応用課程 開発課題20周年史
254 自動面取り装置の開発 中村 正美 *1 中澤 直樹 *2 岩崎 浩文 *3 NAKAMURA Masami NAKAZAWA Naoki IWASAKI Hirohumi 1.はじめに 職業能力開発大学校では,応用課程の 2 年生でグルー プワークとして開発課題実習に取り組んでいる.開発課 題実習は,生産システム系3科(生産機械システム技術科, 生産電気システム技術科,生産電子情報システム技術科) が合同で取り組んでいる.そのテーマの選定には,地元の 地域企業との日頃からの相談援助や共同研究などにより, 候補を挙げて選定している.関東職業能力開発大学校で は,地域協力室があり,図 1 に示すように企業との相談窓 口として共同研究や受託研究を積極的に進めており,産 官学の連携を取りながらつながりを作っている. 図1 地域協力室による大学と企業のつながり 1 ) 今回の取り組みは,地元の小山市内にある従業員 100 人程度の中小企業であり,精密機械部品を中心に各種金 型用標準部品, FA 自動機用部品,治具工具等の金属機械 部品を製造している.小山市工業会の役員会などを通じ てお付き合いのある中で,依頼を受けた企業テーマであ る.製造している部品の金属プレートの仕上げ加工とし て面取り加工があり,現在は図 2 に示すように人手によ る手作業で行っており,一つの材料でエッジが 12 か所あ り,作業量が多く大きな負担であることと,ヒューマンエ ラーが発生しやすいことが問題となっていた.そこで,こ の面取り加工の工程を自動化してほしいとの相談から, 要望をかなえるために,材料の面取り工程の自動化装置 の設計開発に開発課題として取り組むことにした. *1 関東職業能力開発大学校 生産機械システム技術科 〒 323-0813 栃木県小山市横倉三竹 612-1 *2 関東職業能力開発大学校 生産電気システム技術科 *3 関東職業能力開発大学校 生産電子情報システム技術科 図2 人手の手作業による面取り工程の様子 2.開発目標 装置開発への取り組み体制は,開発課題として応用課 程 2 年生の生産機械システム技術科 5 名,生産電気シス テム技術科 6 名,生産電子情報システム技術科 6 名の計 17 名の学生による構成である.装置の開発目標を表1に 示す.目標については,企業と打ち合わせをして現場の要 望に応えるように検討した. 表 1 開発装置の企業要求と開発目標仕様 3.装置概要 開発する装置の設計した外観を図3に示す.装置は 検査部と加工部との 2 つに分かれた構成とした. 図3 自動面取り装置の設計外観 検査部 加工部 254
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