応用課程 開発課題20周年史
関東職業能力開発大学校 第26回 ポリテックビジョン in 栃木 79 クトタイムに支障が出る . そこでストック部を設ける ことで , 連続した原反の供給を可能とした . 3-3. 原反セット部 A 原反昇降部 原反をチャッキング部まで上昇させると同時に , 原 反の心出しをする必要がある . そこで原反を昇降させ る装置の底面と上面を V 字形状の治具で挟込みを行う ものとした . ラック & ピニオンを使用して機械的に同 期されており , 環境によって感度が左右されるセンサ より確実な心出しが可能となった . B チャッキング部 製造された原反の同軸度に誤差が生じても , チャッ キング部をテーパ形状にすることで , ± 6 mmまで許容 できる装置を製作した . 引き出し部で原反のフィルムの端を検出するため に回転させる必要がある . 回転させ端を検出した場合 , 次にフィルムを引っ張ることになるが , その際にモー タが余計な負荷となるため , モータをチャッキング部 と着脱する機構を製作した . 3-5. 引き出し部 引き出し部は , 原反の側面についたフィルムを剥が し , フィルムを引っ張り上げ , 既存のフィルムと貼り付 ける動作を自動化した機構である . 原反のフィルムは , 実験を繰り返し圧縮空気と原反の回転によって剥がせ ることが分かった . これを用いて , フィルムの端を引き 出しにシンプルなリンク機構で製作した . 3-6. その他の周囲機構 排出部は , 原反昇降部の底面をシリンダによって V 字形状の治具を押し , ボビンを排出させる . 3-7. 残量およびフィルム幅等の検出 原反の残量を検出するため , ラップの減少量を計測 する赤外線測距モジュールを原反に対して垂直に設置 した . ラップのフィルム幅の計測には , 超音波センサを使 用した . 固定された 2 つの超音波センサの間にフィル ムを通し , センサ間の距離から一枚のフィルムの側面 までの距離を算出して幅を検出している . 原反や機構の位置の検出に光電センサを使用し , 剥 がしたラップの検出には , 透明体検出センサを使用し ている . 3-8. 装置・監視システム 装置内のシステム構成図を図3に示す . 本開発では , 装置監視アプリとして装置内のセンサの値を取得し , 運転状態や気温などの動作環境をパソコンやタブレッ トでモニタリングできるものを製作した . モニタリン グでは , 原反の補充タイミングや装置のエラー等を遠 隔で見ることができ , 装置でブザーが鳴った場合には , タブレットに通知され , ブザーの停止も行うことが出 来る . このアプリケーションは“ Windows OS, Android OS, iOS ”のシステム上で動作する . 図 3. 装置内システム構成図および監視システム構成 4 . 性能評価および開発費用 表 2 に開発目標の達成状況と開発費用を示す . 表 2 . 達成状況と開発費用 原反セット装置と引き出し機構 開発目標 達成状況 達成内容 装置寸法 [mm] 幅×奥行×高さ 未達成 1090 × 3060 × 1300 タクトタイム 未達成 現在製作中 原反のチャッキング 一部達成 稀に , 原反が斜めの状態でチャッキン グしてしまうことがある . 残量検出 未達成 現在製作中 フィルム幅 未達成 現在製作中 データベース 登録項目 達成 原反情報 , 作業情報 , 装置情報の登録は達成できた . 対応機種 達成 Windows OS,AndroidOS,,iOS での アプリケーションを製作した . モニタリング項目 達成 装置の状態をモニタリング , エラー等 の表示を達成できた . 開発費用 金額 1,781,248 円 残量検出およびフィルム幅の検出は , 検出したい値 が確認できていない . そのため , 測定した値を再度確認 し , プログラムの修正と回路の製作を行う . タクトタイムは , 装置の自動運転が未達成のため確 認出来ていない . だが , 装置の機構は製作を終了し , 手動 操作の動きまでは確認ができているため , 機構同士の 接続と微調整を行う . 5 . おわりに 本稿執筆時点では , 装置の動作確認が出来ていない が , 装置の状態を遠距離でも監視できるシステムを製 作することができた . この開発した装置により作業の 安全化や作業効率の向上 , 効率的な管理ができること で社会に貢献できることを望む . 最後に , 装置の設計製作 に当たりご意見やご指導 , 必要な材料を提供してくださっ た依頼企業の皆様に感謝申し上げます .
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