応用課程 開発課題20周年史
関東職業能力開発大学校 第23回 ポリテックビジョン in 栃木 36 IoT 機能を備えた低床型自走式階段昇降機の開発 グループ 5 生産機械システム技術科 大木 麻光 菊島 圭悟 北原 輝将 黒﨑 海 古口 直輝 山内 悠矢 生産電気システム技術科 ○成田 英司 飯豊 知生 岡田 竜平 釜屋 佳史 生田目 大暉 生産電子情報システム技術科 粟野 悦史 石橋 和樹 井上 由基 酒寄 大 益子 圭吾 1 .はじめに 市販の階段昇降機は着座位置が高く,階段の昇り終 わりと降り始めに急な姿勢変化があるため,被介助者 が不安を抱きやすい.また,急な姿勢変化が起こる際は, 介助者が昇降機を支えることになり介助者の負担が大 きい. A 社から上記の問題を解決し,かつ,使用者およ びその家族に安心感を与える IoT 機能を備えた階段昇 降機の開発依頼があり,取り組むこととした. 2.開発目標 2.1 企業からの要求事項 被介助者として,平地の歩行はできるが階段の昇降 が困難な高齢者を想定する.使用場所は,公営住宅の 階段とし,介助者も高齢者である老々介護を想定する. 企業からの要求事項は以下の4つである. ① 安全,安心して乗れること ② 省スペースで移動できること ③ 操作が容易であること ④ 故障しにくいこと 2.2 昇降機の開発目標 昨年度は階段の昇降のみを開発範囲としたが,今年 度は平地-階段間の移行と踊り場での旋回も含めて開 発範囲とした.表 1 に開発目標を示す. 表 1 開発目標 3.装置概要 3.1 全体構成 本開発は,角度が急で幅の狭い公営住宅の階段昇降 及び,老々介護を想定しているため高い安全性と安心 が求められる.それらを考慮した結果,クローラによ る昇降方式を採用し,平地-階段間の移行時に生じる 急な座面の角度変化を緩和するため,タイヤ付きアー ムを取り付けた.また,階段昇降中に電源が停止した 場合でも滑り落ちないよう,無励磁作動形電磁ブレー キを搭載した.センサを使いタイヤ付きアームと座面 角度の制御を自動化することで,操作の簡易化を図っ た. 使用者の家族に向けた IoT 機能として,昇降機の位 置情報を Web サイトから確認できるロガー機能と, 緊急時や転倒時に現在地を E メールで送信する通知機 能を実装している.これにより,使用者の家族にも安 心感を与えられる. 図1に装置の外観を,図2にシステム構成図をそれ ぞれ示す. 図1 装置外観 図2 システム構成図 生産システム技術系 開発課題 36
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