ものづくり拠点の持続と技能者の育成
東海地方には「地の利」があります。愛知県の製造品出荷額は日本一です。これに続く神奈川県、静岡県の約3倍もあります。この地が製造業の拠点となったのは、ものづくり産業のたゆまぬイノベーションの賜物です。日本全国、ものづくり産業を支えてきたのは、高度な技能を培ってきた中小企業の技術者たちです。しかし、ものづくり産業においては、生産拠点のグローバル化、国内市場の伸び悩み、生産年齢人口の減少などから、知的財産の輸出や海外への直接投資、海外生産などが進展しています。日本は金属資源やエネルギー資源がほとんど無いという「素材の不利」を克服するため、工学教育と高度技術者の育成に注力し、「人の利」を拡充してきました。
今は、ものが余る時代です。未来のものづくりは、大量生産志向からすこし違う方向に向けられています。今、何が起きているのか。「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、活き活きと快適に暮らすことのできる社会」への変化です。そのための最大の鍵は、皆さんも一度は耳にしたことがあるIoT、ビックデータ、人工知能、ロボットの活用です。それらを支える根幹の部分は、製造分野のもの(材料)づくりなのです。
東海職業能力開発大学校は、「地の利」がある地域に位置しています。日本のちょうど真ん中あたりです。これから活躍できるおもしろいものづくり産業には事欠きません。就職率は100%です。本校は、2年間の専門課程と、さらに2年間の応用課程を通して、ものづくりに必要な技能を習得します。それぞれ、3つの技術科があります。製造業が抱えているこれからの技術革新に適用できる才能を、専門性の高い実践教育から学び、経験豊富な先生方との実習やコミュニケーションを通じて、真に身に付く技術にまで育て上げます。20~30名の少人数クラス単位での授業や実習は、必ず密度の濃い体験になります。
平成30年度から、応用課程の3つのシステム技術科に共通コースが設置され、生産ロボットシステムコースとしてスタートしています。応用課程進学後には、希望者は産業用ロボットなどの科目を選択できます。将来益々必要不可欠な分野に挑戦する技能を身に付けることができます。何か一つ得意な技能を身に付けると、技術者としての自信が持てます。少しでもものづくりに興味のある方、ぜひ立ち寄ってあなたの夢とロマンをみつけましょう。
東海職業能力開発大学校 校長