応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第23回 ポリテックビジョン in 栃木 28 AGV 型磁気テープ軌道の自動診断ロボットの開発 グループ 1 生産機械システム技術科 鈴木章広 勝俣佳祐 河村響 世良香純 福地拓哉 野口恋 生産電気システム技術科 ○小室怜央 前澤周作 荒井勇樹 猪股寛哉 鈴木健太 西本京介 生産電子情報システム技術科 渡邉皓太 占部祥史 小島脩平 川上友也 野澤俊裕 1 .はじめに A 社の車両組立工場では,部品等の搬送を無人搬送 車 ( 以下, AGV) で行っている. AGV は工場内床面の磁 気テープを読み取り目的地まで走行するが,磁気テー プの断線等による読み取り不良のため軌道を見失い脱 線することがある.また,軌道上の落下物も AGV の 走行の妨げになる. そこで, A 社より磁気テープ軌道の診断と落下物回 収機能を搭載した装置の開発を依頼された. 2.開発目標 本装置の開発目標を表1に示す. A 社より本装置の 必要な機能として,消耗品・稼働・導線・走行路面保 証の 4 つが示され,それぞれの仕様を実現するため の方法を検討し,開発目標を決定した. 表 1 開発目標 3 .装置概要 要求仕様を満たすため,制御部,表示・操作部,駆 動部,電源部,磁気検出部,掃除部,管理部の 7 つの 構成とした.図 1 に装置の外観,図 2 にシステム構成 図を示す. 図 1 装置の外観 図 2 システム構成図 3 . 1 制御部 本装置の走行に関する制御には,信頼性や保守性, 利便性から PLC を採用した. RX63N 及び Raspberry Pi では,磁気センサ , 電流センサ,温湿度センサを用い てバッテリ , 磁気テープや , 可動部の状態を取得し, Raspberry Pi にて管理部のサーバに無線で送信する. また,走行の安全面から人や障害物の検知ができるよ う,障害物センサを本体前方に設置し,人などの検知 時に本体を停止させる制御とした. 3 . 2 表示・操作部 PLC の制御プログラムの変更や確認を容易に行え るよう三菱電機製の GOT を採用した.また,表示灯 により電源の ON ・ OFF 等の状態を示す.さらに,工 場内には AGV を遠隔制御するために光通信ポートが 各所に設置されているため,本装置においても,光通 信ポートを取付け,遠隔制御や他の AGV の走行状況 を把握できるような構造とした. 3 . 3 駆動部 モータと駆動軸,タイヤを直結し, 2 輪で駆動する 方式を採用した.各モータの回転速度を同一にするこ とで直進し,各モータの回転速度に差を設けることで, 本体を旋回させることができる. 本体は走行の安定性向上を図るため,駆動部とボデ ィの接続部に圧縮バネを取り付けた.これにより走行 時に駆動部のタイヤを地面に押し付け,タイヤの空転 を防ぐと共に,路面の凹凸による本体への衝撃を緩和 することができる.また,駆動部への配線の関係から 旋回時の駆動部の回転角度が上限 120 °となるように ストッパーを設置した.図 3 に駆動部の外観を示す. 保証内容 要求仕様 内容 寸法[㎜] 1556×270×350 1545×265×356 バッテリ バッテリ監視 可動部 動作回数による消耗度の診断 センサ 正常な値を出力しているかを診断 稼働状況 サーバを用いた稼働状況の可視化 保守発令 各部異常を検出及び発令 外部I/L状況 障害物センサ及び光通信にて実現 断線保証 しきい値を基に磁気テープの断線状況を判断 磁力幅 センサの反応範囲をRX63Nにて処理を行い可視化 磁力強さ センサから出力される値をA/D変換し、判断 消耗品 保証 稼働 保証 導線 保障 走行路面 保証 ゴミなきこと 2つの回転ブラシを用い,ゴミを巻き上げ,回収 生産システム技術系 開発課題 28

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