電気工事の基礎知識となる電圧や電流等についての電気理論を習得します。また、住宅で電灯やコンセントなどに電気を送るために用いるケーブルを敷設する工事や、屋内電気配線図の読み方、スイッチやコンセントなどの器具の取り付け法を習得します。
電気設備技術科(訓練期間6ヶ月)のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
一般住宅等で使われている低電圧の電気工事、工場の生産設備等で使われているシーケンス制御、電気設備CADを学びます。
訓練全体(6ヶ月間)の目標人材像(訓練目標)
- 電気設備工事ができる。
- シーケンス制御を含む設備(配電盤等)の施工、保守・点検ができる。
1ヶ月ごとの訓練到達目標
1.電気工事に関する理論・ケーブル工事
2.電線管・線ぴ・リモコン配線工事
工場等でよく見る金属やプラスティック製の電線管を使用した配線方法を習得します。リモコン配線工事では、ビルなどの照明を集中的に管理して点灯/消灯をするための配線や設定を行います。
3.引込み口工事・住宅配線・電気設備CAD
電柱から各住宅へ電気を取り込むための引込み口工事や、実際の住宅を想定した配線、分電盤やコンセントなどの器具の配置等を設計し、施工します。また、電気設備CADの使用方法を習得し、屋内配線図の製図を行います。
4.有接点シーケンス制御
主にリレーと呼ばれる電磁石の力でON/OFFするスイッチを用いて色々な動作をする回路を組み立ててモーターやベルトコンベアの自動制御を行い、さらに点検や動作確認を行います。また、その際必要となる設計図(シーケンス図)の読み方や書き方も習得します。
5.プログラマブルコントローラ制御
制御用マイコンを用いて、プログラムすることによって複雑な動作をする回路を組み立て、その際に回路の設計図(ラダー図)の読み方・書き方やプログラムの各種命令も習得します。さらにモーターやベルトコンベアの自動制御、点検、動作確認も行います。
6.制御盤制作
有接点シーケンス制御によるベルトコンベアの制御盤を制作する技能を習得します。そのために、制御盤の仕様の見方・書き方、仕様に基づいたシーケンス図の製図、制御盤の穴あけ等の加工、機器の取付け、配線、検査、動作確認の手法を習得します。
受講条件
- 職業訓練で新たな技能・知識を習得することにより就職したいという強い意欲をお持ちの方
- 職業訓練を受講することに熱意を有する方
- 希望される仕事と訓練科目(内容)とが一致している方
- 職業訓練を受講・修了するのに支障がなく、他の受講者と協調性を持って受講できる方
- 職業訓練の内容を理解するのに必要な学力を有している方
訓練生の就職した職種例
- 電気工事士
- 配電盤・制御盤組立
- 生産設備の保全
- ビル設備管理
入所前の職種
|
修了後の職種
|
製造業機械オペレータ(契約社員)
|
施設設備管理(正社員)
|
農業機具販売業 営業(正社員)
|
電気工事士(正社員)
|
製造業機械オペレータ(契約社員)
|
電気工事士(正社員)
|
製造業開梱作業(派遣社員)
|
電気工事士(正社員)
|
製造業機械オペレータ(派遣)
|
生産設備の保全(契約社員)
|
職務と仕事内容
電気工事
電気は私たちの生活に必要不可欠なものです。住宅、店舗、工場、ビルなどの電気設備を動かすための電気配線の工事や、電柱から建物へ電気を供給するための引込工事を行う職務が電気工事です。電気工事を行うには電気工事士免状が必要です。電気工事士免状には、主に住宅や小規模の店舗など比較的電力需要の少ない建物の工事に必要な第二種電気工事士免状と、工場やビルなど大規模な建物の電気工事に必要な第一種電気工事士免状があります。
配電盤・制御盤組立
ベルトコンベアなど工場の生産ラインを制御する制御盤を製作します。制御盤は、鋼板あるいはプラスティック製の枠組みにスイッチ類、計器類、リレーなどの制御用部品を設計図・配線図に従って組み付け、配線し、通電試験を行って規格内に調整を行い、完成させます。
生産設備のメンテナンス
工場の生産設備は、センサやモータなど、多種多様な電気機器によって制御されています。これらの機器の点検作業、故障からの復旧作業などを行います。
ビル設備管理
室内の温度・湿度などの調整を行うために機械設備を運転、設備の保守・管理等を行います。就職するためには、電気工事士やボイラー技士、危険物取扱者などの資格が必要になることもあります。
就職率
88.1%:平成30年度入所生修了後3カ月
訓練生の主な就職先
- 三信船舶電具株式会社伊勢工場(産業機械製造業)
- 三重グリコ株式会社(食品製造業)
- 株式会社植田電気工事事務所(電気工事業)
- イセット株式会社(その他の事業サービス業)
賃金情報
電気工事士
|
15万円~35万円
|
制御配線作業員
|
18万円~30万円
|
ビル管理
|
10万円~15万円
|
就職先での活用状況
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
電気の理論から住宅配線・電気設備CADで習得した職業能力は、住宅などの電気工事に活用されています。シーケンス制御から制御盤製作で習得した職業能力は、制御盤のCAD図面設計や加工、機器の取り付け、試験や検査などに活用されています。また、生産設備のメンテナンスにも活用されています。一方、ビル設備管理においては、本訓練で習得する電気工事、シーケンス制御などの技能・技術が設備全般を管理する能力の一つとして活用されています。
任意に取得する資格
電気設備技術科は以下の資格に関連しています。希望者が多い場合は資格試験対策の補習も行っております。
第二種電気工事士
一般用電気工作物の電気工事の作業に従事することができます。(住宅など600ボルト以下の電圧を受電する設備)
第一種電気工事士
自家用電気工作物のうち、最大電力500キロワット未満の需要設備の電気工事ならびに低圧の電気工事の作業に従事することができます。(主に受変電設備の工事ならびに一般住宅の工事)
就職後のスキルアップ
就職先企業で相談をしていただき、当施設で行われる事業内援助や能力開発セミナーを受けることで技能・知識の向上を目指し仕事の幅を広げることができます。
お問い合わせ先
ポリテクセンター伊勢
TEL
0596-37-3121(代表)