応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第25回 ポリテックビジョン in 栃木 63 図7. システム構成図 遮光ボックスの内部と撮影処理部分を図 8 に示す.ま た,画像処理の工程を図9に示す. 図8. 遮光ボックス内部(左)と撮影処理部分(右) 図9. 画像処理工程 4.3 ナット締め検査部 ワークの良否は次の手順で判定する. ① ナット回転用のブラシレス DC モータ,Z 軸送り用の AC サーボモータ共にトルク制限が働いていなけれ ば,ナット締めを継続する. ② 少なくともどちらか一方のモータのトルク制限が働 いた場合,良否判定に移行する. ③ 治具の下面2箇所に取り付けたボールプランジャー スイッチが同時に ON すれば良品,そうでなければ不 良品と判定する. 治具の干渉を防ぐため,ボルト 1 本ごとに工程を分け ており,左右対称のワークに対応するためにナット締め 機を左右に移動できるようになっている.コスト面から 2軸制御ユニットを導入できないため,Z軸送り用モータ のパルス出力からナット締め用モータの回転数を算出し ているがこの方法ではZ軸にかかる負荷を減らしきれな い.そのためリニアガイドとばねを用いることで Z 軸方 向の負荷を逃がす工夫をした.検査用ナットの軸にはウ レタンを使用しており,ボルトと治具が X,Y 方向にずれ てもウレタンが曲がることでナットを締めることができ る. ナット締め機を図10に,検査部を図11に示す. 図10. ナット締め機 図11. 検査部 4.4 排出部 判定結果に応じて,良品(OK)不良品(NG)それぞれの ベルトコンベアに仕分ける.電磁石でワークを吸着する ことで排出する.ベルトコンベア上のワークをカウント しており,ワークが所定の個数までたまった場合全体動 作を停止する.ワークは良品3個,不良品は6個溜められ る. ピッキング部を図 12 に示す.また,OK・NG のベルトコ ンベアを図13に示す. 図12. ピッキング部 図13. OK・NGベルトコンベア 5. 現行装置の問題点 画像処理検査において,「やけ」が付いていない不良 品の検出ができていない.解決策として,カメラの画質の 向上,画像の明度の均一化などを行う. 6. 装置開発費用 装置開発費用を表2に示す. 表2. 装置開発費用 項目 金額(千円) 機構部 450 制御部 920 情報処理部 380 開発費用合計 1,750 7. 評価 本装置の評価を,表3に示す. 表3. 評価 項目 評価 コンベアによるワークの搬送 ○ エビデンス保存 ○ 画像処理判定 △ 検査用ナットによるナット締め検査 △ 良否ベルコンへのピッキング ○ タクトタイム(15秒) 14.3秒 【凡例】○:動作確認済み △:調整中 8. おわりに 今回の開発課題を通し,完成に向けて他科と連携を取 り合い,協力して作業を行うことができた. 本装置の開発により,人手不足の解消,生産性の向上に 繋がると幸いである. 最後に,開発にご協力頂きました依頼企業様に,厚く御 礼申し上げます. OK NG

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