応用課程 開発課題20周年史

267 4.計測装置の詳細 図2に、計測システムの構成について示す. 図2 計測システムの構成 図3に工場内のフライス加工の作業についてレイアウ ト構成を示す.フライス加工では,材料をフライス盤で 加工後に作業台でマイクロメータによる寸法測定や,デ ィスクグラインダによるバリ取りの作業があり,フライ ス盤では加工の他に材料を固定する段取り作業がある. 作業工程フローを図4に示す.作業工程は,まず材料 の現品票をバーコードリーダで読み込み材料を作業台へ 準備する.材料をテーブルに固定する段取り作業と機械 加工する加工作業,加工後にバリ取りによる手作業や寸 法計測の測定作業がある.更にフライス加工工程の間に は定期的に工具のチップ交換が行われる.これらの行程 を作業分析して加工時間や段取り時間,待機時間につい て手動や半自動,自動計測の検討をする. 図3 フライス加工作業 図4 作業工程フロー レイアウト 手動化ユニットは,作業者がスイッチを押すことで計 測ができる.計測における作業者の負担があるが,汎用 性を持たせた形で色々な工作機械での加工に応用でき る.手動計測ユニットの構成について図5に示す.この ユニットを加工機の制御装置に取り付けて作業者に各工 程毎にスイッチを押すことで計測を行う.作業内容に は,機械加工や工具交換作業,手作業による段取り作業 とマイクロメータによる測定作業,待ちの待機時間があ る.これらの計測を各種センサでセンシングすることに より計測を半自動化して行う.図6に機械加工のセンシ ングについて示す.機械加工ではフライス盤の動作のう ち,軸移動について原点復帰動作を超音波センサにより センシングすることで機械加工のモニタリングを行う. 図5 計測ユニットの構成 図6 機械加工におけるセンシング 図7 段取りと測定作業におけるセンシング また,工具のチップ交換作業は,交換工具の使用を工具 台に配置したセンサで感知することでチップ交換作業時 間の計測を行う.図7に段取り,測定作業におけるセン シングについて示す.段取り作業は,機械加工後のエッ ジのバリ取り作業がある.バリ取りにはディスクグライ ンダを用いるため、グラインダの使用を電流センサで読 み取ることで作業のセンシングを自動で行う.測定作業 は,機械加工後の板厚や長さ寸法測定をマイクロメータ で実施していることから,測定器の使用を感知するた め、測定台に配置したロードセルによりマイクロメータ の使用を感知して測定の時間計測を自動的に行う. 計測したデータはPC内に格納される.PCからはUSB 媒体により外部へと排出することができる.データ表示 は,表計算ソフト( Excel )のマクロを用いることでデ ータを見やすく加工する.現品票ごとの計測時間に加え て機械のトータルの稼働時間も表示させることができ る.結果のデータの一例は,図8に示すようにガントチ ャートのシートを製作した. 図8 計測データ表示部(ガントチャート) 6.おわりに 本開発において, IoT によるセンシングで加工時間を計 測してモニタリングする装置を開発することができた. 開発した加工時間計測システムは企業にて検証していた だき,今後は実用化に向けて検討していくと思われる. 267

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