応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第26回 ポリテックビジョン in 栃木 75 (2) 打ち抜き部 打ち抜き金型を図6に示す. エアシリンダと金型を用いてロール材から指定寸 法に打ち抜く.金型は設計から加工,熱処理,みがき までを自分達の手で自作した. 図6 打ち抜き金型 (3) 運び部 運び部では,①金型から丸め・溶接部と②溶接部か ら検査部まで運ぶ2工程が存在する. ① 金型から丸め・溶接部 打ち抜き後,金型下部のトレイに材料が落ち,エア シリンダを用いてトレイを,丸め・溶接部前まで運ぶ. 運ぶ際に材料がトレイに乗っているか確認するため, カラーセンサを用いて材料の検出を行っている. ② 溶接部から検査部 溶接後,エアバキュームを用いて溶接棒についてい る金属フィルタを吸引し1軸テーブルを用いて検査部 へ搬送する. (4) 丸め・溶接部 丸め・溶接部を図7に示す. 丸め部では,トレイで運ばれた材料をエアバキュー ムにより負圧で吸引するオリジナルのアイデアで搬送 する工夫をした.丸め機構の下の型にセットする.そ の後エアシリンダを用いて下の型を上昇させ電極に押 し当てることで材料の左右を浮かせ,左右の型を押す ことにより丸める機構となっている. 溶接部では丸め後,溶接機を用いて材料に3か所溶 接を行う.溶接後金属フィルタが電極に接着している ため,エアシリンダを用いて電極から金属フィルタを 剥がし検査部へ搬送する. 図7 丸め・溶接部 (4)検査部 検査は,2 種類の方法で行っている。一つは,手作 業で使用している基準棒を使用するもので,企業側の 要望で必ず実施することになっており,下部円径で 良・不良を判定している.基準棒による方法を図8 – (a)に示す.上下2つのセンサで,基準棒にささる深 度から下部円径を判断している. 二つ目は,画像処理による方法で,図8-(b)のよう にフィルタの四隅の座標から,高さ・上円径・下円径・ 形状を求め,良・不良の判断を行っている. その後,2つの結果から良・不良をPLCに送る. (a) 基準棒による方法 (b) 画像処理に よる方法 図8 検査部 4.性能評価 開発目標と達成状況を表2に示す. 表2 開発目標と達成状況 仕様項目 開発目標 達成状況 装置寸法[mm] [横幅×奥行×高さ] 1800×1800 ×1500 1530×1410× 1490 キャスタ・ シグナルタワー を除く 装置重量[kg] 300 キャスタ付 500 キャスタ付 全体成功率[%] 98 検証中 タクト[sec] 30 検証中 5.開発費用 開発費用を表3に示す.装置の利用金額は予算内に 収めることができた. 表3 開発費用 予算 利用金額 残高 製作費用 ¥1,400,000 ¥1,399,424 ¥576 ¥4,042,000 6.おわりに 本装置を開発することにより,従来手作業で行って いた作業を自動化することに成功した.これにより, 作業者の負担の軽減と製品のばらつきを解消できれば 幸いである. 最後に,開発にご協力頂きました依頼企業様に,厚 く御礼申し上げます. エアシリンダ ダイセット ブランクホルダ パンチ ダイ スポット溶接電極 丸め型

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