応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第26回 ポリテックビジョン in 栃木 78 原反セット自動化装置の開発 グループ 5 生産機械システム技術科 〇吉沢 勇輝 小貫 夏歩 境 佑真 生井 朝也 渡部 裕夢 生産電気システム技術科 川島 敏生 石川 岳 川嶋 聡太郎 長部 陽平 生産電子情報システム技術科 小林 直生 保沢 龍世 丸山 晶久 山本 陽平 六本木 掌也 1 . はじめに 茨城の依頼企業では食品用フィルム ( 以下フィルム ) を製造している . 今回 , フィルムが中空形状の芯に数㎞ 巻かれた状態の“原反”を自動的にセットできる自動 化装置の開発を依頼された . この 1 つ当たりの原反は , 重さ約 30 ㎏ , 大きさ約φ 400 mm× 300 mmであり , 現 状は手作業で装置に取り付けを行っている . 重労働か つ危険な作業であり , 作業者の熟練度によって取付け 時間が異なるため , 作業時間にばらつきが発生する . これを解決するために , 原反を自動的に取付けさせ , 原反のフィルムの幅や原反の残量検出ができる装置の 依頼を受けた . 本開発では , 原反の製品情報を読み取り , 搬送 , セット , フィルムの引き出し , 原反の芯を排出までを行う装置 を開発した . また , 依頼企業は将来的に無人化を検討し ているため , それに向けて装置の作業状況などを遠隔 で監視・管理できるアプリケーションの開発も行った . 2 . 要求仕様と装置仕様 要求仕様と装置仕様を表1に示す . 表 1. 要求仕様と装置仕様 原反セット装置と引き出し機構 仕様項目 要求仕様 開発目標 装置寸法 [mm] 幅×奥行×高さ 1100 ×指定なし×指 定なし 1100 × 3000 × 1500 タクトタイム 1 分以内 1 分以内 原反のチャッキング 無人化 無人化 残量検出 製品ラップ1本以内 製品ラップ1本以内 フィルム幅 幅 300mm 以上を保証 精度は 1mm 単位 幅 300mm 以上の保証 精度は 1mm 単位 データベース 登録項目 原反情報 , 作業情報 原反情報 , 作業情報 , 装置情報 作業モニタアプリケーション 対応機種 指定なし WindowsOS,AndroidOS,iOS モニタリング項目 指定なし 装置状態 , 交換時間 , ストッ ク数 , 温度 , 湿度 , 気圧 , エラー等のメッセージ 3 . 概要 装置全体図を図 1 に , 製造サイクル図を図 2 に示す . 図 2 の点線内が装置の製作範囲である . 図 1. 装置全体図 図 2. 製造サイクル図 3-1. 投入部 原反には , 管理情報を識別する QR コードが貼られ ており , 投入部の機構により原反を回転させながら QR コードの認識を自動で行う .QR コードが自動で読み取 れない場合でも , 音やアラームメッセージをタブレッ トで通知し ,QR コードリーダを用いて手動で行える対 策をしている . 3-2. 原反搬送部 原反搬送部では , 原反を投入部からストック部へ , ス トック部からセット部へシリンダを用いて搬送を行う . 原反からフィルムを引き出す際に , 原反のエッジに圧 痕などの損傷を与えると , フィルムが引き出せない原 因となる . そのため , 原反の表面が接触するすべての治 具等には , 食品衛生法に基づいたクッションゴムを装 着し工夫した . 原反の自動読み込みが正しく動作しなかった場合 , 読み込みを行ってからセット部に搬送したのでは , タ 生産システム技術系 開発課題 原反搬送部 原反昇降部 引き出し部 チャッキング部 投入部 セット部 ストック部

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