お知らせ

修了生にインタビューしました!

設計したものが形になるのは、
とても大きなやりがいです!

株式会社スギノマシン
第一技術部 WJ設計二課

清水 天菜 さん

専門課程 生産技術科 令和2年度修了

応用課程 生産機械システム技術科 令和4年度修了

清水天菜さんの写真

充実した実習設備が、能開大を選んだポイント

父が大工をしており、幼い頃からものづくりに興味がありました。私自身は、父に手伝ってもらいながら、余った材木でオセロを作っていたような子どもでした。
能開大を選んだ一番のポイントは、実習設備の充実度です。他の工業系の大学の見学にも行ったことがあるのですが、学生の数が多いにもかかわらず、機械の種類や台数が少なくて、学生全員が実際に機械に触るのは難しいように感じられました。ですが、能開大は旋盤やフライス盤などの機械が数多くそろえられており、一人ひとりがしっかり機械に触り実習できる環境が整っています。その点が、私にはとても魅力的でした。

未経験からCAD検定2級に合格

私は高校が普通科だったので、最初は機械の触り方も何一つ分からなかったのですが、勉強を進めていくうちにCADを自分の得意科目にすることができました。そして、先生からの推薦で能開大で毎年開催される「ポリテックビジョンin新川」のものづくり競技会に出場することに。そのままCAD検定も薦めていただき、2級を受検、無事に合格しました。先生方は、合格に向けて手厚くサポートしてくださいました。
また、私の周りでは、旋盤やフライス盤の検定を受ける学生も多かったです。
能開大が技能検定の試験会場になっているので、私にとっていつもの見慣れた環境の中で試験を受けることができたのは、合格の追い風になったかなと感じています。

設計から完成までの一連の流れを実感

能開大で学んで良かったと思うことの一つに、製品が完成するまでの流れを経験できることがあります。
専門課程や応用課程の各2年次に総合制作実習や開発課題実習(一般的な大学でいう“卒論”や“卒研”)があるのですが、自分で設計したものを自分で加工して、組み立てて、最終的に一つの製品を作りあげます。
専門課程の総合制作では、単三電池40本を使って走らせる車両を制作しました。本当なら鈴鹿サーキットで毎年開催される耐久レースに出場するのですが、私のときはコロナ禍でレース自体がなくなってしまいました。レースには出場できませんでしたが、車両の流体解析などをするために、CADをより使いこなせるようになったことは学びとして大きかったと思います。
また、応用課程1年の標準課題では、レバーを引いたら圧縮されるという小さなハンドプレス機を作りました。最初に完成イメージのラフ(ポンチ絵)を紙に描くところから始めました。どれくらいの大きさかということをスケッチして、検証してから図面を起こし、そして制作するという工程で進めるので、とても大変でした。でも、だからこそものづくりに対して真剣に向き合い、一生懸命に取り組めたと実感できました。

多くのことを学んだ開発課題実習

応用課程の開発課題実習では、先輩方からの引き継ぎの課題である「自動綿繰り機」を制作しました。そもそも綿繰りは綿繊維を綿と種に分ける作業です。手作業で綿繰りを行うと大変時間がかかり、作業者の負担になってしまいます。この課題は綿繰りの自動化を図り、作業者の負担を減らそうというものです。
これまでの「自動綿繰り機」では、綿を繰る部分と種を排出する部分を一つの機構で賄っていました。しかし、綿は1個1個ではなくてまとまりで来ることが多く、大量に綿が入ってきたときに綿が繰りきれず、処理されないまま流れていってしまうことがあったのです。そこで、同じチームである他科のメンバーと協力し、何度も話し合って解決策を探しました。最終的に、一定量の綿が入ったら供給をストップすると良いのではという結論に達しました。私たちは、綿を繰る部分を「綿を供給する部分」と、「綿を繰る部分」、「種を排出する部分」という三段構造に変更しました。また、「綿を供給する部分」を画像処理で制御し、綿の供給量を一定にすることで確実に綿を繰れるようにしました。どうしても制限はありましたし、実績もない中での設計は難しい面も多々あったのですが、先生方からもアドバイスをもらいながら開発することができ、大きな達成感を得たとてもいい経験になりました。

