応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第26回 ポリテックビジョン in 栃木 73 5.装置概要 5 . 1仕分け部 仕分け部は作業台と異なる3種のサイズに適した ベルトコンベア3台で構成されている. 作業台には,製品の品種解析を行うためにロードセ ルを設置した.それぞれのベルトコンベアの入口・出 口付近には光電センサを取り付け,製品の検知を行う. 5 . 2積載部 積載部は,レーンやパレットへ移動する移動部,製 品をパレットに積み込む昇降部,積込部で構成されて いる. 5 . 2 . 1移動部 移動部では,ステッピングモータを駆動させ床に設 置してあるレールに沿って移動する. レールの両端と 中間にリミットスイッチを反応させるための治具を設 置し, 2 つのパレットへの位置決めを行う. 5 . 2 . 2昇降部 図6に示す昇降部では,シャフトの両側にスプロケ ットを取り付け,ブラシレス DC モータの駆動を両側 のスプロケットに伝え,チェーンによって昇降を行う. 昨年度の装置に比べ,モータの1回転あたりの移動 量が増加し,昇降の速度が上がったことにより,タク トタイムの短縮に繋がった. 図6 昇降部 5 . 2 . 3積込部 図7に示す積込部では, DC モータを駆動させ,ベ ルトコンベアでパレットに製品を積載する. ベルトコンベアを2つ重ねるように配置し,ステッ ピングモータを用いて,ベルトコンベアの左右にスラ イドレールを取り付け,ベルトコンベアを押し出せる ようにしたことで,パレットの内部に侵入させ,奥ま での積載を可能にした.また,製品を直接押し出すこ となく積載することで,傷のつきにくい積載にした. 図7 積込部 6.積載シミュレーションと端末レイアウト 図8に作業者が確認する積載シミュレーション画面 を示す. 積載シミュレーションアルゴリズムは,装置の積載 方法に合わせている.パレットに積載する製品情報を 取得し底面積降順で並び替えて,配置可能な場所に配 置する.なお,2段目に配置する場合は1段目の製品 との接地面積を,奥に配置する場合は手前との横幅を 考慮した. また,タブレットでは, DB に保存されている製品 生産情報の数に対応したパレットごとの積載シミュレ ーション,さらに,装置の稼働状況と積載状況をリア ルタイムで確認できる. 図8 積載シミュレーション画面 7.性能評価 本装置の開発仕様に対する評価を表2に示す. 表 2 性能評価表 仕様項目 要求仕様 今年度開発仕様 性能評価 製品寸法 (縦×横×高さ) 全製品 異なるサイズ3種 ・620×330×620[mm] ・620×180×620[mm] ・770×180×620[mm] 〇 タクトタイム 30秒/箱 1分30秒/箱 平均約1分13秒/箱 成功率 100% 99%以上 検証中 仕分け区分 2週間先まで 当日,翌日 〇 8.開発費用 開発費用を表3に示す. 表3 開発費用 ( 単位:円 ) 機械 電気 電情 合計 847,634 470,841 71,654 1,390,129 9.おわりに 本装置は,昨年度の問題を改善し,製品をパレット に積載し出荷する状態までを自動化することができた. 今回製作した装置により,作業者の負担が減ること で A 社に貢献できれば幸いである. 最後にご協力頂きました,依頼企業様に深く御礼申 し上げます.

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