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美容師(正社員)
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機械のメンテナンス(正社員/30代男性)
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成型加工(正社員)
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航空機の組立て(正社員/30代男性)
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ゴム製品製造(派遣)
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配管・機械の溶接(正社員/50代男性)
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食品加工(正社員)
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自動車部品の溶接(正社員/20代男性)
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飲食業(アルバイト)
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金属製品の溶接(正社員/20代男性)
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職務と仕事内容
一般的な職種名:溶接工
【溶接工の仕事】
造船所などでの組立作業をはじめ、ビルや橋などの鉄骨建設現場や工場内での各種機械・機器の製造などで、構造物や金属製品を溶接加工するのが溶接工です。溶接とは、金属材料の接合する部分の隙間に、溶接棒やワイヤを接触させ、そこに熱を加えて、金属材料と溶接棒を同時に溶かしながら、必要な長さや厚さで接合することです。アーク溶接には、溶接工が溶接棒を1本1本操作する手溶接と、ワイヤが自動的に供給される半自動ガスアーク溶接があります。
溶接工は、まず、溶接する材料によって、適切な電流や電圧に調整し、適切な溶接棒やワイヤを選んで、作業をします。
また、作業時に発生するガス・粉じんや飛び散る高温の金属から身体を守るため、耐熱の作業服やマスク、強い光から目を守るために遮光保護面を着用します。溶接工は、接合部分に空洞やムラが出来ないように注意しながら、溶接棒やワイヤを操作して、作業します。また、ビルや橋など建設現場での溶接作業の場合、高所や足場の上などで行われるため、墜落防止や落下物の防止等常に安全に気を配ります。
【溶接職種との相性(こんな方に向いている)と溶接の魅力】
「ものづくり」に興味があり、じっくり忍耐強く、仕上がりを重視した作業ができる方。性別は全く問いません。
溶接作業は熱い、危険と思われがちですが、車の運転と同様に、安全・衛生に関する注意点をきちんと守っていれば、何ら危険ではありません。ただ、熱いのは確かです。また、難しいと思いがちですが、コツさえつかめば、ある程度こなせるようになります。未経験の方は書道を思い浮かべてみてください。墨汁の含ませ具合、押付け具合、速度によって字の印象が変わってきます。溶接も同様に、出力、速度によって仕上がりが変わってきます。しかし基本をマスターし、練習を重ねれば、それなりの成果はでます。溶接する瞬間、自分の体、腕、手と一体となって、様々な感覚を研ぎ澄まし、きれいな仕上がりが出来た時の達成感は何とも言えません。そう、そして、溶接の魅力にあなたははまっていくのです・・・。
【訓練により就職可能な主な仕事】
溶接作業による構造物や金属製品等を製作する業務
切断・溶断による構造物等の解体業務
【求人票に記載されている職種名】
ガス溶接工、ガス切断工、スポット溶接工、電気溶接工、製缶工、(半自動)溶接作業、溶接・板金・組立工
【就職後の仕事例(求人票より)】
- 自動車部品厚さ3~5ミリの鋼板への半自動アーク溶接作業
- 自動車部品、パレットなどの小物溶接作業
- 農業機械部品、ユニットバス取付部品、建設機械部品の溶接作業
- 大型空調機の溶接
- 運搬機械フレームの溶接作業
- 看板の鉄骨加工及び溶接作業
- 自動販売機のプレス板金部品の加工製造
就職率
95.5%:平成30年度入所生修了後3カ月
訓練生の主な就職先
- 株式会社ニシタニ(ゴム製品製造業)
- 伊勢建工株式会社(建設業)
- 有限会社西村工業所(一般機械器具製造業)
- 松阪自動車工業株式会社(輸送用機械器具製造業)
賃金情報
常用雇用 月額 15万円~20万円
就職先での活用状況
訓練を修了すると全員が被覆アーク溶接、半自動アーク溶接、TIG溶接の下向き姿勢の溶接技能の基本は習得できていますので、この基本技能を活用して、就職先企業で製作する部品、製品の溶接が出来るようになります。就職後は、就職先の仕事内容によっても異なりますが、訓練で習得した技能・技術に加えベテラン技能者のOJTにより、概ね3ヶ月程度で就職先が期待する仕事が出来るようになります。およそ、2~3年で熟練度は向上し、細かく指示されなくても自らの判断で仕事が出来るようになります。
訓練修了時に取得できる資格
ガス溶接技能講習 三重県労働局登録番号 第17-11号 登録の有効期間:令和4年3月27日
アーク溶接等の業務に係る特別教育
自由研削といしの取替え業務に係る特別教育
任意に取得する資格
訓練コースに関連する分野の資格の一例です。
(ただし、合格を保証するものではありません。受検資格等詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
溶接技能者評価試験((社)日本溶接協会)
溶接の資格の中では最も受験者が多く、業界で認知されている資格で、合格者に(社)日本溶接協会から「○○溶接適格性証明書」が交付されます。溶接作業を行う作業者“溶接技能者”の資格で、基本級(下向姿勢の溶接)と専門級(立向、横向及び上向姿勢の溶接並びに管の溶接等)があり、さらに試験材料の種類と厚さ、溶接方法などとの組合せにより45種類ほどに資格が分かれます。試験は学科試験及び実技試験(資格の種別に応じた試験材料に溶接作業を行う。)によって評価されます。
専門級は、基本級が合格していないと受験できません。実際の訓練では、専門級の技能についても行います。
専門級は、就職してからの仕事内容によっても異なりますが、就職して1年以内に取得されている方が多いようです。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施しています短期間の能力開発セミナー(有料)を受講したり、就職先の実務経験を活かして、国家資格である技能検定に挑戦したり、(社)日本溶接協会の手溶接技能者のその他の種目を受験したりするなど、さらにスキルを向上させることができます。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
ポリテクセンター伊勢
TEL
0596-37-3121(代表)