応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第23回 ポリテックビジョン in 栃木 33 ワーク対応サイズと検査性能を達成できるレーザを選 定した.測定後,PCとシリアル通信を行い,取得した 値に補正値をかけることで±0.05[mm]の精度を実現 する. カメラは入力画像を 2 値化したのち輪郭を取得し, ワークの判定を行う.その後縦,横方向のピクセル数を 数えワーク高さの補正をしてピクセル数から長さを計 算する. 現在の精度は±0.4[mm]である. ( 2 )加工部 今年度の加工方法も昨年度と同様に1工程に3を面 取り加工する加工方法を採用した. 検査部で取得した情報をもとに,PCでモータの移 動量を計算しPLCに送信している. 加工材料をエアシリンダで固定後上下の 2 辺,縦 1 辺 を加工しターンテーブルにより 90°回転させるこの 工程を4回行う. タクトタイムの削減案として今年度は加工部と検 査部の一体化を採用した.これにより,昨年度より作業 工程の削減ができタクトタイムの短縮が見込める. ( 3 )チャッキング部 図 5 にチャッキング部の図を示す.今年度はチャッ キングの機構を見直し基準面をエアシリンダではなく 筐体に固定することにした.これにより昨年度の問題 点であった加工精度の問題を改善できると見込んだ. 押えに関しても昨年まで2点で押えていたところを, 上からの押えを入れて3点で抑える機構を設計した. 図5 チャッキング部 ( 4 )切削部 昨年度は3辺同時加工を行うため3つの工具をPL Cで制御して加工を行っていたため,加工制御が複雑 になっていた.そのために制御に無駄があり結果的に タクトタイムの増加につながっていた. 今年度は工具を1つにすることで加工制御の簡易化 及びメンテナンス性の向上を図り,工具を「コ」の字に 制御することで3辺を一連の工程で削ることに成功し た. また機構を単純化し主軸回転数と送り速度のスピ ードも上げることでタクトタイムの短縮を行う. 以下の図6に切削機構の図を示す. 図6 切削部機構 ( 6 )システム構成 図 7 にシステム構成図を示す.加工部の制御はPL Cで,検査部の制御はPCで行う.PCとPLCはR S232C規格によるシリアル通信を用いてデータ の送受信を行う. 図7 システム構成図 4 .性能評価 本装置の性能評価を表2に示す. 表2 性能評価 5 .開発費用 表 3 に開発費用を示す.予算内で開発することがで きた. 表3 開発費用 6 .おわりに 今回の開発では昨年度の問題点を改善しつつ一連の 動作ですべての面取りを行う装置を製作し開発するこ とができた. 今回開発した装置より,製造業の作業効率向上の足 掛かりとなり,社会に貢献できれば幸いである. 仕様項目 目標仕様 達成状況 装置寸法 [横幅×奥行き×高さ] 1000×1000×1500 [mm以下] 895×880×1498 [mm] 対応材質 鋼材 鋼材 対応サイズ X:40〜100[mm] Y:20〜70[mm] Z:10〜30[mm] 達成 面取り範囲 C0.1〜1.0[mm] 評価中 検査性能 Z寸:±0.05[mm] X,Y寸:±0.5〜1 [mm] 達成 タクトタイム 5分以内 400[s] 成功率 97% 評価中 機械系 電気系 情報系 合計 予算額 ¥705,322 ¥430,186 ¥178,223 ¥1,313,731 ¥1,360,000 33

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