応用課程 開発課題20周年史
関東職業能力開発大学校 第23回 ポリテックビジョン in 栃木 35 図 5 搬送部 3-2 .除袋部 ⑴切断機構 押し出される菌床をリミットスイッチ ( 図 5- 矢印 C) が感知し停止させる.除袋部の針によって袋の上端の 左右2か所を固定し,その間に刃を下して袋に切り込 みを入れる.刃には汎用カッターを用いた. ⑵引き裂き機構 除袋工程を図 6 に示す.切断機構で切り込みを入れ た後,台座とともに回転する針で,切り込みに沿って 袋を引き裂く.除袋された菌床は押し出しシリンダに 取り付けられたアームにより排出部に送られる. (a) 除袋前 (b) 除袋後 図 6 除袋工程 ⑶除袋補助機構 除袋補助機構を図 7 に示す.菌 床を押し出す際に,上下に取り付 けられた刃で袋に切り込みを入 れることで裂け方を安定させる. 刃には汎用カッターの刃を用い た. 図 7 除袋補助機構 3-3 .排出部 除袋された菌床は切断部か ら,排出される設計となってい る.除袋した後の袋は,送風機 ( 図 8) によって吹き飛ばされる. 図8 送風機 4. 画像処理と機械学習の研究 今年度の実装は見送ったが,画像処理 ( 図 9) と機械学 習 ( 図 10) という技術を用いて除袋の精度向上に有効か 研究を行った. 図 9 画像処理 図 10 機械学習 リミットスイッチ ( 図 5- 矢印 C) では,殺菌済みの 菌床の場合に切込み深さ誤差 1mm 以内で判断が行え ている.しかし現場で使用される菌床は表面に凹凸の ある個体もあり,この場合図 11 のように菌床の上部 を刃で傷つけてしまう.その点画像処理と機械学習は 菌床を平行に撮影し菌床の最上部を判断する為,少な い誤差で切断を行える. (a) リミットスイッチ (b) 画像処理と機械学習 図 11 判断方法の比較 但し画像処理の場合菌床の発酵具合によっては判 断が困難な場合があるが機械学習は個体差にも強く, そのような菌床も識別することができる.そのため菌 床の位置判断において確実性では機械学習は有効だと 考える. 5. 性能評価 性能評価を表 2 に示す. 表 2 性能評価 ※殺菌済みの菌床に限る 6. 開発費用 開発費用を表 3 に示す. 表 3 開発費用 7. おわりに 今回は装置を「菌床袋の確実な除袋」という機能を 最優先にする方向性で作業を行った.企業の方からア ドバイスを頂きながらメンバーで協力し,現場で使用 できる装置の製作を目標に作業を行った.本開発が, 生産性向上と業界の人手不足の解消に少しでも貢献出 来たら幸いである. 項目 目標仕様 結果 タクトタイム 1分間に2-3個 4個 切込み深さ 2mm以内 2mm以内 菌床の運搬 コンベアにより運搬 達成 除袋後の袋の処理 送風機で袋を飛ばす 達成 機械 電気 電情 合計 ¥609,840 ¥635,127 ¥64,528 ¥1,309,495 35
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