応用課程 開発課題20周年史
255 開発する自動化装置の作業工程を図4に示す.検査部 では,バーコードリーダで現品票を読み込み,データベー スから加工情報を取得する.その後,加工材料の画像処理 を行い,取得した情報と加工材料の寸法の整合性を確認 する.また,材料を画像処理することで寸法を計測して, その情報をもとに加工部へデータ転送して,切り込み量 の設定を行う.加工部では,一工程で 3 辺の面取りを行 い,材料をクランプとアンクランプでテーブルを回転さ せて, 4 回繰り返して自動加工を行う. 図4 動作のフロー 4.装置各部詳細 4.1 検査部 加工材料を暗室内の上部と側部のカメラで測定する. 上部カメラは加工材料の縦幅と横幅を測定し,側部カメ ラは加工材料の高さを測定する.加工材料の画像を取得 する際,フォーカスを設定して画像を補正し,取得した画 像を HSV カラーモデル中の明度に変換して,しきい値を 設けて二値化する.(図5参照) 図5 二値化による画像処理 4.2 加工部 一工程で3辺の面取りを行う機構について図6に示す. 切削工具を3つ用いて,送りと切り込みの3軸と回転軸 を用いた機構により構成している. 図6 切削部の機構 加工材料は,ターンテーブル上に配置し,押し板により基 準面に押し当てチャッキングして加工する.3辺加工後 にアンクランプしてテーブルを回転させる.(図7参照) 図7 加工材料のクランプ機構 4.3 システム構成 図8にシステム構成を示す. PC による検査部と PLC による加工部はソケット通信で連携し RS232C によるシ リアル通信でデータ送受信を行う.工具の回転軸を含め ると加工工具部で 3 軸の 3 セットと材料の固定部で 5 軸 の計 14 軸構成の制御となる. 4.性能評価と問題点 製作した装置の性能評価を表2に示す.成功率につい ては達成したものの,タクトタイムについては,今後に検 討し改善する必要がある. 表2 装置性能評価 5.おわりに 今回の装置開発では,材料の全エッジの面取りを一連 の動作で自動的に行う装置を製作することができた. 面取りを自動化する装置は数少なく,地域の企業から 多くの需要を期待できて,地域社会に貢献できるものと 思われる. 今回開発した装置は,全国の能開大の応用課程開発課 題実習での成果物の最優秀賞を受賞することができた. 参考文献 1) 関東職業能力開発大学校 HP http://www3.jeed.or.jp/tochigi/college/ 255
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