SOUZOU
能開大独自の「総合制作実習・開発課題実習」
能開大独自の「総合制作実習・開発課題実習」
応用課程 開発課題
応用課程では、学科の枠を超えてチームをつくり、共通する課題の解決に挑戦する「開発課題」というプロジェクトがあります。それぞれに培ってきた専門分野を活かし、役割を明確にしながらゴールを目指します。生産現場を意識しながら、相互に協力・研鑽することで実社会での実践力を高めることができます。
PROJECT 01
微細プレス加工製品検査・投入ステーションの開発
本テーマでは、プレス加工された微細なサンプル製品を、画像検査した後、出荷用トレーに投入する装置を製作しています。依頼企業は微細なサンプル製品を顕微鏡で検査、手作業で出荷用トレーに投入していたため時間と労力を費やしていました。私たちは、この課題をサーベイランスシステムや自動投入装置で負担軽減するなど改善することで作業を自動化し、省力化及び時間短縮の実現を目指す装置を開発しています。
PROJECT 02
タップ方向自動整列装置の開発
本テーマは、企業との共同研究テーマです。タップとは、下穴にねじ山を作るドリルのようなものです。タップの用途は、メガネ、タブレット、自動車など多岐にわたり、産業界に欠かすことが出来ない製品です。本テーマでは、多くのタップを手で方向をそろえる作業の自動化に取り組みました。開発した自動整列装置には、3Dプリンタによるモデル試作、センサおよびカメラによる自動判別の実験など、1年間の成果がつまっています。
PROJECT 03
学校PR用レーザシューティングアミューズメント機器の開発
本テーマは、大学校の魅力を発信するとともに、レーザ、LED等の光技術を用いたレーザシューティングアミューズメントを通じて入校希望の方や訪問者に当校の魅力をPRするものです。主な仕様は、レーザ発射装置からのレーザ光がターゲット側の受光素子にあたることでセンサーやマイコンが作動して音響や映像を制御しゲームや的当て競技を楽しむことが出来ます。またレーザ発射装置には安全性を配慮した対策を行っています。
PROJECT 04
ラベル貼り作業支援システムの開発
包装材製造会社のS社では、農産物等のフィルム包装資材の製造・販売を行っています。このフィルム包装資材をまとめて梱包する袋もフィルム素材であり、出荷用に製品情報のラベルを貼り付けます。この作業は、フィルムが分けづらいためにヒューマンエラーを起こしやすい作業です。本テーマでは、ラベルと袋をセットし、生産枚数を指定することでラベル貼り作業を行う装置と出荷用の袋の製造管理システムを開発しました。
PROJECT 05
トマトの自動糖度分別機の開発
地域のトマト農家より、トマトを糖度で分別し付加価値をつけたいというご要望をお聴きしました。糖度で分別をするためには糖度測定が必要です。また、商品としてのトマトを扱うため果肉を破壊せず測定する必要もあります。そこで、いくつかの糖度測定の技術を調べ実験を行った結果、近紫外線の透過量を検出する技術を応用することにしました。当校では前例のないトマトの非破壊糖度測定と分別を自動で行う装置を開発しました。
PROJECT 06
ワイヤーハーネスの製造現場業務支援~自動治具保管設備の開発~
ワイヤーハーネスの製造を行っている近隣企業とのテーマです。千種類以上もの治具の中から対応治具を手作業で探し出しているため、作業者の負担を減らしたいとの要望を受けました。そこで『選択された治具を自動で取り出し、収納する治具保管設備』の開発をすることにしました。これにより、作業者の熟練度に関わらず容易に治具が取り出せるようになり、作業者の負担軽減と作業時間の均一化が期待されます。
PROJECT 07
宮城県産スギ材を用いた「超厚合板」の実用化に向けた研究
木質材料はカーボンニュートラル達成に向けて着目されています。超厚合板もその一つで、従来の合板が30mm程度の厚みに対して、50mmと厚い面材料です。超厚合板は、中大規模木造建築に使用できる新材料として用途開発が進められています。本テーマでは、宮城県産スギ材を用いた超厚合板の耐力壁や床構面材としての使用方法の検討を実験的に行っています。
PROJECT 08
環境に配慮した鉄筋コンクリート構造に関する実験的検討
コンクリートの分野では、多くの産業副産物を取り込み、利活用を実現してきました。しかし、産業副産物を起源とするリサイクル材料の有効活用はさらに促進される余地が残っています。そこで本テーマでは、いくつかの産業副産物を起源とするリサイクル材料をコンクリートに利用した場合の特性、環境影響や耐久性を検討するとともに、プレキャスト(PCa)工法による鉄筋コンクリート構造の環境負荷に関する検討を行っています。
PROJECT 09
木ダボ積層材(DLT)の普及に向けた性能評価
DLPパネルは、木材を接着剤や釘などを用いず木ダボのみで接合する新しい建築パネルです。このパネルは床・壁・屋根などの構造材や、木の風合いを活かした現しの意匠材、さらには木の素材感を活かしたインテリアまで、多彩な用途に活用できるものです。このパネルを木造住宅のリフォーム時に柱・はりなどにはめ込むことによって建物の耐震性がどのように向上するのかを実験を通して開発を進めています。
PROJECT 10
東北地方におけるパッシブ・ウェルネス住宅の室内気候改善
近年、住宅における環境負荷の低減などが課題とされる中、新型コロナウイルスの流行拡大も相まって、健康に重点を置いたウェルネス住宅が注目されてきました。そこで本テーマでは、ヒートショックや感染症などによる健康リスクを低減するため、室内温湿度の変動緩和を目的として、新たに抗菌調湿蓄熱塗料の開発、建具一体型空調扇の開発などを通して、東北地方における室内気候を改善したパッシブ・ウェルネス住宅を提案しました。
専門課程総合制作実習
総合制作実習は、実用的な製品を目指したテーマや、既製品をベースに利用改善を目指したテーマ、さらにはレースや大会を目指したテーマなど、多岐にわたります。
生産機械技術科
あるチームは18世紀誕生のシリンダーオルゴールを再現しました。鋼材を焼入しマルテンサイト変態により強度Upさせ、櫛歯寸法条件出しにより音の響きを改善させました。別のチームでは工場内で使われている産業用ロボットをモデルに学生が装置の設計、部品製作、組立調整、動作プログラムの作成を行いました。
電気エネルギー制御科
毎年開催されているEne-1 MOTEGI GP KV-Motoに参加する為の電動車両を市販自転車をベースとして製作したり、電気制御で動くクレーンゲームマシーンの製作などを通して、電気エネルギー制御科では、電気を用いて機器等の制御を行う方法を学びます。
電子情報技術科
電子情報技術科では「キャッシュレス決済システムの構築」、「燃料電池を用いた発電システムの製作」、「オーディオプレイヤー製作」、「出席管理システムの作成」などの課題に取り組みました。
住居環境科
壁-1グランプリは、2体の木造体力壁の足元を固定した状態で桁を互いに引き合わせ、一方の壁が破壊するまで行う対戦形式の競技会です。
「加工・施工部門賞」「環境部門賞」「総合準優勝」に輝きました。