ブックタイトル製造業で働く(機械加工・金属加工編)

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概要

製造業で働く(機械加工・金属加工編)

“ヤッターワンオブジェプロジェクト”仲間と達成感を共有する!!京都機械金属中小企業青年連絡会(通称:機青連)は、56 社の製造業に所属する45歳未満の会員で構成される任意団体で、設立35 周年を迎えました。「機青連35 周年記念 ものづくり事業“ヤッターワンオブジェ”」の取り組みについて、ご紹介します。このプロジェクトの中心的役割を担われた 有田一繁(株式会社有田製作所代表取締役)さんにお話を伺いました。★ヤッターワンオブジェプロジェクトに取り組もうとした動機は何ですか?「受注した部品製造を納期に間に合うよう日々黙々と仕事に取り組んでいますが、自ら企画・開発・設計をする機会が少ないので、自分たちの技術力を結集し、完成品を作ることで、関わった社員のモチベーションを上げる、達成感を感じる機会を共有しようという思いで、このプロジェクトに取り組みました。京都は、アニメーションや漫画の作品も発信していますし、聖地と言われる場所も数多くあり、コンテンツビジネスも盛んな地域でもあるので、「ヤッターワン」製作に向けて、タツノコプロ様のご理解もいただき、取り組むこととなりました。」完成したオブジェは今後、京都府内に常設展示し(京都府舞鶴港に常設展示)、多くの子供さんたちに見て楽しんでもらい、お父さん、お母さん達に懐かしんでいただければと思っています。」★このプロジェクトに取り組んでみて感じたことは?「最初は、やはり大変でした。本業が終わってからや、休日に関係者が集合して、共同作業を行うわけですから、思うように工程がこなせず、予定工期を大幅に超過する結果になってしまいました。ただ、完成した時の達成感、満足感、安堵感は関わった者全員が感じていたと思います。また、色々な課題はありますが、製造業の中小事業者がお互いの得意技術を持ち寄れば、下請け仕事だけではなく、大メーカーに依存せず、最終製品を供給することもできるのではないかという可能性は感じました。」★このプロジェクトを通して、次世代人材への希望、または伝えたいことはありますか?「今回白紙の状態から、企画・開発・設計そして製作という全工程を、各社から関わってくれたメンバーで担当したのですが、通常業務ではあまりやらない企画、それを形にしていく開発設計面でだいぶ苦労しました。これからの現場技術者は、加工する技術だけではなく、想像力や構想力と言ったクリエイティブな能力もぜひ伸ばしてもらい、市場変化に対応できる“ものづくり”に取り組んで欲しいと思います。日本の製造業は、昔の3Kイメージや、同じ製品を大量に生産しているという状況から、大きく変わろうとしていますので、若い方に、この業界でぜひチャレンジして欲しいですね。」★歴史のある会員企業が多いと思いますが、何を継承したいとお考えですか?「まずは、先代から引き継いだ“信用”を傷つけないことです。それは、確かな品質、納期を守る、サービスの質を下げないなど、信用を支えてきたこれらのことは、きちんと継承したいと考えています。」★これからの中小製造業のビジョンについてお聞かせください「もはや、日本の製造業には、大量生産時代は訪れないでしょうし、価格競争で消耗するのも、苦労してものを作る意味がありません。以前から言われていたように、付加価値の高い製品、高い技術力を求められる製品に特化していき、中小製造業が担う役割が益々細分化していくと思います。そういう時代で、生き残っていくには、得意分野を必ず持つということが、中小の製造業事業者にとって重要だと考えています。そのためには、共にがんばる若者が増えてくれることを願っています。」言うまでもありませんが、日本の“ものづくり”を支えているのは、大メーカーだけではなく、様々な技術分野で高品質な部品を供給する中小企業の存在があったからこそ国際市場で戦ってくることができました。ただ、国際社会の在り様も大きく変化し、これまでの日本型事業モデルでは、競争できなくなりつつあります。中小企業の若い経営者層は、イノベーションに取りくもうと必死です。やる気のある企業で皆さんが力を発揮されることを切に願います。京都機械金属中小企業青年連絡会[KISEIREN]代表幹事 土肥 秀則 氏 [土肥板金工業(株)](H29.10.1 現在)連絡先info@kiseiren.comヤッターワンSPECw2,483×d2,504×h3,360 重量 約1.5t