応用課程 開発課題20周年史

259 図2 作業工程の動作フロー 図3 1工程内での1面の加工工程手順 図4 装置外観全体 加工部では,図3に示すように1回の加工で1面を構 成する3つのエッジの面取りを連続的に行う.その後に 材料を乗せたターンテーブルを回転させて次の面2のエ ッジの面取りを行う.この動作を4回繰り返して12エ ッジすべての面取りを行うものである.製作した装置の 全体外観を図4に示す. 4.装置詳細 4.1 加工部 昨年度に開発した装置の加工部について図 5 に示す.今 年度は製品化を目指し,できるだけシンプルな構造とす ることとした.今年度に開発した装置の加工部を図 6 に 示す.昨年と比較すると今年は,1つのエッジに対して3 個のモータで,工具回転と切り込み,送りの工程があり, 全体で9軸の制御していたのを,今年度は,2個のモータ で3軸の構成で実現している.特徴的なのは,面取り量の 切込みを送り用で用して実現しているところである.学 生との構想設計段階で,昨年は一から考えているが,今年 度は昨年の装置の良い点,悪い点を見ながら改善するに はどうするかについてディスカッションを繰り返してブ レーンストーミングにより加工工程機構について決定し たものであり,学生のアイデアを実現した形になった. 図5 昨年度の加工部 図6 今年度新装置の加工部 4.2 システム構成 開発する自動化装置のシステム構成を図 7 に示す.検 査部では,現品票からバーコードをリーダで読み込み材 料寸法を画像処理とレーザ測長センサにて測定して,デ ータベースと検証してヒューマンエラーのチェックを行 う.測定検査は PC で行い,測定データを PLC にシリア ル通信でデータ転送して切り込み量の設定をして,材料 をチャッキングして加工を行う.加工部では,一工程で 3 辺の面取りを行い,材料をクランプとアンクランプでテ ーブルを回転させて, 4 回繰り返して自動加工を行う. 図 7 自動化装置のシステム構成 5.性能評価と問題点 表 2 に製作した装置の性能評価について示す.タクト タイムについては,今後に検討して改善が必要である. 表2 装置性能評価 5.おわりに 今年度の装置開発は製品化を目指して,材料の全エッ ジの面取りを一連の動作で自動的に行う装置で,昨年度 よりもシンプルな構造な装置ができた.面取り加工を自 動化する装置は数少なく,地域の企業から多くの需要を 期待できて,地域社会に貢献できるものと思われる. 仕様項目 目標仕様 達成状況 装置寸法 WxDxH [mm] 1000x1000x1500 895x880x1498 対応材質 鋼材 (SS,SC) 鋼材(SS,SC) 対応寸法 XxYxZ[mm] X:40〜100 Y:20〜70 Z:10〜30 目標仕様通り 面取り寸法 [mm] C 0.1〜1.0 目標仕様通り 寸法検査性能 [mm] Z:±0.05 X,Y:±0.5〜1.0 目標仕様通り タクトタイム [sec] 300 400 成功率 [%] 97 100 259

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