能開大で身についたコミュニケーションスキル

私は、高校時代まで女子の友人の方が多かったので、男子と話すことがほとんどありませんでした。ただ、能開大は男性が多くいる環境。わからないことは男子に聞くことも多く、自然と男性との交流が増えていきました。結果的に、社会に出た今、仕事をする上で男性社員の方も含めたどんな方とでも臆することなく話すことができるようになっていますので、その点は能開大での経験のおかげかなとも感じています。

好きなアーティストのライブが勉強の励み

夏休みなど大学が休みのときには、好きなアーティストのライブを観に東京や神戸などに行っていました。そのことが勉強の励みになっていて、ライブに行くまでに課題を終わらせようと頑張りました。勉強の合間を縫って、週に2、3回ほどアルバイトもしていました。飲食店やホテルでの仕事を経験して、稼いだお金でライブへ行き、リフレッシュするといういい流れができたと思います。
能開大は、一般的な大学に比べると学ぶことが圧倒的に多く、一日の勉強時間は長いですが、自分の裁量でアルバイトやサークル活動、趣味の時間もしっかり持つことができました。

就職に向けた手厚いサポート

能開大への進学を考えていたときから、応用課程に進もうと決めていて、さらに能開大の修了後に大学院へ編入することも視野に入れていました。というのも、能開大では「学士」の資格が取れないので、高校の友人たちがみんな「学士」を取る中で、自分だけ「学士」を取れないことが少し心残りだったからです。
ただ、いざ就活となったときに、迷いが生じました。能開大では、面接の練習や履歴書の添削などしっかりと支援していただけるのですが、大学院に進学した場合には一人で就活しないといけないように感じられたのが理由です。能開大での手厚いサポートがあった上で、就活する方が私には合っていると思いました。
実際に、私自身は能開大での就職支援のおかげで、志望する企業に入社できたと思います。

小学生の頃に憧れたスギノマシンで設計業務

スギノマシンを志望した理由は、小学生の頃に工場見学をしたことがあり、そのときに水で物を切るところを見て、とても衝撃を受け、ずっと心に残っていたからです。就職先を考えるときに、やっぱりスギノマシンで働いてみたいという思いが強く、スギノマシンを選びました。
入社して半年が経った頃、東京ビッグサイトで開催される「洗浄総合展」で展示する機器の治具の設計に携わりました。コンクリートをはつる(※)作業で使う「シングルガン」という機器を安全に使用できるようにする支持台です。ガンから噴射される超高圧水はとても危険で、作業中に事故が起こると、人命に関わります。事故につながらないよう、特に安全面に配慮し、人と機器との距離や稼働域のことを考えながら、調整を行いました。新人の私は、先輩社員にも相談しながら、どうすればより使いやすいものになるかという点も考慮し、設計を進めました。
私が設計を担当している超高圧水を使う機器での作業は危険を伴うものです。私自身の今後の目標として、まずは安全を一番に考えて、さらに使いやすい機器の設計ができるようになりたいと思っています。そして、会社に貢献できるように取り組んでいきたいです。

※はつる=コンクリートを削ったり、穴をあけたりすること。

能開大の学びを活かし、次の工程をイメージ

自分で設計して、加工して、組み立てるという、製品が完成するまでの流れを能開大で学んだことが、仕事をするときに活かされているように思います。例えば、初めての仕事であっても、話の大まかな全体像がすぐにつかめたり、次の工程をイメージできたりするのは、能開大で流れを経験しているからこそだと思います。
また、能開大では、自分で加工することも多いので、「これは加工できるかな」とか、「こういう仕様で図面を書いたら加工しやすいかな」と考えられるようになったことは、とても良かったですし、仕事をする上で大切な考え方だと感じています。

先生との距離が近いから気軽に相談できる

能開大は設備が整っていて、さらにクラスが少人数だからこそ先生との距離が近く、質問や相談がしやすいのが特長だと思います。そのため、私自身も、よく先生にいろんな質問や相談をしてアドバイスをもらっていました。それから、能開大は他の大学よりも夏休みなどが短く、授業の空きコマはないので、一般的な大学の4年間分の勉強を2年間で終えると言われたことがあります。それだけ、しっかり集中的に学ぶ環境であるということです。
そして、能開大は就職面でとても有利です。就職支援室では面接の練習や、履歴書の添削など丁寧な指導がある上に、先生からも企業を紹介いただけることがあります。
普通科出身でも、確実に現場のプロを育て上げる学習環境と、就職に対する確実なサポートは能開大ならではだと思います。
私自身が能開大で自分の夢を叶えましたので、後に続く人がたくさん増えてくれると嬉しいです。

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