応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第25回 ポリテックビジョン in 栃木 57 3 . 1 . 5 土台ユニット 昨年度の土台は剛性が低く , 振動が発生していた . その ため , 今年度は角パイプを溶接により接合し , 一体の構造 物にすることで剛性を確保した . 3 . 1 . 6 PLC通信ユニット 情報処理部と PLC を通信するユニットである . シリア ル通信を用いて寸法データの送信や加工状況をモニタリ ングし , ユーザに開示する . 3 . 1 . 7 画面表示部 実際の画面を図 4 に示す . 昨年より見やすく , 使いやす くし , 最大 4 つのデータを保持できるようにし , 手動入力 を実装 . また , エラー表示画面の実装をした . 図 4 自動材料切断装置画面表示部 3 . 2 加工時間計測システム 加工時間計測システムの開発は , 要求仕様を満たす範囲 で汎用性を重視し手動での計測 , チップ交換時間の自動計 測まで目標にし達成した . また , 次段階の開発として限定 的な自動化の製作 , 完全自動化の提案も行った . 本装置の外観を図 5,6 にシステム構成を図 7 に示す . 図 5 加工時間計測装置 ( 手動 ) 外観 図 6 加工時間計測装置 ( 限定自動 ) 子機外観 図 7 計測システム ( 限定自動 ) のシステム構成 3 . 2 . 1 汎用機 本装置は汎用性を高めるため , 汎用機と子機に分かれて おり , 汎用機では子機から送られてくる信号をまとめて時 間計測を行い ,CSV ファイルにする . また ,USB メモリま たはネットワーク経由にてデータの移行ができる . 3 . 2 . 2 子機 子機では各センサの値を読み込み汎用機に信号を送る . 手動での計測 ( 図 5) ではスイッチを押すことで , ストップ ウォッチより簡単に計測ができる . 限定的な自動化では超 音波センサや重量センサ等 ( 図 6) を汎用機に接続して自動 計測を行う . � . 2 . 3 計測データ表示部 データ表示では ,Excel のマクロを用いることで , データ を見やすく加工する . 現品票ごとの計測時間に加え機械の トータルでの稼働時間も出す . またガントチャート ( 図 8) のように見やすくしたシートも製作した . 図 8 計測データ表示部ガントチャート 4 . 性能評価 表 2 に開発目標と達成状況を示す . 開発目標と表1の装 置仕様に対して , すべての項目で達成する事ができた . 表 2 性能評価 開発目標 達成状況 達成内容 材料供給と排出の自動化 達成 自動で供給排出できた 切り粉除去性能の向上 達成 切断面粗さがRa 0.5μm以下 軽量化と振動の軽減 達成 加工に影響を及ぼす振動は確認されなかった 刃物の直角精度の向上 達成 製品の直角精度が0.02mm以下 前年度以上の加工精度 達成 製品の⻑さ精度が±0.02mm以下 材料ごとに作業開始/終了の時間計測 達成 時間計測できた 作業時間を手作業と機械加工 特殊作業に分割 達成 各作業ごとに分割して計測できた データをExcel形式で出力 達成 データをExcelで出力できた チップ交換時間の自動計測 達成 チップ交換時間を自動計測できた 自動材料切断装置 加工時間計測システム 5. 開発費用 表 3 に予算額と購入費用を示す . 装置の製作は予算内に 収めることができた . 装置費用は ¥1,609,008 である . 表 3 開発費用 予算額[円] 予算執行額[円] 差額[円] 装置費用[円] 生産機械 550,000 451,248 98,752 608,873 生産電気 520,000 561,503 -41,503 861,297 生産電子情報 120,000 174,899 -54,899 138,838 合計 1,190,000 1,187,650 2,350 1,609,008 6. おわりに 今回の開発では , 一度の切断のみでフライス加工の仕上 げ面と同等の切断を行う自動材料切断装置と材料の加工 時間を計測する加工時間計測システムを製作することが できた . 開発した装置により , 作業効率の向上 , 効率的な管 理ができることで社会に貢献できることを望む . 最後に , 装置の設計製作に当たりご意見やご指導 , 必要な材料を提 供してくださった会社の皆様に感謝申し上げます . 汎用機 子機 特殊作業計測 マイクロスイッチ 機械加工計測 超音波センサ 手作業計測 重量センサ電流センサ 57

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