応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第23回 ポリテックビジョン in 栃木 29 図 3 駆動部 3 . 4 掃除部 工場内を走行する際,磁気テープ軌道上のゴミは走 行の妨げとなる.ゴミはボルトなどの部品を想定して おり , サイズは 5mm ~ 25mm 程度のものが対象とな る.ゴミを回収するための機構として,回転ブラシを 2 つ用い,向かい合わせに設置・回転させることで, ゴミを回収 BOX に収納する.また,車体の後にはカ メラを設置し,ゴミの取り残しを検知する.ゴミの取 り残しがあった場合,画像ファイルをサーバへ送信し タイムログとして記録する.回収 BOX 内のゴミの量 については,赤外線 LED を利用することで量を判断 し,その結果をサーバに送信する.図4に掃除部の外 観を示す. 図4 掃除部 3 . 5 電源部 搭載するバッテリは A 社より提供されたリチウム イオンバッテリ ( 以下, LB BOX) を使用し各部の電源 供給を行う. LBBOX への充電は工場内に設置されて いる充電ステーションにて行う.この LB BOX には, 光通信ポートが設けられており,光通信でデータの送 受信ができる.そのため,専用コマンドを使用するこ とで, LBBOX の状態(電流値,電圧値等)を取得で きる.本装置ではサーバからコマンドを送信し, LB BOX からデータを取得し,サーバに保存する. 3 . 6 磁気検出部 図5に磁気検出部の外観を示す.磁気検出部では, 走行用磁気センシング回路 ( 図5 ① ) ,磁気異常検査用 センシング回路 ( 図5 ② ) を搭載した.①では 3 点,② では 19 点のアナログ出力タイプのホール IC を採用 した. A 社で稼働中の AGV は約 0 . 45[mT] 以上の磁 束密度を検知しながら走行するが,本装置とセンサの 設置位置 ( 磁気テープからの距離 ) が違うため,感度を 変更可能な仕様とした. 検出方法としては,図5の磁気検出部から出力値を RX63N の A/D 変換機能を用いて取り込み,磁気テー プ断線,磁気テープの磁力強度,磁気テープ幅などが 取得できる.このデータは Raspberry Pi を経由し管 理部のサーバに保存される. 図5 磁気検出部 3 . 7 管理部 制御部にて収集した情報を管理部のサーバ上の管 理画面にリアルタイムに表示する.管理画面では,タ イムログや AGV の状態,磁気異常箇所などを表示さ せる.また,詳細ボタンを押すことによって,各異常 の詳細やカメラからの画面を表示させることができ る.図6に管理画面を示す. 図6 管理画面 4 .開発費用 表 2 に開発費用を示す. ( ただし,A社の備品を除く ) 表 2 開発費用 機械 電気 電子情報 合計 ¥432,043 ¥560,037 ¥188,698 ¥1,180,778 5 .おわりに 本開発では,磁気テープ軌道の診断及び落下物回収 を行う装置の開発ができた. 目標を達成するため,進捗管理や情報共有,綿密な 会議に力を注いだ. 本装置は, A 社の生産工場で導入頂くことを目標と しており,本装置が A 社に貢献できれば幸いである. 29

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